中国大使館

日中国交回復30周年記念…漢方コラム第50話記念

02/11/18


普及優秀賞


土屋薬局殿

貴殿は日本における中医学・中成薬の普及に尽力され、
自他共に認める高い目標を達成されました。

これは日本国民の健康増進と中日両国の友好の発展及び貿易合作の促進に
大きく寄与するものであります。

よって、日々積極的に普及活動に遭進された努力を称え、
哀心より感謝の意を表しますと共に、ここにこれを賞します。

引続き研鑽をつまれ、更に大きな社会貢献されますよう期待します。

二〇〇二年三月三日

中華人民共和国駐日本国大使館経済商務処

公使参事官 呂 克倹                          







今年の3月3日、遠路はるばる山形から、
私は 日比谷線の広尾駅を ある目的を持って降り立ちました。


目指すは、中国大使館商務処


今回で、2回目の表彰式になるのですが、
日頃から 「中医学(中国漢方)」を実践していることに対して、
中国大使館の参事官に お招きを受けたのでした。


日本中医薬研究会には、大きな理念があり、
その一つには 「日中友好」があります。


土屋薬局も、「良く効いて、安全な中国の漢方薬」を 日本の皆様に
お勧めすることにより、日頃の中医学の普及活動が 中国政府に認められたのです。





ここは、港区元麻生。


見渡せば、新しい高層ビル 六本木ヒルズが天を目指し、
東京タワーが空を翔(かけ)る。


広尾橋を眺めながら、みずほ銀行を左手に折れる。


やがて右手には、有栖川公園の豊かな緑が見えてくる。


この時期、山形はまだ雪が降っているが、
広尾の日差しは暖かく、体を包み込んでくれる。



ああ、晴れたビューティフル・デイ。

元麻布の日曜日が過ぎていく。


行きかう通りには、大使館が集まっている土地柄だけに
ベビーカーを押している青い目のカップルや、
子供たちが元気に自転車で走り抜ける。


家並みも、ほとんどが外人さんたちの家だ。


芝生の向こうには、幸せの大きな車と自転車が並ぶ。


末日聖徒協会が見える。


ここを左手に曲がったところ。


ノルウエー大使館の向かい側が、中国大使館商務処だ。





呂 克倹公使参事官のスピーチで、日本中医薬研究会の各店への
表彰が始まり、当店は2番目に表彰されました。


光栄であります。


その後には、イスクラ産業の川崎さんがスピーチをしました。


20年以上も前に、海のものとも山のものとも分からなかった
中国の漢方薬を日本に輸入を始めた頃の思い出話、
今年 中国がWTO(世界貿易機関)に加盟したことを祝う話など
興味深い話が続きました。


次に、パーティーの開催となります。


3月3日は、日曜日にも関わらず
大使館の奥様方も応援に駆け付け、
私たちに手作りの水餃子など、
素晴らしくおいしい料理を堪能させてくれました。


ほんとうに、本場の中国の水餃子はおいしいです。



お酒も白酒が振る舞われます。


白酒(ぱいしゅ)


中国では、「男」が呑むのは、白酒です。
紹興酒は、「女の酒」だと馬鹿にされますから、
宴会では白酒をおちょこで一気呑みしなければなりません。


一気呑みした後は(良い子の皆様は真似しないでください)、
杯を逆さまにして、呑み切ったことを皆で確認します。





今年は、「日中国交回復30周年記念」のとしだ。


過去にも一度、中国大使館商務処で表彰を受けたことがあるが、
本家本元の中国大使館へは訪れたことがない。


秘密のベールに包まれた中国大使館。


しかし、今年は「日中国交回復30周年記念」

特別に、私たち日本中医薬研究会のメンバーを
商務処の記念パーティー終了後に案内してくれるそうだ。


呂 克倹公使参事官を先頭に、3月の元麻布を歩く。


中国大使館商務処を出ると、
再び、末日聖徒教会を通る。


賢そうな犬たちが、外人さんたちと散歩している
有栖川公園を右手にする。


道路の向こう側の母子愛育病院には、外車の高級車がずらっと並んでいる。


ふと床屋に目をやると、
「English conversation is OK.(英語OKです)」のような文字が入り口に付いている。


ここは、国際色豊かな外人さんたちの街なんだ。




タムシバの花だ。

元麻布のタムシバはきれいだ。

東京にも、もうすぐ春がやって来る。




2002年3月3日撮影
場所:元麻布の中国大使館の近く
撮影者:土屋幸太郎


コブシの花とタムシバの花は、似ています。
漢方コラム第44話 「日本の春―北国の春 上野公園の桜と不忍池のコブシ」では、
コブシの花を特集しました。

コブシの木たけは やや高く、花のすぐ下に1枚の緑の葉がありますが、
コブシの花の下には緑の葉はありません。

上野公園のコブシの画像と、上記の画像のタムシバは違うでしょう。





前年の9月11日のテロの影響で、麻布の街は
要所に機動隊の車も目立つ。

こんなところにも、戦争の影を感じてしまう。


厳重な警備を抜けた。



来た来た。

着いた着いた。


中国大使館は、大きく見えた。



では、世界のインターネット史上初めて、
「土屋薬局 中国漢方通信」で 中国大使館を紹介していきましょう!






