不妊症・漢方周期療法の基礎体温の読み方


山形県東根市神町 土屋薬局 薬剤師・不妊カウンセラー、国際中医専門員A級(中国政府認定)・
NPO法人日本不妊カウンセリング学会会員 土屋幸太郎


基礎体温のパターン(黄体期)が次のような方


「階段式上昇」





低温期も高温期も、ギザギザしています。


全周期に「当帰を主成分にした漢方薬」を服用します。


卵胞期には、補腎剤をその方の体質、周期に応じて服用します。


排卵期は、48時間(2日間)でスムーズに上がっていくことが理想的ですが、
この場合は 低温から高温までの上がり方が、ガタガタと階段状になっていますね。

これは、排卵障害があることが分かります。


また、基礎体温が 全般的にギザギザがひどいのは、
通常は プロラクチンが高い場合が多いと認識します。


麦芽を炒ったものは、低温期、高温期とともに
きれいに整えていきますので、
基礎体温表が全般的にきれいになっていきます。


流産後も、プロラクチンが高く、
基礎体温が乱れる場合がありますが、
麦芽を炒ったものを「当帰を主成分にした漢方薬」とともに服用しますと、
早く体調や生理を元に戻すことができます。


上の基礎体温表は、高温期(黄体期)も安定していません。


12日間以上、36.7〜36.8℃くらいを維持することが理想的です。

黄体機能不全の傾向もありますから、高温期には補腎剤を併用すると良いでしょう。



「斜面式上昇」





「階段式上昇」に似ています。


やはり、排卵期の基礎体温がスムーズに上がっていきません。


排卵障害などがありますし、
中国漢方では このように低温期から高温期への移行がスムーズでない根本の原因には、


@腎虚(じんきょ) 特に腎陽が不足して、高温期に移行しずらい。

A肝気鬱結(かんきうっけつ) 分かりやすくいえば、ストレスが強く、基礎体温が乱れ、上がりずらい。


などが考えれます。


もう少し専門的に説明しましょう。


「低温期」の 「陰」が充満すれば、質の良い卵子が形成されます。

次の段階として、排卵が起こり、高温期になりますね。

「高温期」は、「陽」の時期です。


この排卵期は、中国漢方では 「陰」から「陽」への「質的転換」の時期としています。


「低温期→高温期」の変化は、「陰→陽」の変化であり、
根本的には 五臓の「腎」の力が重要な役割を担っています。


「腎虚(じんきょ)」と呼ばれる 「精力減退」の傾向が強くなれば、
したがって 排卵期における、「低温期」から「高温期」の上がり方が悪くなり、
ダラダラとした ◎「階段状」になってしまうのです。


周期療法では、この「腎臓」の生命力を挙げることが基本となります。


ですから、ベースとなる漢方薬は、
五臓の「腎」を補う補腎剤と、「血(けつ)」を養う「当帰を主成分にした漢方薬」
それに 基礎体温全般の ギザギザをきれいにし、
排卵期の上がり方を良くする「麦芽を炒ったもの」を併用しますと効果的でしょう。

「麦芽を炒ったもの」は、イライラを抑え、ストレスをスーッと解消しますので、
基礎体温の乱れ全般にも良いです。


ストレスは、基礎体温や生理不順、生理痛の「天敵」です。


その際の基礎体温は、さらに上下の変化が激しく
ギザギザが目立つようになってきます。


更なるストレス軽減を目指し「ストレスを緩和する漢方薬」をを併用しますと、
基礎体温が安定してくるばかりではなく、
ストレス解消、PMS(月経前緊張症)、生理不順の解消にも効果的です。



「波動式」





ギザギザと波打っています。

低温期を安定させると同時に、
高温期も上げて 持続させなければなりません。


この場合は、補腎剤を服用すると同時に、
脾気虚(ひききょ)という胃腸の「気」の「昇堤作用」の不足もあると考えられますので、
高温期には 補中益気丸なども周期療法として併用していきます。


他は、「階段式上昇」「斜面式上昇」で説明しましたように、
総合的に基礎体温をきれいにしていきます。



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ココログ版土屋薬局 中国漢方通信「嬉しいお便り」
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基礎体温表による
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