40代、女性のかたの難聴、耳鳴りの漢方相談を受けました。
今年の4月に突発性難聴を発症して以来、難聴と耳鳴りに悩まされています。
ストレスが溜ってきたときや天気が崩れるときに悪化しやすいです。
耳鼻科では、メチコバール、アデホス、イソバイドを服用中です。
20代のときにメニエール病にかかり、その後後遺症で寝込んだこともありましたが、その後10年間は発作も起こらずに完治したものだと思い込んでいました。
今年の4月に突然右耳が聞こえなくなり、突発性難聴と診断され10日間入院しステロイドの点滴治療。
聴力は8割くらい改善しましたが、以前より聞こえが悪いです。
そしてまた先月の8月に右耳が聞こえなくなり、突発性難聴の再発で4月と同じステロイドの点滴治療を受けました。
今回はあまり聴力が回復している感じがしません。
耳鳴りも強くまた再発するのではと心配です。
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恩師の中医師の先生に、相談してみました。
「突発性難聴は急性期の治療が大事です。
今までの病院での治療は良かったと思います。
聴力が回復していないのは、内耳に原因。
内耳性難聴です。
三半規管、蝸牛も原因です。
ストレスがあったかもしれない。
処方としては牛膝と車前子が配合されている補腎薬と丹参製剤そして「神様が枕元で教えてくれた漢方」の3つがいいです。
補腎薬は、牛膝と車前子が含まれた補腎薬で、補腎とは耳の症状を軽減していくことです。
内耳、蝸牛、三半規管にリンパ液が溜まっている可能性がある。
またそれらはめまいや、若いときにメニエルだったことからも推測される。
「耳鳴りに強い補腎薬」よりは利尿効果が期待できて、耳の症状を軽減していくことに期待できる。
丹参製剤は、耳周りの血流を改善して、内耳の症状に効き目があります。
「神様が枕元で教えてくれた漢方」は、補腎効果があり安神作用もあるので、睡眠が良くなり、精神を安定させ、耳鳴りにも効果を期待できます。
牛膝と車前子が含まれた補腎薬+丹参製剤+「神様が枕元で教えてくれた漢方」の組み合わせは、補腎+活血+安神の相乗効果があります。
ポイントは、1)これ以上悪くならない 2)良くなっていくし、病院の薬の効き目もより良くなります
突発性難聴は、漢方の組み合わせは単品では無理、2品目は普通、3品目は必要とのことで3つ合わせて服用したほうが良い。
漢方で体力を上げて、内耳、蝸牛、三半規管のリンパの流れを良くすることが大切です。
ちなみに「神様が枕元で教えてくれた漢方」の代わりに「サネブトナツメの種子が配合されている漢方」を使う方法もあります。
「サネブトナツメの種子が配合されている漢方」は、補血効果を期待します。
生理直後に頓服したり、血虚傾向(貧血、血圧↓)などのときなどに、補血効果で心血虚の改善を狙います。
ガンや難しい病気の場合でも漢方に取り組む。
患者さんが 1)これ以上悪くならないこと 2)患者さんによく説明すること などが大事です。
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2011年9月20日追記
漢方を服用して調子が悪くなったと言われる場合には?
→もし漢方を服用しての副作用でしたら、たとえばずっと下痢が続くとか副作用が長引くことはありえないこと。
また1)体質が絡んでいるので、食生活や生活習慣などにも起因していることを根気よく説明すること 2)服用方法を変えること、たとえば食前、食間の服用だったら食後30分に服用方法を変えることなど。
ナツメは傷寒論、金匱要略の8割に処方されているもの。
症状を穏やかに改善できる。
たとえば竜胆瀉肝湯の苦味を消すことができる。
<2011年8月29日 我が家の庭 朝顔>
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○2011年10月14日追記です。
お客様からの嬉しいコメントを頂きました。(^^)
「漢方薬を飲み始めてちょうど3週間が経ちました。
飲み始めてから2週間は耳の詰まった感じが続き、耳鳴りも大きく、めまいの発作が起きたりで、このまま耳が聞こえなくなってしまうのかも・・・とかなり落ち込みました。
それが今週に入ってから耳の詰まった感じがなくなり、突難にかかって以来、『ぼわ〜ん』『きーん』という2つの耳鳴りに悩まされていたのですが、『ぼわ〜ん』という耳鳴りがあまりしなくなり、時には耳鳴りのことを気にせず過ごせるまでになりました。
土屋薬局様に薦めていただいた漢方薬の効果が出てきたようで嬉しい限りです。」
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○2011年11月11日追記です。
2か月にわたる漢方薬の服用で、耳閉塞感がほとんどなくなり、耳鳴りも日常生活であまり気にならないくらい回復しました。
月に1回の聴力検査も再発する前にまで回復して、日常生活には支障がなくなり、健康のありがたさを実感してとても嬉しく思っています。