男性不妊の漢方。無精子症、乏精子症、精子無力症、精巣静脈瘤、勃起不全(ED)の漢方薬の相談のコツ、男性不妊の体質改善法とは。
漢方薬の薬局には「男性不妊の漢方生薬で精力増強、精子の数や運動率によい」漢方薬があります。
薬局向けの漢方薬製剤が多数揃っていますので、男性不妊で夫婦で悩んでいる場合には一度、土屋薬局まで男性不妊の漢方相談いかがでしょうか?
男性不妊の精子の漢方薬の相談、精子数や運動率の漢方薬の相談の場合にもコツ、ポイントがあります。
…まずはちょっと男性の精子の豆知識からちょっとお勉強…
妊娠に必要な精子の条件 精子の成長には3ヶ月かかる。
精巣の中で精祖細胞がおよそ72時間かけて出来た精子は、いったん精巣上体に約2週間貯えれて運動力や受精能力を獲得して初めて一人前の精子になる。
精子の生存時間 72時間(卵子は24時間生存、長くても2日間)
男性の体内では1秒間に1500個以上の精子細胞が作られる。
射精したばかりの精液はゼリー状だが、室温でも30分くらいで液化する。
精液の質と量は季節にも関係する。
夏 精子量が他の季節より少ない
冬 精子量が一番多い
春と秋は精子の活動力が一番よい。精子の量もよい)
だから冬は妊娠しやすくなる。
WHO基準2010年(第5版)
精液量 1・5ml以上
PH7・2以上
精子濃度 1500万以上
総精子数 3900万以上
運動率 40%以上(A+B)
正常形態率 4%以上
生存率 58%以上
白血球 100万未満/ml
男性不妊が関わる不妊 男性不妊は不妊患者の30〜40%。
8人に1人は性機能障害 性交、射精異常が関わる不妊:性欲減退に基づく性交回数の減少、セックスレス
1)性交、射精障害(ED):勃起障害…ストレス、降圧剤、胃潰瘍の薬、向精神薬
2)射精障害:勃起しても正常な射精ができない(逆行性射精、糖尿病などの神経障害)
3)ゴナトロピン分泌不全によるインポテンス、アンドロゲンの分泌不全、産生低下
精管の通過障害が関わる男性不妊…精子の排出異常 頻回に射精をすることにより、精子の運動率が改善し生存精子も増えて正常な形態を有する精子の割合も上昇する。
☆週に2〜3回の夫婦生活が一番タイミングがとりやすい。とくに排卵前後。普段でも1週に1回の夫婦生活が理想的。
主な3つの男性不妊症の素因
1)乏精子症 精子数2000万未満、精子総数4000万未満
2)精子無力症 高速運動精子25%未満、直進運動精子50%未満
3)性欲減退、セックスレス〜性交渉回数減少
…以上、ちょっとお勉強終了です。お疲れ様でした…
まず医療機関、婦人科でも泌尿器科でもツムラの漢方薬の場合にはおそらく
- 補中益気湯
- 八味地黄丸
こちらの2種類だと思います。
以前に不妊カウンセリング学会で泌尿器科の岡田先生のご講演をお聞きしたところ、「3ヶ月間漢方薬を服用して精子の改善が見られなかったらギブアップ」とのことでした。
しかも前述、上記の漢方薬、補中益気湯にしかり八味地黄丸にしかり「体を温める方向性」の漢方薬ですから、土屋薬局での漢方相談体験のように冷え性だったらいいのですが、真逆の「暑がり」の陰虚や実熱の不妊体質の男性のかたは補中益気湯や八味地黄丸が合いませんから、せっかくの男性不妊の漢方薬の療法も無駄になってしまいます。
八味地黄丸→体を温める
補中益気湯→体を温める
もし患者さん本人が暑がりで汗かきで若くて腎陽は衰えていませんから、ピントがずれた漢方薬になってしまいます。しかも逆に合わない可能性も、効かないどころか。
