きめ細かな対応と正しい知識を

漢方の専門家 A級国際中医師に合格 東根市の土屋幸太郎さん

「国際中医師の免許を持った薬剤師として役立ちたい」


サンデータイムス 第321号より、取材を受けた記事を紹介します。

(サンデータイムスさん、ありがとうございます)




中国政府が 中医学(中国漢方)に従事する人を 国際的に認定する「国際中医師」の能力検定試験に、東根市神町の土屋薬局専務の土屋幸太郎さんが合格した。

国際中医師の合格者は 全国でも30人程度で、県内はもちろん、東北でも初めての認定。

漢方は奥が深く、学んでいても楽しいと語る土屋氏に中国漢方について話を聞いた。




中医師とは?


中医師とは、中国の伝統医学(中医学)によって、中成薬(漢方)で治療を行う人です。

中国では かつて「はだしの医者(草医)」と呼ばれ、民間療法で活躍した人たち。

1950年代後半に 中国政府の政策により総合病院の業務に参加、社会的地位を確立しました。

しかし、この中医学を学んだ外国人の中には、知識不十分なままでの診療を行い トラブルが発生するケースも。

そこで中国政府は 中国国外で中医学に従事する人へ一定レベルを有することを認める認定書を 与えることにしたのです。

その認定者が国際中医師です。



大きな二つの思想


中医学の特徴は 「一人の人間を有機体として見ている」ことです。

中医学の思想のひとつ 『人間は 大宇宙のひとつの存在であり、人間の中にも ひとつの小宇宙がある』という発想に基づいているのです。

つまり病は 「因地・因地・因人」に関係していると考えます。

私たちは居住環境や気候の変化、置かれた環境などから 常に影響を受けているということです。


例えば都会ではストレス、アレルギー疾患が多かったり、山形などの寒冷地では 膝痛、腰痛、リウマチなどの痛みやしびれの疾患が多かったりします。

つまり自然界と人間は 密接に関係しているという思想のもと、疾患を見極めていくわけです。


もう一つの思想は 予防を重要視する考えです。

病院で異常がなくても 「なんとなく具合が悪い」という経験をされた方も多いはずです。

中国漢方では、一人一人の体質を判断し 身体の乱れ、歪みを治していきますが、それ以上に大切なのは、普段の日常生活です。

薬膳や太極拳、気功なども、その考え方が普及したものです。



一人一人の症状に合った漢方薬を処方してくれる


生理痛や生理不順などの婦人病に悩んでいる方も 多いと思います。

特に この時期、ひざが痛い、腰が痛いなどの神経痛やしびれも多い相談です。

全身や局所の状態、舌の状態、症状を聞くなどの情報を収集し、あらゆる角度から検討し、その人に合った薬を処方します。


風邪などは、寒気の強い風邪、熱っぽい風邪、胃腸型の風邪と、タイプもいろいろ。

中国漢方では 体温計を使わず自覚症状を重視するので、熱はないのに寒気がする、熱がなくても熱症状が強い、などといった 個人差に合わせた処方ができるわけです。



きめ細かな対応と正しい知識を


中医学は 大変奥が深く、よく理解していないと 思わぬ落とし穴にはまることもあります。

ある人には 良く効く薬が別の人には合わないとか、かえって具合が悪くなってしまうといった話になってしまうわけです。

漢方は 一人一人の症状と、体質に合わせて処方するものです。

正しい漢方の知識をもった薬剤師、医師のきめ細かな対応と処方によって、上手に漢方と付き合うことが、健康への第一歩に つながるのではないでしょうか。


「国際中医師の免許をもった薬剤師として、皆様のお役に立ちたい」と張り切る土屋さんは、インターネットのホームページでも中医学の分かりやすい解説や、メールの漢方相談にも 積極的に取り組んでいます。

丁寧な指導が評判を呼び 「詳しく症状を聞いてくれて、安心」と、日本国内はもとより、海外在住の日本人からの問い合わせも多いそうです。

同店では 漢方薬の発送についても応じている。

土屋薬局のホームページ





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