おはようございます。
薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
昨日も雪降で昨年と違って冬らしい風景になっている山形です。
もう今日で12月15日、あと2週間で年の瀬ですから早いものですね。
さてだいぶ時間が経過しましたが11月22日に行われた中医不妊症お茶の間講座「薔薇」第3回の講義をまとめてみたいです。
今回は2つの中医不妊症の漢方検討会でした。
症例1)
主訴:早発閉経、採卵できない 30代の主婦の方
生理不順、初潮から年に1~2回程度。
ピルで生理を起こしている。
<体外受精(ART)の治療>
「ジュリナでFSHが下がれば採卵できるかも」と婦人科の先生
ジュリナを服用しつつセロフェンの隔日投与
しかし反応がない状態でFSHが上昇してしまいプレマリン、ノアルテンでリセット
セロフェン3~4日に1錠、エストラーナテープ2日に1回2枚貼ります。
+ジュリナ6錠プラス
LHが高いのでアンタゴニストを注射
卵胞みえずリセット
セロフェンは4日に1錠ペースにするとFSHは上昇しませんでした。
小さい卵胞がみえましたが、途中で卵胞がみえなくなった。
ピルでFSHが下がるが、ピルを中止するとFSHが上がります。
今後、IVA(原始卵胞体外活性化法)ができる不妊クリニックへ転院しようかどうか迷っています。
IVAとは体外活性化( In vitro activation)のこと。
体外に取り出した卵巣組織にある操作を加え、卵巣内にある卵子(発育開始前の原始卵胞)を体外で成長開始させ自身の体内に戻す新技術、1978年の体外受精、1990年台代の顕微授精に次ぐ不妊治療の革命と期待される治療法です。
…
この場をまとめるテューターの康先生から、(私の師匠の中医師の先生の1人。年齢を重ねる度に若返ってくるというリアル中医学なレジェンドです)。
検査値について→E2は60くらい、FSHは1桁代、LHはFSHより低いことが望ましい。
排卵誘発の失敗したときにはアンタゴニストで抑える。
E2が200以上になると卵胞1個はふつうはあるが、卵胞がみえないときには失敗。
甲状腺の数値に関して TSH 不妊症でなければよいが、不妊のときには2・5以下が望ましい。
甲状腺機能低下症
一緒に討論会に参加した漢方薬局の先生方は北から南へ多数いらっしゃいましたが、いろいろと漢方アドバイスがありました。
1人の先生は「もっと胃腸のちからを考慮してみたらいかがですか?」という意見もあって、私もなるほど。と思いました。
引き続き担当の薬剤師の先生のところで漢方相談していきます。
…
症例検討その2) 30代 第二子希望
BMIが18・6
標準体重の86%
BMIは 90%以上はあったほうが望ましい。
体づくりも大切。
多発性子宮内膜ポリープ
→エイジングにより子宮の環境が悪くなりやすい。
子宮の老化、血行不良、子宮筋腫も増える。
月経周期 28~35日 →排卵に関係がある。
黄体機能不全→卵の力がない、排卵にも影響する。
基礎体温の低温期が高い→卵巣機能低下→高温期低い
生理周期が遅れる場合には、気血不足、腎陽不足
※夫婦関係を良くしてタイミングを増やすこと
土屋の意見→病院でクロミフェン、デュファストン、ゴナールエフ(HMG注射)など不妊治療をされていますので、もっと気楽に病院の治療に伴奏を奏でる程度の漢方の併用でもいいかもしれません。
漢方検討会・FSHが2年前に50近い数字で、現在は90を超えている
昨日の夜は、20時~21時半までテレビ電話で、不妊症の漢方検討会がありました。
第13回中医婦人科・不妊症漢方・専門講座「菊花」クラスです。
北海道から沖縄まで日本の漢方薬局の有志の方同士で集まって不妊症の専門の中国漢方を勉強する会です。
土屋薬局では初回から熱心に参加して知識の向上に努めています。
教えてくれる先生方は中医師という中国人の漢方の先生で、中国各地の中医学大学を卒業されている医師の方です。
中国では西洋医と中医師の2つの免許制です。
さて、症例のかたに話は戻ります。
「漢方検討会・FSHが2年前に50近い数字で、現在は90を超えている」
中医学的、漢方的にどのように対応するかの検討会でした。
FSH(卵胞刺激ホルモン)が大きい数字ですと、卵巣機能が衰えていること、卵巣予備能が悪くなっていることが示唆されるのです。
同時に、E2の卵胞ホルモンの値が低いことは、やはり卵巣の中に成熟した卵胞が育っていないことが分かり、それはしばし、FSHとE2のシーソーバランスとして喩えられたりもします。
バセドウ病で、甲状腺機能亢進症もあることが分かったそうです。
