カンジ膣炎と漢方

10/04/05

こんにちは!

薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。

昨日、一昨日と東京出張で満開の桜を見てきました。

山形の桜の開花も指折り待ち遠しい毎日です。

今週の土屋薬局・中国漢方通信は、カンジダ膣炎の特集です。




カンジダ膣炎と漢方

おはようございます。

土屋です。

山形は、残暑も終わって、めっきり冷え込んできました。

ほとんど、まだ10月なのに、11月のような
底冷えがします。

鹿児島県の暑さが懐かしいです。


そういえば、当店には鹿児島県出身のお客様がいらっしゃいますので、
先日は、鹿児島からの帰りもあって、話に花が咲いてしまいました。


鹿児島のコンビニは、エブリワンでセブンイレブンは無いとか、
そのお客様のおばあちゃんの家は、「世界一温泉」のすぐ近くだとか、
盛り上がってしまいました。(笑)

来年も、ぜひ九州に行きたいと憧れを抱く今日この頃です。


さて、今日の嬉しい話は、カンジダ膣炎が治って
再発しなくなったお話です。


カンジダ膣炎のような、カビの一種の病気でも
中国漢方では、通常は「湿熱(しつねつ)」や「痰湿(たんしつ)」と考えて
対策を立てていきます。

(カンジダ膣炎で無くても、普段から、おりものが多い相談も可能です。)


そのお客様の場合には、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)もございましたので、
PCOS痰湿(たんしつ)型だろうと推測していましたら、
やはり舌に少しだけ白い苔が多かったですので、
「痰湿(たんしつ)」を解消する方法と「血の道症」対策の2つをお勧めしました。


今年の平成19年5月からの相談ですが、今月10月まで
久しくカンジダ膣炎になっていないとのことで、
良かったなあと嬉しく思いました。

以前にも、5〜6年前ですが、夏に家族で海水浴に行ったところ、
それからカンジダ膣炎を発症して、なかなか治らずに困っているお客さまが
いらっしゃいましたが、その方には、「カンジダ膣炎湿熱(しつねつ)」タイプとして、
体に溜まった「湿熱(しつねつ)」の解消と「血の道漢方」をお勧めして、
1年くらい今期よく服用されまして、カンジダ膣炎も治りまして、
子宝にも恵まれて、ご出産されました。


カンジダ膣炎のような、 痒い、臭い、ジメジメしているようなものは、
中国漢方の対策は、「湿気(しっけ)」と「熱(ねつ)」による炎症と考えて、
「湿気」と「熱」だから、これは「湿熱(しつねつ)」と呼びます。

「湿気(しっけ)」というものは、体の下のほうに下がっていく方向性があるので、
膣あたりの炎症にも、これは体の下のほうだから、
「湿熱(しつねつ)」と考えていきます。

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<2007年10月13日 昼時の月山>

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<りんごと若木山>





陰部の痒み(カンジダ膣炎など)と湿熱(しつねつ)の関係は?

最近、カンジダ膣炎や陰部の痒みなどの相談が
また増えてきました。

中医学的には、陰部の痒みやカンジダ膣炎は、
「湿熱(しつねつ)」と考えます。


「湿熱(しつねつ)」とは、

「湿(しつ)」→つまり、陰部でネバネバ、治りにくいイメージ。

ジメジメしている感じ。

「熱(ねつ)」→熱感、ほてり、患部の赤み。

赤い、痒い、チクチクです。


この上記のイメージが合体したものが、「湿(しつ)」+「熱(ねつ)」で
「湿熱(しつねつ)」になります。

「湿(しつ)」は、陰邪(いんじゃ)でこれは、
下に降りる方向性、下方向性がありますので、
下半身の陰部の痒みや、または水虫などの原因になりやすいです。

膝の痛みや足腰の痛み、しびれなどの「痺証(ひしょう)」にも、
「湿(しつ)」が関連することも多いです。

日本のような、「島国」は四方八方に海で囲まれているので、
この「湿(しつ)」による影響が大きいので、
これらの病気にもなりやすいのです。


この「湿(しつ)」を乾かそうと、漢方では、
たとえば「温める」処方を選んだとすると、
逆に「湿熱(しつねつ)」の合体した「熱(ねつ)」が返って
悪化することが多いのです。

ジメジメした患部をドライヤーで温めようとしても、
かえって熱感がひどくなる。

そのようなイメージでご理解頂けますでしょうか?


