PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の生理不順、無月経でお悩みのかたへ。漢方対策コーナー

山形県東根市 土屋薬局 薬剤師、不妊カウンセラー、国際中医師 土屋幸太郎です。

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の生理不順、無月経でお悩みのかたへ、漢方対策のコーナーが少しでも参考になれば嬉しいです。





<多嚢胞性卵巣症候群>とは


おもにホルモンの異常から起こると思われる排卵障害の一種です。

卵巣内の卵胞がある程度までしか育たず、排卵が起こらない病気です。

排卵しないので卵巣の皮がだんだん厚く、硬くなって、ますます排卵できない状態になります。

まったく排卵しない場合もあれば、ときどき排卵する場合もあります。

はっきりした原因はわかっていませんが、男性ホルモンやプロラクチン(卵巣刺激ホルモン)の分泌が多くて、卵巣の代謝が悪くなっていることもあります。

そのため生理不順や毛深いなどの症状があることも。

治療には排卵誘発剤を使って、卵胞の発育を促すのが一般的です。



昨日、嬉しい連絡が入りました。


「いつもお世話になっています。

明日から妊娠7ヶ月に入るところです。

漢方薬を服用していることもありまして母子共々に順調です。

出産まで継続し、元気な赤ちゃんが生まれるように体調を整えていきたいと思っております」


このお客様夫妻は、となりのN県にいるときに当店に来店されて、1人目のお子様がお生まれになり、今回はまた違う県に引越しされまして、それでも当店に来店頂きまして2人目のお子様も授かりましたので印象深く、それだけ私も嬉しいです。



<漢方体験前です>


最初のご相談は、平成15年のときですから今から3年前のときです。


HMG─HCG注射

排卵障害

多嚢胞性卵巣症候群

高プロラクチン血症

PMS…胸の張りが強い

生理痛は初日〜3日目。(腰痛になる)

血塊は気にならない。


生理の周期は、40〜50日。

生理は7日間


クロミッドだけでは、なかなか効果が無かった。


舌は、紫暗(しあん) 苔:薄白(はくはく)

(つまり、淤血(おけつ)や血虚(けっきょ)があるという
舌ベロの状態です)


食欲ある。二便正常。


手足の先がすごく冷える。

このときのご相談は、養血調経の漢方薬と麦芽を炒ったもの、ときどき疏肝理気(そかんりき)の漢方薬をお勧めしました。


<漢方体験後です>


2月のからのご相談で、4ヶ月ほどで高温期がすぐに安定して、ご懐妊、そして出産でした。



今回のご相談は、昨年の平成17年から始まりました。


高プロラクチン血症。

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)


手足の先が冷えやすい。

2〜3日に1回の排便。

子どもに手がかかるのでイライラしやすい。


生理の1週間前とか、排卵日あたりから
イライラしたり、胸が張ったりする。


(申し遅れましたが、このときのご相談も引越し先の隣県からご来店頂いております。

家族3人での来店で、ほほえましかったです。

ご主人様もやさしい人で、お子様も元気でした。(^^))


生理の2〜3日前に下腹部痛。


舌:暗紅(あんこう) 苔:薄白(はくはく)

(つまり、淤血(おけつ)や血虚(けっきょ)があるということ)

今回も、養血調経に麦芽を炒ったもの、プラスして活血化淤(かっけつかお)の素晴らしい漢方薬とチャガ(シベリアの白樺に生えている霊芝の一種)の4つをお勧めしました。


結局、金銭面が今回は高くなってしまいまして、ふたたび麦芽を炒ったものと養血調だけの漢方にしたのですが、
今回の良き結果となりまして、とても喜んでいるところです。


良かった、良かったです。


「親子連れ」 この池は、拳湖(けんこ)。向こうには、鳥海山展望。鳥海山は今日は雲がかり

<「親子連れ」 この池は、拳湖(けんこ)。向こうには、鳥海山展望。鳥海山は今日は雲がかり>


「親子連れ」 この池は、拳湖(けんこ)。向こうには、鳥海山展望。鳥海山は今日は雲がかり

<「拳湖から土門拳記念館展望」 山形県民に生まれて良かった。土門拳と同じ山形県民で良かった。山形県酒田市に土門拳記念館があるお陰で、すぐに 行けて良かった。と思う今日この頃です。ここは、「日本民族の誇りと魂」を写した「写真家魂」が宿っているスピリチュアルなところです>


