国際中医専門員への道 2

01/11/12


「国際中医専門員」という資格は、中国政府が認定した 国際的な資格です。


日本では、「漢方医師」という資格はありませんが、
中国では 西洋医とともに、「中医師」という資格があります。


中医学を 北京中医薬大学などの専門の大学で 6年間勉強するです。


そして、日本の医師免許のように、国家試験を受験して 合格した暁(あかつき)には、
目立てたく 「中医師」となります。


「国際中医専門員」の資格制度は、マレーシアや、香港、台湾、フィリピンなどで
自分勝手に 「中医師」の資格があると偽って、診療する人たちがいたから出来たという曰(いわ)くがあります。


中国で、ちょっとだけ中医学を勉強しただけで、母国に帰り、
「中医師」の看板を上げたので、副作用が起こったり、治療結果が良くなかったのです。


そこで、中国政府が 責任をもって 外国の臨床家のために、
「国際中医専門員」という資格をつくり、ある一定のレベルにありますよ!と基準を設けたのです。


ちなみに、私が目指したのは、「A級国際中医専門員」です。


1000点満点で、なんと740点以上取らないと、合格できません。


では、私が国際中医師試験で 勉強した参考資料を、本邦初公開しましょう!


また 今回の漢方コラムは、国際中医専門員試験の実施要綱を 紹介したいと思います。




国際中医専門員のレベル試験

「手引きと例題 総合問題集(付録:例題回答)」


中国国家中医薬試験センター

2000年11月発行





中国国家中医薬試験センター

中国国家針灸試験センター



紹介


中医薬学、針灸学は 中国にその起源をもち、すでに数千年の長さ歴史を持つ。


その独自の理論と卓越した臨床効果は 人類の健康に多大なる貢献をもたらし、
現在世界の医学界より注目を浴びている。


現在数多くの国国で、中医薬と針灸を 人々の健康と疾患予防の応用し、満足の行く効果を上げている。


それ故 人々から大いなる歓迎を受けている。


改革解放後、百以上の国々から 数多くの人々が、中国で中医薬、針灸学を学び、
更に 中国の専門家を各国に招待し、中医薬と針灸学の理論と治療技術の伝授を望んでいる。


このことから中医薬と針灸学は 世界で健康保持分野において、重要な一部分を組織していると言われている。


しかし現在、これらの多くの国々での中医薬と針灸学の専門員には
臨床技術と学術において レベルが不揃いである。


こういった状況が背景にあり、ここ数年間各国の医学関係者は、
中国に対し国際中医薬、針灸学のレベル試験を 深く要望している。


こういった国内外の要求と実際の必要性に基づき、
1989年中国国家中医薬試験センター、中国国際針灸試験センターが中華人民共和国中医薬管理局によって制定された。


また委員会は 国内外の著名な専門家により形成され、試験の審議、指導そして監督を行っている。



試験センターの趣旨


中医、中医薬、針灸の専門員足るべき水準を見極め、中医薬学、針灸学の学術水準の向上に努めている。


―国内において中医の医師および看護婦の免許の試験を担っている。


―各国政府、各地行政または学術団体の委託、および個人による国際中医専門員レベル試験と
国際針灸専門員レベル試験の申し込み受付を行っている。


―国内での成人高校孝中医薬類試験、留学生大学卒業統一試験を実施している。


―その他の国内における中医薬、針灸学方面の試験を実施している。



実績


試験センターが設立されて以来、国内、国外にて すでに百以上のレベル試験を実施している。

海外からの参加者は ニュージーランド、日本、スペイン、アルゼンチン、ベルギー、スイス、アメリカ、シンガポール、台湾、香港など多くの国々に及んでいる。

レベル試験の証明書は階級が違うものの、すでに数千人の人々に授与された。

試験は固実、公平、公正、科学の原則の元に行われ、客観的に良い反映をもたらしており、
学術レベルの向上の目的を達している。



試験会場


主な試験会場は北京、ただし委託者の要求により、双方の協議、相談により北京以外、海外での実施も可能。





国際中医専門員レベル試験方法とその実施細則(施行)


