漢方で血(けつ)の不足を補って冷え性体質を改善!

冷え性、しもやけ対策の漢方、漢方薬…血の不足を補って冷え性体質を改善


山形県東根市神町中央通り 土屋薬局 薬剤師・国際中医専門員A級・日本不妊カウンセリング学会会員 
土屋幸太郎




参茸補血丸は「飲むカイロ」 (読売新聞 漢方漫歩掲載)




これからの季節、手足が冷えて眠れないという人が増えてくる。


ベッドのなかで靴下が離せないという人もいる。

ひどい場合には、しもやけなどの症状が出てくる。

冬場はワンサイズ大きい靴しか履けないという、重度のしもやけで相談にみえる人も少なくない。


日本にやってきた当時、真冬でも短いスカートで 街を歩く女性を見て驚いた。

日本の女性は 何と元気なのだろうと感心したものだが、よく話を聞いてみると大半の女性が、
程度の差はあるものの 冷え性体質だとわかって、またまたビックリ。

オシャレのために、かなり無理をしているようだ。



中国漢方の冷え性・しもやけ対策は、血液循環をよくするほか、全身の陽気(エネルギー)を高め、
血液の量を増やすことを主に考えている。


ふだんから貧血ぎみの人の血液を増やし、血行を促進する漢方薬としては、
当帰(とうき)を主薬にした婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)がよく使われる。

さらに陽気不足が顕著な人には、参茸補血丸(さんじょうほけつがん)が良い。


参茸補血丸には、腎の働きを補い 体力増強に効果のある鹿茸(鹿のようかく幼角)や
今 話題の杜仲(とちゅう)、血(けつ)の不足を補う当帰や竜眼肉(りゅうがんにく)、
気の不足を補う人参や 黄耆(おうぎ)などが配合されている。


気血(きけつ)を補い、全身の機能を高めることで 体を芯から温めてくれる、
まさに「飲むカイロ」と呼びたい薬だ。


これに、血行をよくする冠元顆粒(かんげんかりゅう)を併用すれば さらに効果が上がる。


路 京華(中国中医研究院広安門医院医師)





「冷え性は病気ではありません」は本当でしょうか?




