01/02/19
黒伏高原スノーパーク ジャングルジャングルにて(00年12月31日撮影)
今年の冬は、豪雪でした。
毎日、毎日、雪との闘い。
雪かきに明け暮れ、車の運転は命がけ。
いくら、四輪駆動でABSが付いていても、滑るときは滑ります。
もし、あなたの車が滑ってしまって、対向車線にはみ出して、ダンプが来たらおしまいです。
駐車場でも、大変です。
ズボッと はまってしまったら いくらアクセルを踏んでも あなたの車はうんともすんとも言いません。
今年のような豪雪では、四輪駆動もお手上げです。
スコップでタイヤの下の雪を掘り、ギザギザに刻まれた鉄板をはめて やっと脱出です。
ちなみに、私は 自分の家の駐車場で2回も はまってしまいました。
友人のK君も、家の近くの駐車場で2回 はまったそうです。
雪国の生活は、とにかく 雪を語らずには いられないのです。
平地で雪と苦労するだけでは つまりません。
スキーを年に何回かしなければ、山形に住んでいる意味がありません。
ということで、友人の I君とO君に誘われ行ってきました、黒伏スノーパーク ジャングルジャングル。
このスキー場は、東根市にあって、車で20〜30分で到着するという
私たちにとって素晴らしいロケーションにあります。
ジャングルジャングルは、東根市が経営しているのですが、
けっこう がんばっています。
他のスキー場が、客数がダウンしているのに、ジャングルジャングルは
前年を上回る集客数を誇っているそうです。
オフシーズンに、コースを滑りやすくなるように、木を刈ったりしたりして、
人目に付かないところで努力をしています。
また、ジャングルジャングルと言えば、プロスキーヤーの粟野利信さんのスキーレッスンで有名です。
中学2年から9年間にわたって全日本ナショナルチームに所属。
1992年、史上最年少23歳の若さでデモンストレーター初認定。
1995年、第32回全日本スキー技術選で日本人最高の総合2位。
1996年、第33回全日本スキー技術選2年連続で総合2位。
1997年、第34回全日本スキー技術選、念願の総合初優勝。
1998年、第35回全日本スキー技術選、総合優勝V2
天性のスキーセンスがもたらすスピードとキレある滑りは、
日本のデモシーンに新時代の到来を告げた。
(以上の文章は、SKINET AWANO's PAGEより、引用しました。粟野さん、ありがとうございます)
粟野さんは、私と同学年ですので、親近感を感じます。
私が 山形南高等学校に通って剣道をしていたときに、
粟野さんは 日大山形でスキーで活躍されていたのですね。
かっこいいなあ。
さてさて、ジャングルジャングル スノーパークへ行ってみましょう!
みなさまも、一緒ですよ。
今シーズンの初滑りだったので、ウキウキしますね。
天気は、晴れでもなく 雪が降ってるわけでもなく
ボチボチといったところでしょうか。
最近は、スノーボードが人気ありますが、
ここ ジャングルジャングルでは、
スノーボードが 8割くらいを占めます。
残りの2割を、ファンスキーとカービングスキー、
普通のスキーとで分け合います。
私が 初めて スノーボードを見たのは、
1988年、札幌のオーンズスキー場です。
当時は、びっくりしましたし、珍しかったですよ。
さすが、北海道!と思いました。
札幌は、市内にスキー場が いっぱいあるので、
仕事帰りに ちょっと スキーに行こうか!