土門拳記念館

<「館内」 ここの良いところは、カメラを首からぶら下げて入っていっても、写真が好きな人たちが集まるところなので、怒られないことです。(もちろん私たちは、作品は決して写したりしませんが)>


土門拳記念館




<2013年9月3日追記です>

多嚢胞性卵巣症候群と高プロラクチン血症で胸の張りが強かったですが、体質改善しご懐妊そしてご出産」として新たにコラムを作成しました。


多嚢胞性卵巣や高プロラクチン血症の場合、2つが重なっている場合もございます。

「求子之道、首先調経」

「子を求める道は、まず月経を調整する」


「調経種子」

「月経を調整して子種をまく」

と言われていますように、まずは月経の調節が大切です。

とくに「多嚢胞性卵巣」の場合には「銀の鈴」状態ですから、質の良い卵はたくさんあると考えられ、うまく排卵される事が大切なところだと思います。

今回の写真は<2006年9月3日撮影 山形県酒田市「土門拳記念館」>です。写真家 土門拳さんの魂が眠るところで素晴らしいところです。ぜひ山形県庄内地方に観光の際には、土門拳記念館もルートに入れてみてください。








多嚢胞性卵巣症候群。漢方で生理不順、排卵がスムーズになり妊娠!



<2013年6月12日 新しく文章を掲載させて頂きます>


<漢方体験する前です>

こんにちわ、薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。


さて、今日の嬉しい話です。Yさま、掲載許可の快諾ありがとうございました。


Yさんは、28歳です。

10代のころから生理不順です。

多嚢胞気味だそうです。

周期は35〜50日周期と長めで生理不順あり。


高温期へなだらかにあがりなだらかにさがるタイプのご様子。


月経期間は7日程度。

血色はなんとなく暗赤色。ネバネバした感じあり。

最初の方は少量のかたまりもあり。

量は普通。

高温期は12日〜16日。

初潮年齢12歳。


生理痛は半年まえから楽になった。


以前は月経が本格的に開始するとき、吐き気を伴うくらい痛いときもあった〔年に数回〕


トイレに閉じこもり、汗をかきながら薬が効くのを待つ感じだったがその場合も、そのときだけ鎮痛薬を飲むと治まった。

現在も、同時期に痛くなるので鎮痛薬を服用しているが、痛みが緩やかになった。


8月に不正出血をして婦人科にいくと、低温期が長いことを指摘され、その流れで排卵誘発剤を一錠5日服用しました。が、育たずHMGを二回してHCGされました。


その結果卵巣が7センチに腫れたとのことで、びっくりし怖くなってしまいました。


卵胞期のホルモンは正常とのことでしたが、内診や注射での反応で多嚢胞気味ということです。

今周期はクロミッドを二錠5日にすることになっているそうです。


「私としては検査をすすめて夫婦ともに異常なければ自然妊娠を望んでいるので、現在の生理不順を改善できればと思います。

あと少し婦人科に通うと思いますが漢方との併用は大丈夫でしょうか?