日本中医薬研究会の先生方のスナップショット
中国大使館の正面玄関です。
一般庶民は、ここまで入れませんよ。
犯罪になってしまいます。。。





五星旗(Five Star Flag)です。

アメリカの国旗もそうですが、
星は絵になりますね。




右端が 呂 克倹公使参事官です。

それにしても、どーですか!
この大きな絵。
推定横幅7〜8m。縦は3m。
さすがです。




素晴らしいでしょう。
シャンデリア〜




ちょっと分かりにくいかもしれませんが、
これは 椿です。

漢方コラム第27話 「真冬に咲いた紅い花 椿」もどうぞ参考にしてください。



さて、中国大使館で私の目に留まったものは。。。


ひっそりと中国四千年の歴史を奏でます。


竹です。




では、「土屋薬局 中国漢方通信」でお馴染みの大塚敬節先生の
「漢方と民間薬百科」より、中国大使館の「竹」を勉強していきましょう!





タケ 竹(イネ科)


薬用には、主としてハチク(淡竹)を用いる。


薬用部位 葉(笹) 皮(あぶらを竹瀝(ちくれき)といい、甘はだを竹じょという)


薬効 

たむし(頑癬) せき(咳漱) 肺炎 のどのただれ しゃっくり(吃逆) 不眠症 夜尿症(寝小便) 乳幼児の湿疹(胎毒) 止血 酒の悪酔い うるしかぶれ ハチ刺され 打撲(打ち身)


使用法


1 たむし

タケの葉とナンテンの葉とを等量にまぜてせんじ、
患部をたびたび洗う。


2 せき 肺炎

竹瀝を飲む。

これで肺炎の高熱が下がることがあり、八王子方面では、
肺炎のときに、ちょく1杯ほど飲ませる習慣がある。


3 のどのただれ

やはり竹瀝を少しずつ飲む。


4 しゃっくり

竹じょと玄米をいっしょにせんじて飲む。


5 不眠症

老人の不眠に、葉または竹?を、一回に10gほどをせんじて飲む。


6 夜尿症

竹じょ10gをせんじ、空腹時に飲む。


7 乳幼児の湿疹

ふつう胎毒と呼んでいるものに、葉とキワダを等量粉末にして、
ゴマ油でねってつける。


8 止血

月経の長びくもの、鼻血の出るもの、吐血、喀血するもの、
そのほか血の出やすいものに、葉または竹じょを、一日量5〜10gをせんじて飲む。


9 酒の悪酔い

葉一にぎりをせんじ、一回に飲むと、酒の悪酔いをさます効がある。


10 うるしかぶれ

葉を焼いて灰汁を作り、その汁で洗う。


11 ハチ刺され

葉をせんじた汁で湿布する。


12 打撲

タケの皮の黒焼きを粉末にして、小麦粉でねってつける。



タケのあぶら(竹瀝)の作り方



タケのあぶらには、強壮、鎮静、鎮咳、止血等の作用がある。

作り方を次に述べる。

まず、生のハチクの節を抜いたら、30cmくらいの長さに切って、
二つに割り、しちりんに炭火をおこして、その上であぶると、
切り口からあぶらがたれる。

それを茶わんにとり、美濃紙または絹布でこし、夏は冷蔵庫に入れて保存する。



日夏耿之介先生のぜんそくをなおしたタケのあぶら


昭和二十五、六年ごろ、日夏先生と民間薬について、
ラジオで対談したことがあった。

そのとき先生は、長い間苦しんだぜんそくが、タケのあぶらでなおり、
それきり再発しないと話された。

このように、タケのあぶらは、たんの切れをよくし、せきを治す効がある。






日本と中国は、古くからの友情があります。

これからも、日中両国とも お互いの認識を深め、
一緒にアジアのために、また世界平和のために
より発展していくことを祈念しています。





中国大使館の椅子の座り心地最高です。
機会があったら、また行ってみたいです。