ということが可能なんですよね。
友人のI君は、最初は スキーで滑っていたのですが、
カービングスキーをレンタルしてきました。
私も 最初は スキーで滑っていたのですが、
「ファンスキー」 にしてしまいました。
「ファンスキー」 とは、つまり 「ミニスキー」のことです。
私たちが 子供の頃は、
プラスチック製の青色とか、赤色の 「ミニスキー」で遊んだものです。
これは、ゴム長靴にプラスチックのひもで固定するという
優れものです。
当時は、子供同士で ミニスキーの長さを競いあい、
自慢しあったものです。
小さい頃は、短いミニスキーで、
高学年になるにつれて、長いものになっていくのです。
小学校の体育の時間では、
よく 若木山(おさなぎやま)に ミニスキーに行ったものです。
楽しかったなあ。
滑りにいくときは、スキーズボンを履いて、
上には アノラックやウインドブレーカー、
耳には あのヘッドホン型の耳当てを付けます。
当然、自分たちでテクテク歩いて上まで登り、
下まで滑ります。
けっこう、スピード感があるし、面白かったなあ。
それで、時々 ミニスキーは パキッと折れてしまうんですよね。
確か、700〜800円くらいで 一ヶ月のお小遣い分に相当しますので、
泣ける話でした。
と、感慨に耽った大人が作ったものが、
ファンスキーです。(多分)
ストックなしで、すいすい。
まるで、スケートをやっているのかのように、
クルクル回りながらも 滑れます。
ただし、欠点は 安定感がないことですが。。
(しかし、当然、折れません)
さて、ファンスキーで滑り、大いに楽しんでいたところ、気になるもの発見!何やら、紅い実が見えます。
真冬のスキー場に、紅い実 見つけた。
あたり一面銀世界。
みんなは、スノーボードに夢中。
きっと、この 可愛らしい 命の実が見えないだろう。
ちなみに、この画像が揺れているのは
私の腕が悪いからでは ありません。
リフトに乗りながら、意を決してパシャパシャ デジカメで撮影したのです。
気になります。
リフトから降りると、
山頂にも この紅い実をつけている木がありました。
こういう時は、ファンスキーは
ストックが要らないので 役立ちます。
デジカメを持って、ズボズボ 雪に埋もれながら
紅い実に向かって 突き進みます。
「僕は一人、何をやっているのだろう。」
友人たちは、離れたところで じっと待っています。
彼らは、大人だから 理解があるのでしょう。
おお、近づいてきた。
きれいな実だなあ。
この 命が死んだような冬の世界で、
紅い色は 密かに息づいている。
きっと、鳥たちの貴重な えさになって、
実に含まれる種は 糞から運ばれていくだろう。
人目をひく、紅色は 鳥たちの目安になる。
自然って 不思議。
写真を撮ったときに、
偶然にも 日が差しました。
手は届かないけど、
食べると おいしいかな。
けっこう栄養もありそう。
ところで、この木の名前は、なんだろう。
なんだろう。
スキーから帰ってきて、
いろいろ薬草の本を調べたが、分からない。
くやしいな。
素敵な紅い実の正体を知りたい。
いっそ、インターネットで公開して、詳しい人に教えてもらうか。。。
と、思っていたら、神様 登場。
実は、ジャングルジャングルの偉い人に、当店から漢方薬を購入している お客様がいるのです。
「あのう、ジャングルジャングルに生えている紅い実がなっている木は、なんですか?」
「ああ、、あれですか。ナナカマドだよ。」
嬉しかったですよ。探し物を見つけた喜びと一緒です。
早速、薬草カラー図鑑で調べると、あったあった。 ナナカマド。
お客様と二人で本を覗き込みます。
人生において、持つべきものは、「友人」と 「仲間」、そして 「お客様」ですね。
まさに、「お客様」 は 「神様」です。
では、続続薬草カラー図鑑(著:井沢一男 発行:主婦の友社)から
張り切って 「ナナカマド」 を紹介しましょう。
ナナカマド(バラ科) 疥癬(かいせん)、あせもに
別名…クマサンショウ、ヤマサンショウ、オヤマノサンショウ
薬用部位…樹皮
採取時期…必要時
北海道から九州までの山地に自生する落葉高木。
朝鮮半島、サハリン、南千島の分布する。
幹は直立に伸び、高さ約10m。樹皮は濃い黒褐色から灰色。
葉は奇数羽状複葉、小枝は9〜15枚つき、子葉は被針形、縁に鋭い鋸歯があって無毛。