男性不妊の精子の漢方薬の相談の原則は、まずは
- 冷え性
- 暑がり、のぼせ
せめてこの2つの体質を判断してから不妊体質の漢方薬を検討していくべきだと思います。
<土屋薬局での男性不妊の漢方の実際の体験談>
「結婚3年目 体外受精における漢方相談
ご主人様 手足の裏がほてりやすい。夜に乾燥しやすい。
眠れなくなる、イライラもしてしまう。
舌は暗く、淤斑(おはん)がある。 火照りを解消して、補陰(ほいん)して手足の火照りを解消していくことにしました。
1ヵ月後に、手足の火照りが治って、お肌も潤ってきたとのことで、著効でした。
今回、その自覚症状を改善した状態で、2回目の体外受精をしました。
毎回、主人の精子の運動率が10パーセント前後、数も少なかったのが、今回の2回目のIVF(体外受精)では、運動率49パーセント、量も満足できるもので、最高グレードの胚盤胞移植で、そしてご懐妊、妊娠されました。
今は注意深く、様子を見ているところです。
以前は、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を服用していたのですが、これは「寒がり、冷え性」向きの漢方ですから、「のぼせて暑がり」の方には、漢方の薬性(やくせい)が合いません。
○「のぼせて暑がり」 → 「体を温める漢方薬」 × → 一層、体が温まるので合わないことが多い。
○「のぼせて暑がり」 → 「体の火照りを解消する漢方薬」 ○ → 漢方の極意とは、「寒熱陰陽(かんねついんよう)」を調節することにあり。です。
体質を加味することの著効例です。
主人は、病院の先生からも「今回、頑張ったね」と褒められたそうですが、本人曰く「僕は、漢方を忘れずに飲むことだけですから、楽でした」とのことでした。」
男性は8の倍数で人生の大きな節目を迎えます。女性の7の倍数で変化するのはこれも人生の節目でたとえば7歳×2=14歳で初潮がくる。男性は8×2=16歳で射精できる。という感じです。(女性の生理周期は小さなリズムで28日周期を基本とするリズムです。7の倍数理論は大きなリズム)
男性もやがて老化していき、その節目は40歳の8歳×5=40です。
40歳からは「腎気(じんき)」の衰えにより疲れやすい、物忘れ、白髪、脱毛、抜け毛、腰痛、疲れやすいなど、そしてEDなどのインポテンス気味になってきます。いわゆる老化現象、早老の始まりです。
「腎気の衰え」は腎虚(じんきょ)といいますが、親からもらった先天的な元からもっている体質に、日頃の生活習慣、食養生、慢性病なども関係していきます。過労には「精神的な疲労」「肉体的な疲労」あります。
健康的なセックスをしていないセックスレスの場合にもホルモン失調や性機能が衰えやすくなります。男性更年期障害、老年病などを早く招くからです。
男性不妊の腎虚タイプを分けて考えます。
あなたはどんなタイプ?
「疲れやすい、足腰がだるい、腰痛、背中の痛み、物忘れ、抜け毛、脱毛、白髪、耳鳴り、難聴、めまい、歯が悪い、少尿あるいは多尿」これらは腎虚の腎気の衰えの共通ルールです。このような症状がいくつか出てきたら腎虚が始まりです。
「腎虚の共通ルール」の症状プラス
「冷え」が強い「冷え性タイプ」はエネルギーとなる「火」が不足した「寒がり型=腎陽虚(じんようきょ)型」で4タイプあります。
「暑がり」の「ほてり」が強ければ体液である「水(津液)」が不足した「ポカポカとほてり症型=腎陰虚(じんいんきょ)型」で5タイプあります。
あなたは、どの男性不妊症の漢方薬のタイプ?