冷え性に 悩まされている女性の方は、大勢います。

病院に行っても 検査の結果が異常無ければ、治療されることはありませんし、
病気でないからと 気にしない方も多いようです。 

しかし冷え性を そのままにしておけば、お肌の美容や健康のために良くありませんし、
また生理不順や生理痛、頭痛、肩こり、腰痛、不妊症などの原因となってしまいます。


冷え性の発症要因として 西洋医学では、
@自律神経の失調ならびに血流障害、Aホルモンの失調、Bストレスなどの精神的因子との
関連などが指摘されています。


一般に冷え性は、西洋医学では 病気として認められていないので、
健康保険の治療対象とは なりません。

そこで冷え性の方は、東洋医学による治療を 希望することが多いようです。


中国漢方では 冷え性の原因を、体の気血(きけつ)の乱れ(神経、血液の乱れ)
または 五臓六腑の乱れ(内臓のバランスの乱れ)と考えています。

今回は 冷え性を中国漢方の立場から検討し、
つらい症状を楽にする方法を考えていきたいと思います。
 




冷え性は、社会環境と生活習慣に深く関係しています




冷え性は 体質が関与していることは疑う余地もありませんが、
どうやら 私たちの日頃の生活習慣も 深く関係しているようです。


一つには、快適な生活環境が挙げられます。

夏は クーラーで汗をかかず、冬は 暖房の中で暖まる生活が、
私たちの体温調節機能を 低下させているようです。

便利になった反面、かえって体の抵抗力、特に皮膚の温度に対する適応能力が低下したことが、
冷え性増加の原因となっているようです。



第2番目の原因としては 漢方漫歩でも説明していましたが、
ファッションを優先するあまり、冷え性を招いている方が多いことです。

真冬でも、ミニスカートなど薄着で 足を冷やしてしまいます。

中国では「寒従足生(かんじゅうそくせい)」(冷えは足から生じる)といわれ、
下半身からの冷えに 気を使う人が多いそうです。

冷えが 足から来ることについては、西洋医学の研究でも 裏付けられています。


私たちの血液は 常に全血量の3分の1は腹部にありますが、
冬に スカートなどで冷えた足の血流は、お腹に戻ってきて 内臓やお尻を冷やします。

また女性のお腹の脂肪は 保温する役割がありますが、
足からの冷えた血流が戻ってくると、逆に保冷に働き 全身の冷えにつながるのです。



最後に 私たちの食生活も 冷え性に深く関係しています。


冷たいジュース、生ビール、冷やしたサラダ、冷たい刺身など…
を食べ過ぎると、胃腸が冷えてしまいます。

胃腸の冷え、つまり内臓の冷えも 全身の冷えにつながります。

なお極端に胃腸が冷えていると、食欲がなくなり、軟便気味や下痢がちになります。


最後に冷え性に有効な中成薬(中国漢方の理論によって作られたもの)を紹介します。





女性の方に多い、手足が冷えるタイプ




全身が冷えるほどではないけれども、手足が慢性的に 冷えている方は多いものです。

中国漢方では、女性は“生理、妊娠、出産、授乳” などで、血液を消耗しやすいと考えています。

中国漢方の知恵では、血液は 体に栄養と潤いを与え、
体を温める 大事な役割を しているとしています。


つまり血液の慢性不足の状態が続きますと、手足に 血液の栄養と温かさが行き届かないので、
手足が冷えることになります。

手足の冷えは、慢性の血液不足のサインなのです。


また血量が足りない状態の時は、冷房や冬の寒さなどの寒邪(体に悪影響を与える寒さ)が
体に侵入しやすいと考えています。

寒邪が手足や体にとどまるので、血行が悪くなり、ますます冷えを強く感じるようになります。

中国漢方では、手足の冷えが認められるときは、血液を養いながら 血行を改善し、
悪影響を与える寒邪(かんじゃ)を 追い出す方法(養血活血散寒…ようけつかっけつさんかん)を用います。



中成薬としては、婦宝当帰膠を使います。
 

婦宝当帰膠は 体の血液を補うと同時に、血行を促進する働きがあります。


服用を続けていると 体に潤いと温かさが戻り、血行も改善されてくるので、
手足の冷えが だんだん楽になってきます。

先日、私は漁港で有名な三陸の気仙沼を訪れました。

当地の薬局の先生が語ることによれば、
一年中 冷たい海で働く女性は、大半は冷え性だそうです。

彼女たちには 「婦宝当帰膠」をよく使用するが、効果は顕著で、
ほとんどの女性の方は長く服用 しているということでした。
 




全身が冷える虚弱体質タイプ




手足だけでなく、お腹や腰など全身が冷えます。

全身症状としては、“腰や膝がだるく力が入らない、寒がりで寒さを嫌う、精神萎縮、頻尿または排尿困難、
尿の色は透明に近い、夜間多尿、軟便気味または下痢しやすい、不妊、インポテンツ”
などがあります。



中国漢方では、冷え症がひどい場合は、体を温める陽気不足(エネルギー不足)だと考えています。

陽気は 体の活動を促進したり、体全身を温める エネルギーのような働きをしています。
 
中国漢方の原則として、体に足りないものは 補うことが基本です。



この場合、陽気が弱いので全身が冷えていますから、
体に足りない陽気を補ってあげればよいことになります。
 

中成薬としては、参茸補血丸(さんじょうほけつがん)か 双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)、
海馬補腎丸(かいまほじんがん)、至宝三鞭丸(しほうさんべんがん)
など。



最後にもう一度。

冷え性は、日頃の生活習慣が大切です。


体を冷やさないように薄着は避け、冷たいものを食べたり飲んだりして、
お腹を冷やさないように 心がけましょう。





“生理不順、生理痛、不妊症、更年期障害”などの婦人病。

“頭痛、肩こり、腰痛、膝痛、神経痛”などの痛み、しびれ。

“うつ、不安感”などの精神状態。

男性の“更年期障害、下半身の機能低下”

これらの症状は、冷え性が原因になることが 多いものです。

土屋薬局では、冷え性を重要視しています。

冷え性を和らげながら、体全身を元気にして
健康を取り戻しましょう!

漢方相談は、
漢方相談室のフォームファックス(0237−49−1651)
お電話(0237−47−0033、0237−48−2550)で。

漢方では一人一人の体質に合わせて相談していきますので、詳しくはご相談してください。


寒さの厳しい地域で養った 冷え性の漢方相談を ご利用ください。

冷え性に強い味方! 山形の土屋薬局