花は6〜7月に、白色の子花多数を枝先に散房状につける。
花径は6〜10mm、がくは先端が5列し、花弁は5枚、内側に短い毛が生える。
雄しべ20個は、花弁とほぼ同じ長さ。
果実は径約5mmの球形で、秋に熟して赤くなる。
名前の由来
この木は材質が硬くて燃えにくいので、かまどに七度入れても まだ燃え残りがでることから、
この名があると、一般的に言われているが、
中村浩(ひろし)氏 「植物名の由来」の中で、七度入れたり出したりするのでなく、
質がかたくて、堅炭で極上炭をつくる工程で蒸し焼きを含め、7日間を要する。
それでこの名になったとしている。
類似植物 サビバナナカマド
葉の裏面の中脈に沿って褐色の軟毛があるものが サビナナカマドで、
本州、四国、九州に分布。
採取時期と調整法
樹皮は 必要時に必要量だけを採取して、新鮮なものを用いる。
成分
樹皮に青酸配糖体の アミダグリンが含まれることを 「日本生薬学会」(1974)において
近畿大学薬学部の高石清和教授らが発表している。
同じ バラ科のウメ、アンズ、モモなどの種子の中に
アミダグリンを含むことは 早くから知られているが、樹皮に含まれるのは珍しい。
北海道のアイヌは 悪い病気が流行するときに、
この枝を戸口や窓においたり、
水桶に浸したり、家の中で たき火にして 煙を充満させたりするという。
樹皮成分との関係であろう。
薬効と用い方
疥癬(かいせん)、あせもに
1回量に 約10gを 水600〜800tで三分の一にせんじ、この煎液で 患部を洗う。
「ナナカマドって、この本に書いてあるように 堅いのですか?
堅かったら、スキー場を 整備するときに 邪魔になりませんか?」
「ああ、それですか。
今は、機械化されているので、簡単に木が切れるので 邪魔にならないよ」
どうやら、昔は 堅くて 「ナナカマド」と命名された樹木も、
時代とともに 「ナナカマド」の本来の意味は 為さないようになったらしい。
この、コラムで 皆様に知って頂きたかったのは、
スキー場にも 薬草があり、ひっそりと 息づいていること。
また、私たちが スキーやスノーボードなどのウインタースポーツを楽しめるのも、
裏方で がんばっている人たちがいるからです。
04/09/25追記
日本全国民一千万人以上いるとは思われる温泉ファンの皆様、こんばんわ。
日本全国で、贋(ニセ)または偽(ニセ)温泉疑惑で、温泉の質が問われている今日この頃ですが、
今回の漢方コラムでは まがい物なしの正真正銘「100%天然掛け流し温泉」をお見せしましょう!
川原毛大湯滝のナナカマド
とき:04/09/05撮影 場所:秋田県の泥湯温泉や小安峡温泉、大湯温泉近く
もっと足を運ぶと栗駒山の雄大な景色が楽しめるところに「川原毛大湯滝」があります。
では、行ってみましょう。
天然100%掛け流し温泉。(当然に循環の塩素の臭いはしません。。)
豪快に滝が流れています。
みなさまも、ざーっという音が聞こえるでしょうか?
さて、実は この滝も含めまして、滝つぼ全体が温泉になっているのです。
蔵王を思い出すような、ピリリと肌に染み込む強酸性の温泉です。
私も入浴?しましたが、周囲の景色と相まって、お湯もいいですし
実に感動的でした。
滝つぼの近くでは、メガネが水しぶきで役に立たなくなるほどです。
ここ川原毛大滝湯までには 市に整備された駐車場に車を置いて
15分間くらい歩いてきます。
わりと山道っぽいですので、小さなお子様連れの方々は気合を入れなくてはなりません。
そういえば、この滝つぼの近くには 脱衣所がありますので、
水着持参でプールバックのような感覚で遊びに行くのが正しいでしょう。
野湯の中でも、かなり上位に位置するところだと思います。
さて、川原毛大滝湯の道中で私が見つけたものは。
天に栄える、この木の名前は「ナナカマド」です。
前回の漢方コラムでは、ひなびたようなナナカマドでしたが、
今回は違います。
秋田の晴れた空に、気持ちよく伸びています。
ナナカマドの実は、青い空に映えます。
永遠が一瞬になったような感じですね。
紅く燃えるナナカマドの実です。
この紅い実を見ると、昔ジャングルジャングルでも見たんだよね、
と懐かしくなります。
今回は、川原毛大滝湯への道中で見かけたナナカマドを紹介させて頂きました。