さくらんぼ


00/6/26

いま、東根(ひがしね)市は、さくらんぼで真っ盛りです。

今年は4月や5月になっても、寒かったという天候不順の年でしたので、例年よりも一週間くらい遅れています。

今日は東京で青果市場を経営しているお客様とお話をしていたのですが、やはり東京でも、さくらんぼが遅れているので心配していると言ってました。

このまま、暑くなって7月になると、今度はいわゆる「水物」と呼ばれる「スイカ」などが出回ってきて、さくらんぼはあんまり売れなくなるらしいです。

季節のものは、天候に左右されますので、本当に農家のみなさまのご苦労は大変だと思います。


私の住む町に、昨年「山形新幹線つばさ」が停まることになりました。

いわゆる「つばさ延伸」というもので、新庄(しんじょう)市まで伸びることになったのですが、わが東根市の駅は、なんと「さくらんぼ東根駅」という全国でも珍しい、果物の名前を冠した駅となったのです。

しかも、駅に、なんと「さくらんぼ図書館」まであります(凄いですよね、きっと)

ときどき、私は東京に行くのですが、帰りの新幹線の会話はすごいです。

「つぎーは、さくらんぼ、さくらんぼ東根駅」というアナウンスが入りますので、(しかも電光掲示板で観光案内まで出ます)、初めて来る観光客の人たちは、

「なんだ?さくらんぼ東根駅って?」 「変なの?」 とか「面白い!」などと感想を述べるのでした。


さて、さくらんぼのブランドとして、有名なのは、ご存知の「佐藤錦」です。

この名前の由来は、東根市の果樹農家の 「佐藤栄助さん」
の改良努力によって誕生したからです。

いまや、東根市のさくらんぼ出産量は「日本一」です。


と、田舎自慢をしていまいましたので、(^^ゞ 中医学的な「さくらんぼ」の話題に入ります。


現代の栄養学では、食べ物を「タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、無機質」
の五大栄養素として分けています。

一方、中医学の考え方では、すべての食べ物は「性質」「味」をもっているとしています。


「性質」とは、「寒、熱、温、涼」の四つです。

これは四つの性質なので「四気(しき)」とします。

たとえば、「温、熱」の食べ物は、私たちの体を温める働きをもっています。

寒い冬の夜は「七味唐辛子」で体を温めるとか、はたまた「唐辛子ダイエット」で体の脂肪を燃やすとかが、その例です。

「寒、涼」の食べ物は、暑さによる体の火照りやのぼせを解消してくれます。

たとえば、これから夏にかけて、暑さで体が参ってきますね。

そのような時は、「旬」である食べ物、「キュウリ、トマト、スイカ」などを食べると 体の
「暑熱(しょねつ)」「湿熱(しつねつ)」が解消されます。


次に、食べ物の味ですが、五つの味があります。


これは「五味(ごみ)」といいます。

「五味」 「酸(さん)、苦(く)、甘(かん)、辛(しん)、鹹(かん)」の五つです。

だいぶ長い文章になってきましたので、また次の機会にこの「五味」を詳しく紹介しますが、

「さくらんぼ」の結論をまとめますと、「さくらんぼ」は、味は「甘(かん)」、性は「温」です。

つまり 「甘温(かんおん)」となります。

「甘味(かんみ)」は、疲れたときは甘いものを食べるように、体の疲れを解消する「滋養(じよう)」の働きがあり、また体を潤します。

「温(おん」は、冷えた体を温めますから、梅雨冷えしたり、窓を開けっ放しで寝て、カゼをひいたあなたには、ピッタリです。


「さくらんぼ」は、疲労を回復させ、肌を滋養し(美しくして!)、うるおします。

お酒のリキュールでも「チェリー」のものがありますが、
なるほどですね。

右の写真は、ロックでも飲める
おいしい「チェリー・ブランディー」を、 
「チェリー・ブランディー・フィズ」にしたもの。

(作成者:正人君)