舌ベロを見ますと、往々にして、
舌の奥に白い苔、または黄色っぽい苔が厚くなっていることが多いです。

舌の奥は、中医理論では下半身の「腎、膀胱系」のエリアです。

下半身に「湿熱(しつねつ)」が溜まっているのです。


そうです、そうです、膀胱炎、尿道炎になりやすいときも、
同じ考え方で治し方を考えていきます。

「湿熱(しつねつ)」の邪気(じゃき)の老廃物を、
これは頑固でなかなかと解消しにくいですが、
(だからカンジダ膣炎、陰部の痒みも長期間治らないのです)、
適切な漢方を選んで解消へと持っていきます。

当店では、カンジダ膣炎に2年ぐらい罹っていた方が、
漢方を1年くらい服用して、その後 痒みも治まって、
妊娠、出産された経験があります。


「湿(しつ)」を乾かしながら、同時に「熱(ねつ)」を降ろす、冷やす。

そのようなイメージで、漢方を組み立てていくことが多いです。


日常生活では、辛いものやタバコ、お酒、味の濃いものなどの、
肥厚甘味(ひこうかんみ)」は避けるべきです。

今日は、「湿熱(しつねつ)と陰部の痒み」の話でした。

参考になりましたら、幸いです。

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<2008年1月19日撮影 東根市観音寺>


カンジダ膣炎改善のお話です。

こんにちわ。

薬剤師の土屋です。

山形も3月に入り、春雨の季節になりました。

雨が朝から降っていましたので、
雪解けの音とともに、春を実感しています。

と思いきや、外では雨が雪に変わり、
三寒四温の移ろいです。

みなさまも、どうぞ気をつけてお過ごししてください。


さて、長年のカンジダ膣炎が良くなったお客様がいます。

30代のかたで、20代の頃から、カンジダ膣炎が長年続いています。

ここ3〜4年は、カンジダ膣炎に普段ずっとなっているか、
生理になっているかのどちらかです。

慢性化してしまっています。

生理は順調でトラブルはありません。

食欲あります。胃もたれ、胸焼けありません。

お通じやお小水なども問題ありません。


舌ベロは、全体的に白っぽく、特に奥に白い苔が溜まりやすいです。


<当店の漢方の考え方>


「気・血・水」理論で体を考えていきますと、
長年のカンジダ膣炎が治らないことは、
体の下半身、つまり「下焦(かしょう)」に、
「湿熱(しつねつ)」という邪気(じゃき)の存在が疑われます。


湿邪(しつじゃ)の特徴として、粘着質のストーカーのようなしつこさで
体に浸入することが、第一番。

ですから、慢性化して治りにくいのです。


第二の特徴は、容易に、痒みや炎症、菌などの元凶になる「熱(ねつ)」と合体しやすく、「湿熱(しつねつ)」という、より新しいやっかいな邪気(じゃき)になります。

「湿邪(しつじゃ)」「湿熱(しつねつ)」は、下方性がありまして、
人体の下に降りてきます。

おりものが多いことにも共通のことですが、
カンジダ膣炎も人体の下部の病気、「湿熱(しつねつ)の病気」と言えます。


この湿熱(しつねつ)を解消する漢方として


1)火の炎症を消して、湿気をサッパリさせる漢方薬

主方剤になりまして、メインです。

カンジダ膣炎の痒みを解消する力があります。


2)からだのバリア力をアップする漢方薬

からだの免疫力がアップして、粘膜が丈夫になれば…

という思いの処方です。


3)火を消して、下半身の熱を解消して、同時に舌ベロも改善する漢方薬

1)の漢方と同様で、効果が似ていますが、
より下焦の臓腑「腎(じん)」に的を絞った処方です。


以上、3点をお勧めしたところ、1ヶ月の服用が経過したところですが、
不思議と長年10年以上悩んできたカンジダ膣炎の症状が改善され、
この1ヶ月間はカンジダ膣炎になっていないそうです。

アトピー体質もあって、体の痒みがどこかにありましたが、
それも減っているそうです。

舌ベロの苔もきれいになっています。


<考察>

経過が長いお客様ですが、症状の改善が早く分かりましたので、
私もビックリで喜んでいます。

攻守のバランスが良い漢方をお勧めしたのではないか、
と推測しています。

今後とも、再発などないか、経過観察してもらう予定です。




漢方では一人一人の体質に合わせて相談していきますので、詳しくはご相談してください。



漢方相談は、
漢方相談室のフォームファックス(0237−49−1651)
お電話(0237−47−0033、0237−48−2550)で。

体調に合わせながら
健康をつくる漢方相談をしていくことを誓います。