よろしくお願いします。」とのご相談でした。



<漢方体験後です>


それを受けまして、当店からは女性の生理のリズムを規則正しく整えていく漢方をお勧めしました。

最初のご相談が10月27日のことで、11月23日には、漢方を服用した結果、体がポカポカしてきました。


また体調が良くなって周期も16〜18日目で排卵してきたとのことで喜ばれたそうです。


その後、12月4日には胎嚢を確認されまして、今も経過は順調です。


ということで体の調子も良く、当店でも結果が早くて、良い結果になりましたので、とても嬉しく思っているところです。

良かった、良かったです。


「私もお世話になって初めての周期で妊娠できることができて本当に嬉しく思っています。

婦人科の先生も、びっくりされていました。

漢方をためそうかどうか迷っていましたが、思い切って相談して本当によかったと思っています。

ありがとうございました。

またわからないことがあれば教えてください。

お願いします。」とのことです。



<漢方薬局の先生から一言>


多嚢胞性卵巣(PCOS)の方は、東京駅に飾ってある「銀の鈴」のようであります。


薬局に漢方相談に来られるかたの共通する特徴は、

1)若いかたが比較的に多い 

2)元気がある 

3)ニキビや赤ら顔だったり 

4)多少、肥満の傾向がある 

5)食欲あって弱くない 

6)男性ホルモン多い 


など特徴的なことが外見にも現れています。

一般的に質の良い卵はたくさんあるんだけど、卵巣の膜が厚かったりして排卵障害になっていることが多い様です。








無排卵、無月経と多嚢胞性卵巣症候群の漢方




こんにちわ、土屋です。

時間に余裕ができたので、昨年の8月28日(日)に
東京で「不妊症「周期療法」漢方勉強会」のスクリーニングで
私が勉強したことのメモを整頓します。

場所:イスクラ産業本社7階 講師:劉 伶先生


「無月経、不正出血」


→まず排卵の状態が悪い。

一層性→無排卵

基礎体温は、一層性でガタガタ。→多嚢胞性卵巣(PCOまたはPCOS)が多いです。


多嚢胞性卵巣は、ホルモン治療、ダイエット、ストレスでなる可能性もある。


○無月経のタイプ


1)FSH↑ 50以上になると更年期の数値

2)FSH↑ プロラクチン↑


→1)のタイプはクロミッドを使っても、まずは排卵しないだろう。

中枢の反応が悪いから。


ホルモンを長期間服用している場合は、一旦 ホルモンをお休みしてみて、
漢方を使うと排卵する可能性もでてくる。

多嚢胞性卵巣の場合→洋食が多い。

養殖で魚や肉にホルモンが入っている場合もある。

○無月経への中成薬治療


1)活血(かっけつ)、補腎(ほじん)、補血(ほけつ)方法

→冠元顆粒、参茸補血丸、婦宝当帰膠

2)補腎(ほじん)、補血(ほけつ)、周期活血方法

→上方法+周期活血(しゅうきかっけつ)

1)の方法で1ヶ月間服用し、その後活血剤(かっけつざい)を1週間服用する。

(生理を起こすために)


3)仮周期療法(かりしゅうきりょうほう)

活血(かっけつ)1週間、補腎活血(ほじんかっけつ)2週間、補血補気(ほけつほき)2週間、活血(かっけつ)1週間


ただしこれらの方法は、35歳以上のかたは、あせる人が多い。

1)3〜6ヶ月間は漢方治療した方が良い。(1年生理が無い人)

2)5〜8年の人→漢方は10ヶ月から1年くらいかかる。


平均的には、10ヶ月間服用すると生理が来る。



○多嚢胞性卵巣症候群→ネックレス

痰湿(たんしつ)、陰邪(いんじゃ)


○多嚢胞性卵巣→3〜4個  卵が大きく見える。

婦宝当帰膠+桂枝茯苓丸+チャガ(シベリア霊芝)

○漢方で体を良くしたら、クロミッドで反応してくる人も多い。

(以前にクロミッドでも反応しなかった人でも)


○人工授精、体外受精、タイミングでも成功する人も多い。


○補腎薬(ほじんやく)はタイミングをみて併用していく。



卵胞期が長い人→卵胞期を3段階に分けて治療する。


初期:原始卵胞

中期:発育卵胞

後期:成熟卵胞

排卵


〜基礎体温による治療法の勉強〜


補中益気丸、参茸補血丸、冠元顆粒、爽月宝などを使う。

(詳しくは省略)