国際中医専門員の専門技術レベルに対する客観的評価を行うために、本方法を特別に制定する。


一、主旨

国際中医専門員の理論及び臨床診断治療技能のテストを通じて、そのレベルを客観的に評価し、
医療行為の品質を保証するとともに、中医学術レベルの向上を絶えず促進すること。


二、組織

試験は、中華人民共和国国家中医薬管理局の管轄下にある、中国国家中医薬試験委員会の指導及び監督に基づいて、
中国国家中医薬試験センターの組織で実施するものとする。


三、試験科目


1.理論試験

《中医学基礎》 (《中医基礎理論》と《中医診断学》を含む)、《中薬学と方剤学》、《中医臨床学科目》 (中医内科学、中医婦人科学、小児科学、外科学を含む)及び 《現代医学診断基礎》


2.臨床試験

弁証論治(カルテ記入を含む)。

試験内容は、科目毎の 《試験要綱》を参照するものとする。


3.試験クラスと合格基準


試験クラスは、AクラスとBクラスに分けられ、試験総点数は 1000点である。


Aクラス 中医師レベル

各試験科目毎の試験成績が 一定の合格基準に達するもので、総点数が740点を超える者。



Bクラス 中医士レベル

各試験科目毎の試験成績が 一定の合格基準に達する者で、総点数が400点を超える者。



4.受験資格

以下の資格のうち一つを持つ者には、受験が許可される。


1.全日制の中医薬大学卒業生で卒業証明書と学歴証明書を提出でき、なおかつ以下の要件を満たす者。

学制5年の者においては、1年間以上の臨床経験がある。

あるいは学制3年の者においては、3年間以上の臨床経験があること。


2.すべての全日制の医科大学卒業生で卒業証明書と学歴証明書を提出でき、なおかつ以下の要件を満たす者。

学歴5年以上の者においては、中医学を1年間以上研修し、1年間以上の臨床経験があること。


3.すべての各医科大学または中医学術団体、同協会が催す中医学クラスおよび研修会クラスに出席した累計勉強時間が 2400時間以上であり、3年間以上の臨床経験を持っており、各々の合格の学歴証明書を提出できる者。


4.すべての高等学校卒業以上の学歴を持ち、中医師の指導のもとで 中医学を3年間勉強し、
臨床経験が3年間以上の中医従業者で、本人の学習証明書と指導中医師の医師免許(コピーでも可)を提出できる者。





これが、国際中医師試験で勉強した問題集です。

ここのページは、最大の関門の 「中医臨床学科」です。

きっと、この問題を解けるのは、日本でも数少ないことでしょう。


私の友人で、某山形S銀行の本部に 勤めている奴がいます。

彼は、土曜日などに ニコニコして来店します。

昼間まで たっぷりと爆睡して、英気を養ってから 土屋薬局に来るのです。

ちなみに、彼は ツインタワーに研修に行くツアーに落選したので、
怖い思いをしなくて 良かったラッキーな人ですが。。


この前は、あまりにも仕事が忙しかったので、
漢方薬の全国発送を手伝ってもらいました。

さすが、銀行員です。

伝票の書き方がうまい!

(酔うと、札を数えては、パチンと指で鳴らしていますが。。)


ところで、そんな彼も言っていました。


「資格試験で、1000点満点で、740点以上なんて、そんな試験はない!!」


キャリアアップを目指す、将来の頭取もそう言うくらい、とんでもない試験でした。。

銀行員の方は、いろいろな資格の試験があるので、
彼も よく勉強しているんですよね。

今回、私が思った素直な感想は、
社会人として試験を受けるのは とても根性がいるということです。


気力と体力と執念と努力

ですから、みなさまも、遊びや呑みに誘っても
「試験だから、駄目なんだ〜(>_<)」と言う人は、
本当に大変な思いをしてますから 勘弁してあげましょう!

では、また続きを書きますので、お楽しみにしてください。