メルカゾールとチラージンも内服中です。
グループ全員で、長崎や愛知県、大坂、広島などの漢方薬局の薬剤師の先生方を含めましての検討会でした。
中医師の漢方医の先生のエピソードも印象的でした。
症例とは違うお客様のお話でしたが、
「FSHが100近い数字で、漢方を服用して一桁の正常値に戻って、その後生理不順のために『そろそろ更年期かしら?』と思い婦人科に行ったら、妊娠4ヶ月とのことで、一同ビックリした」というお話もお聞きしました。
最近は、当店にも卵巣機能低下でFSHが上がってきているお客さまの漢方薬のご相談も増えてきています。
これからもしっかりと卵巣機能低下、早発閉経のようなFSHが上がってくる方々への漢方アプローチの対策を勉強、研鑽して不妊症のお悩み解決のお手伝いをしていきたいと思いました。
あなたの力になります! 薬剤師、漢方・とくに不妊症漢方に詳しい専門家、不妊カウンセラー 土屋幸太郎
さて、今日は朝に撮影した彼岸花と桔梗のお花でお別れです。
<2007年9月3日撮影 我が家の庭 「彼岸花」>
<桔梗の花 「三輪」>
7月にAMHが2・3でFSH51でしたが、何とFSH6.6に下がっておりました。(AMH、FSHと漢方相談)
こんにちは。
薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
普段からFSHやAMHなどの漢方薬の服用に関してのご相談を受けることが多いのですが、その中で実際の喜びの声をご紹介したいです。
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ホルモン値が改善しました。
Yさまから嬉しいお知らせがありました。
掲載許可を頂きましたので、コラムを作成させて頂きます。
Yさまからは、
「同じ悩みを抱えている他の方の参考になれば幸いです」とコメントを頂いています。
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「7月に51あったFSHが、何と6.6に下がっておりました。」
○初めてのご相談 平成22年8月17日
Yさま 42歳
もうじき結婚する予定ですが、婦人科検査をお願いしたところ、FSHが高く、卵巣機能が落ちているといわれ悩んでいます。
月経周期は28日前後ですが、最近経血が少なくなってきたようです。
病院ではFSHは51程度、AMHが2・3とかなり卵巣機能が落ちているといわれています。
基礎体温は36・7度以上と高めです。
…
○平成22年9月16日
「そして、嬉しいご報告が1点、昨日再度採血してホルモン値を測定したところ、7月に51あったFSHが、何と6.6に下がっておりました。
このあまりの差に先生も驚かれ「名前は間違ってませんよね」と言われるほどでしたが、ひとまず正常値に戻って、ほっといたしております。
これも漢方のおかげですかね。
しばらくこのまま続けていこうと思いますので、今後とも宜しくお願い致します。」
…
その後の補足のメールを頂きました。
「お世話になっております。
ご連絡どうもありがとうございます。
せっかくコラムにしていただくのであれば、一応数値の方、ちゃんとお知らせしておきますね。
○7月16日時点
FSH 51.9
LH 11.8
PR L14.0
○9月10日時点
FSH 6.6
LH 3.2
PR 13.6
です。
こうしてみると、LHも下がってますね。
上記はいずれも5日目くらいの数値です。
ここまで違うと、検査に対して??なところもありますが・・。
とはいえAMHが2.3と低めなうえ筋腫もあるので、じっくり頑張ろうと思います。
今後とも宜しくお願い致します。」
漢方でFSHなどのホルモン値の改善に、お役にたてると嬉しく思います。
FSHが高いということは卵巣機能不全、卵巣機能低下がありますので、漢方では血流を改善したり、補腎(ほじん)したり、養血調経したり、または去痰したり、その人に応じた方法で調整していきます。
ただFSHの数字だけを追うのではなくて、冷え性やのぼせて暑がり、寝汗、基礎体温が高め。周期が短いなど、さまざまな自覚症状のことや基礎体温の生理周期の改善なども目標にしていきます。
Yさまには、養血調経と益気養陰などを中心にした漢方をお勧めしていました。
<山形市から見た蔵王の眺め>
<2011年8月7日 山形市から眺める蔵王>
この田んぼの稲も感動的なんです。
夜はカエルが鳴いて大合唱です。
先日は道路を車で走っていましたら、カエルたちがピョコピョコと道路を横断していているのを見て、改めて自然が豊かなんだなと思いました。
田んぼの風景