エネルギー不足―冷えタイプの男性不妊症
寒がり型・腎陽虚(じんようきょ)型の男性不妊症
顔色青白い、寒がり冷え性(手足の冷え、足腰の冷え)、むくみやすい、夜にトイレが多い、
胃弱(いじゃく)型・脾腎陽虚(ひじんようきょ)型の男性不妊症
元気がない、疲れやすい、食欲不振、ご飯が美味しくない食べたくない、胃下垂、腹痛、下痢、軟便
ゼイゼイ型・肺腎陽虚(はいじんようきょ)型の男性不妊症
冷えやすい、薄い水っぽい痰、咳、喘息など呼吸器官も足腰の弱りと一緒に弱い
ドキドキ型・心腎陽虚(しんじんようきょ)型の男性不妊症
全身的な冷え、低体温症、青白い顔、顔面蒼白、艶がない、息切れ、動悸、疲れやすい
体液不足―暑がりのほてりタイプ
ポカポカ型・腎陰虚(じんいんきょ)の男性不妊症
早老、口渇、冷たいものがほしい、氷が好き、頻尿、夜にトイレが近い、手足のほてり
ショボショボ型・肝腎陰虚(かんじんいんきょ)型の男性不妊症
目の疲れ、近視、飛蚊症、かすみ目、ドライアイで目が乾く、視力減退、頭痛、めまい、肩こり、怒りやすい、イライラしやすい
カサカサ型・肺腎陰虚(はいじんいんきょ)型の男性不妊症
アレルギー性鼻炎、空咳、痰はあまり出なかったり、口渇、喘息、のぼせ・、湿疹、かゆみ・アトピー性皮膚炎、痩せている、睡眠が悪いなど
イライラ型・心腎陰虚(しんじんいんきょ)型の男性不妊症
イライラしやすい、不眠、入眠困難、夢が多い、目が覚めやすい、息切れ、ドキドキと心臓がトラブル、便秘、動悸、不安感
アツアツ型・陰虚火旺(いんきょかおう)型の男性不妊症
ほほが赤い、のぼせ、熱感、寝汗をかく、手足がほてる
あなたの精力アップ大作戦・・漢方薬ではどのタイプ?
1)男性不妊症おもな症状…腎陽虚、腎精不足のEDタイプで精子が弱い
ED(勃起不能)。勃起しても余り固くならない。 精液が薄く、量が少ない 。腰膝に力がない 。倦怠感、寒がり 顔色が白っぽい。 耳鳴り、 脱毛、 歯が揺れ抜ける。 舌の色は淡白、苔の色は白い
おもな原因
高齢者、中高年のの早老早衰、慢性病、先天的に体が弱い
中医学的な漢方薬の説明
腎陽(精)不足 体を温める腎の陽(機能、火)が弱く、腎精(エネルギー)が不足しています。
2)男性不妊症のおもな症状…腎陰虚火旺タイプで精子が弱い
性的に興奮しやすい。 勃起しても余り固くならない。精神緊張、早漏を伴う。足腰、腰膝に力が入らない。 動悸、寝汗、足の踵が腰が痛い 。尿が黄色い 、便秘 、舌の色は赤い、苔少ない
おもな原因
陰虚(体液不足)体質。 慢性病。自慰(オナニー)、セックスの過剰など (若い頃に自慰が好きな人によく見られる。20、30代に多い)
中医学的な漢方薬の説明
腎陰不足 腎の陰(物質、水)は全身を潤し、陽をコントロールしているが、陰が不足すると陽の機能が過剰となる
3)男性不妊症のおもな症状…肝気鬱結タイプ、ストレス過多で精子が弱い
ED(勃起不全)、勃起しても固くならない、ストレスや 少しの情緒の変動でも勃起に影響する。睾丸・ペニス疼痛 、射精痛・下腹部悶痛。 抑鬱(よくうつ)、胸悶(きょうもん)。 顔色黒い。 舌の色は黒紫で、紫色の斑点がある
おもな原因
夫婦の感情の不一致、 緊張しやすい、心配が多い、情緒不安、オナニー( 自慰)、セックス時にむりやり射精を我慢する。性的欲求不満。生殖系や全身的な慢性疾。高齢者に多い
中医学的な漢方薬の説明
肝鬱気滞(かんうつきたい)・血淤(けつお)。 男性機能は腎の精気のほか、精神的な調和、気と血液の流れとも密接に関連し、その停滞は性機能を弱める。