多嚢胞→太るタイプ 痰湿(たんしつ)

多嚢胞→やせるタイプ

FSH50以上でも、漢方だけできちんと排卵して、
生理が来る人が多い。


PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)

三高一低(さんこういちてい)


男性ホルモン、インスリン、LH値 ↑

E2 ↓

症状:稀発月経、不妊、肥満、毛深いなど


症候特徴: 嚢胞多数、痰湿多い、病程長い、治療は時間がかかる。


病因:陰虚基礎、基礎が弱い、不十分、ホルモン乱れ、崩す。

陽虚基礎、淤血、湿濁不可


治療→温化痰湿(うんかたんしつ)を主、化淤(かお)は次。


月経期、とくに後期、経間排卵期もっとも重要。

周期療法は、この時期でしか使えない。


排卵誘発剤の影響:使用度、陰虚(いんきょ)が加重。痰湿(たんしつ)も増える。


心(しん)と腎(じん)→心腎不交(しんじんふこう)、心肝火旺(しんかんかおう)


誘発剤で毎月卵をたくさんとったら、卵巣年齢が消耗するかも。

治療を休む→不安になる→2〜3ヶ月、1ヶ月でも休んだほうがいい。


青森県十和田湖 ヤドリギ
<十和田湖の夜明け 「私の好きなヤドリギ」>


十和田湖の夜明け
<十和田湖の夜明け 「湖面」>








最近、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のかたのご相談が多いです。


まずは、不妊カウンセラー・体外受精講座第17回より。

聖路加国際病院 佐藤先生から習ったことの紹介です。

○多嚢胞性卵巣症候群

Polysystic Ovary Syndorome(PCOS)


診断基準が不明確/背景疾患がある/OHSSに関係する/将来発症するかも知れない疾患→自然流産、子宮内膜癌、2型糖尿病。

治療評価のendpointが複雑→排卵誘発率や治療率だけで評価できない。



PCOSの診断基準


○1990年のクライテリア(1と2)

1・慢性的な無排卵

2・臨床的かつ/もしくは検査で高アンドロゲンの所見があって、
他の原因が否定される。



○2003年のクライテリア


1・稀発または無排卵

2・臨床的かつ/もしくは検査で高アンドロゲンの所見

3・多嚢胞性卵巣で、他の原因(先天副腎過形成、アンドロゲン産生腫瘍、Cushing症候群など)がない。


(いまは、超音波などが診断基準にして良いとなっているので、以前よりも診断がしやすくなった)

○インスリン抵抗性があるかどうか?


○ネックレスサイン


○それぞれの卵巣について2〜9ミリの卵胞が12個以上あり、かつ/もしくは卵巣体積が10ミリを超えている(左右の平均)


2〜9ミリ FNPO(follicle number per ovary)が12個以上を限界とすることによって、PCOS診断のspecifictyは99%、sensivitybは75%になった。



ということで、以下、また時間があるときに書いていきます。


PCOSのたくさん小卵胞があるネックレス状を、
中医学では「痰湿(たんしつ)」と認識しますので、
対策方法は「化痰(かたん)」していきます。

同時に「補腎(ほじん)」があれば、
排卵を促すことに有効でしょう。と考えていますので、
「化痰(かたん)」作用と「補腎(ほじん)」作用のあるものなど使いやすいです。


土屋薬局では、婦人病の漢方相談に
積極的に取り組んでいます。



漢方では一人一人の体質に合わせて相談していきますので、詳しくはご相談してください。

漢方相談は、
漢方相談室のフォームファックス(0237−49−1651)
お電話(0237−47−0033、0237−48−2550)で。

体調に合わせながら
健康をつくる漢方相談をしていくことを誓います。