ざくろ

04/11/09



2004年11月2日撮影 撮影者 土屋幸太郎


武田さんという大工さんから、ざくろをもらいました。

それより先の2週間前には、これまた近所の土田肉屋さんから
ざくろをもらったのです。

上記の写真は、武田さんからもらったざくろですが、
土田肉屋さんのざくろもとても素敵で、
しばらくの間にはお店に飾ってあったのでした。

いつどきは、かりんを飾っていたこともあったのですが、
やはり果物など、人様より頂いたものは嬉しく、在り難いものです。


秋の味覚は奥が深く、今回正直申しますと、
生まれて初めてざくろの実を食べました。

甘酸っぱい味です。

福島県出身のスタッフが言うには、
家の周りには ざくろの木がたくさんあって、
小さい頃からざくろに親しんでいるそうです。

いいなあ〜。


それ以来、家の近所を散歩するときにも、
ざくろはないかなと気にしながら歩いていますと、
何気なく庭先になっているのがざくろなんですね。

今まで気が付かなかっただけですが、ちょっとビックリな気持ちです。

自然のものとは、観察する気持ちや愛する気持ちが無いと
なかなか分かってこないんですね。


今回、久しぶりに漢方コラムを書いているのも、
当店のお客様にざくろを頂いたこと。

また社長である父が、ざくろが書いてある本をコピーまでしてくれたので、
息子である私の立場としましては、
輝ける「漢方コラム」の仲間入りをしてもらいたいと思いまして作成しています。

(貰い物に弱かったりするだけだったりして。。)


では、ざくろの紹介をしましょう!





「庭木の選び方と手入れ辞典」より。

75〜76ページから。主婦と生活社さま、ありがとうございます。

芽立ちの美しい木


ザクロ

ザクロの赤い花が猛火となって家に燃え移った、という記述が太平記巻十二に紹介されており、
元禄年間(1690年代)には、“火に炎のある木”として嫌われてきたザクロも、トルコや台湾では今でも、
“子孫繁栄の果実”として結婚の贈り物に使われています。


原産地はイラン、アフガニスタンで、古くからヨーロッパ、中国へ渡っており、
ソロモン王の宮殿の飾りやツタンカーメン王の墓にもザクロの文様が刻まれています。

伝統あるザクロの歴史

漢名の若榴(じゃくりゅう)がジャクロと訛ってザクロになったといわれています。

安石榴(なんしりゅう)の安石とはサマルカンドの古代中国の呼び方です。

西漢のころイランから古代中国に入ったザクロは、
まさにシルクロードのかなたの珍しい果物だったことでしょう。

日本へ入ってきたのは平安時代で「本草和名」という当時の本には“サクロ”と紹介されています。





うーん、素晴らしいですね。

そういえば、ざくろと聞いて、
たしか何年か前に健康食品で「ざくろジュース」が流行ったことを思い出しました。


「女性ホルモンがウンヤラカンヤラで、、更年期障害や生理不順に良い…」などと
怪しいことをうたい文句にしていまして、
お上のほうの研究機関でそのような成分は入っていません!と実証されたのですね。


またまたそういえば、なんで今はサプリメントブームなのでしょうか?

サプリメントとは、「健康食品」ですよね。

最近は、当店に来るおじいちゃんやおばあちゃんたちも、
「サプリメントを飲んでいます」と言う人も中にはいますので、
ビックリすることもしばしばです。


今回、ざくろを食べて思ったのですが、
ざくろのジュースを天然100%で作った場合には、
添加物でも入れない限り、甘酸っぱいとか、酸っぱ過ぎて飲めないのではないでしょうか?


やはり、天然のもの、とくに季節のものは、やはり「旬」のものとして楽しむことが一番だと思います。






最後にお約束の日本漢方大家の大塚敬節先生の「漢方と民間薬百科」より。


ザクロ 石榴 (ザクロ科)


別名 

安石榴(あんせきりゅう)


薬用部位 

根の皮 実 実の皮 枝の皮 花 葉


薬効

のどの痛み 水虫(汗疱状白癬) 口臭 さなだ虫(条虫)駆除 ぜんそく 百日ぜき 乳腺炎 帯下(こしけ)


使用法


1 のどの痛み

実1個を、水400ccに入れて半分に煮つめ、これでうがいをすると、のどの痛み、扁桃腺にきく。

または、葉の一にぎりを同じようにせんじた汁で、うがいをしてもよい。


2 水虫

実、または根の皮を突き砕いて、その汁をつけるか、煎汁(せんじゅう)をぬる。

また、皮を焼いて患部をいぶしてもよい。

これで奇妙になおることがある。


3 口臭

実、または葉を、あわい番茶色にせんじ、一日数回うがいをする。


4 さなだ虫駆除

根の皮をさなだ虫の駆除に用いるが、副作用を起こす危険性があるから、
医師の指導によらねばならない。

この場合、分量が少なくては効がないし、
多く用いるといろいろの反応があるから、
しろうと療法はやってはいけない。


5 ぜんそく 百日ぜき

実の皮に、甘草少々を加えてせんじ、これを飲むと効があるといわれている。


6 乳腺炎

乳房がはれたときには、花を粉末にして患部にぬる。


7 帯下

花をせんじて飲み、また、せんじた汁で腰湯をするとよい。


清涼飲料になるザクロの実

ザクロの実には酸味があるので、汁をしぼって砂糖水で飲むと、
味のよい飲みものとなる。

熱があってかわくときに飲むとよい。

また、これをやけどにぬってもよい。





そういう訳でして、秋が深まる山形より、
ざくろをテーマにお届けしました。

皆様の周りのお庭でも、ざくろがあるかもしれませんよ。




この写真を見て、よだれが出た人は「ざくろ」を知っているんですね〜