5)男性不妊症のおもな症状…湿熱下注タイプで精子が弱い
ED(勃起不全)。 精液が漏れやすい。白濁り。 陰部がかゆくて湿っぽい。 尿が黄色く濁る。イライラ。体が重く、動きが鈍い。舌の色は赤く、苔は暑く黄色い
おもな原因
肉や油っぽい脂肪食の摂り過ぎ。甘い物の摂り過ぎ。酒の飲み過ぎ。 セックス過剰。泌尿器系炎症。肥満、がっちりした人によく見られる
中医学的な漢方薬の説明
湿熱下注(しつねつかちゅう) 体の中の水分と熱が下半身に停滞し、胃の調子も悪く、全体に体が重だるい
6)男性不妊症のおもな症状…心腎不交タイプで精子が弱い
驚き、恐れによって突然にED気味(勃起不能)。ドキドキの心悸、不眠、息切れ、 じっとしていても汗が出る 。抑鬱。舌の色は淡くピンク色、苔は白く薄い
おもな原因
性格的に臆病で、驚きやすい
中医学的な漢方薬の説明
驚恐傷腎(きょうきょうしょうじん)・心身不寧(しんしんふねい)
驚き、恐怖が腎を傷つけ、精神のバランスを乱す
7)男性不妊症のおもな症状…心脾両虚タイプで精子が弱い
ED(勃起不全)、あるいは勃起しても固くならない(中折れ)、 食欲低下、 心悸、不眠 、夢が多い。動きが鈍りだるい。 舌は淡いピンク色、苔は少ない
おもな原因
神経の使いすぎによって、睡眠、食事が十分に取れない神経衰弱の状態になる 。頭脳労働の人によく見られます。
中医学的な漢方薬の説明
心脾両虚(しんぴりょうきょ)
精神活動には気血の供給が必要で、神経の使いすぎで、胃や腸の働きが衰え、気血が不足した状態になっている 。
以上、男性不妊の漢方薬にはさまざまな漢方薬的な体質があることを中医から考えてみました。あなたは暑がりタイプ?それとも冷え性タイプ?
週刊ポスト 新時代大特大号に 土屋薬局が取材を受けた記事を紹介します。
(週刊ポストさま、ありがとうございます)
バイアグラの登場で、すっかりED(勃起不全)も 病気として認知されるようになったが、それでも勃(た)たない悩みを医師に相談するのも なかなか はばかれるものだ。
現在、日本のED人口は 980万人と推定されている。
しかし、専門医やカウンセラーの多くは、実際にはもっとたくさんの男性が悩んでいるだろうと指摘している。
従来からある EDの治療法としては、塩酸パパベリンやプロスタグランディンといった血管拡張剤をペニスに直接注射する方法が知られる。
しかし、この場合は 病院で注射を受けて すぐにセックスしなければ効果があにため、実際には EDによる不妊に悩む夫婦などが最後の手段として行うくらいだった。
バイアグラが認可されて以来、EDは 自分で薬を飲むことで解決できるようになり、治療を受ける男性も飛躍的に増えた。
が、やはり治療の心理的負担は同じだし、高血圧や心臓病で使用できないケースもある。
妻とのセックスで、最初のうちは勃起するのに、いざ本番となると萎(な)えてしまう、いわゆるペニスの「中折れ」 に悩む40代後半の会社員はこういう。
「いくらEDが病気と言われてもやはり他人に相談する勇気はなかなか湧かない。
僕らの時代はどうしても勃たなくなったら男は終わり、という古い考え方にとらわれてしまう。
妻は、プレッシャーを与えるようなことはしませんが、期待に答えようとすればするほど、勃たなくなるようで最近は怖くてセックスできなくなっている」
略
ぜひ、本誌が集めた最強勃起グッズ情報を参考にしてほしい。