南京便り 南京到着編(11月19日)

03/12/28



南京便り 到着編(11月19日)

上海空港から陸路6時間をかけて南京へ到着した私たちは、
南京金鷹冠酒店にチェックインしました。





予定より2時間ほど大幅に遅れたものの、その晩は研修を始めるにあたっての
南京中医薬大学附属病院の歓迎会が開かれました。

南京中医薬大学の病院長、副院長を始め、
夏桂成先生を中心とした賑やかな歓迎会となりました。

団長の挨拶に始まり、なごやかに日中友好も兼ねた宴会でした。





さて、その場では一人一人の先生方の自己紹介がありました。


私は、照れ屋で自己紹介が苦手ですので、
どうアピールしようかなと思案に暮れながら、
先生方の自己紹介を聞いていました。


今回、一緒に行った先生方は、日頃から親しい先生もいらっしゃいますが、
面識もないかたもいますので、興味津々でした。


私が漢方を志すきっかけは、薬科大学生時代から漢方に漠然と興味があり、
実家が薬局だったこともあり、将来に役立つだろうと思っていたからです。


東大附属病院薬剤部で1年間、病院調剤の基礎や技術を学んだ私は、
翌年に東京・高円寺にある「中医学塾」で「陰陽五行論」の深遠な世界から
1年間に渡り、寮生活を通して中医学の勉強に励みました。


南京不妊症専門講座の団長なども私の1学年差の仲間であり、親しみがあり、
お互いの境遇もわかっています。

ところが、当然なのですが、年が離れた先生や初めてお会いする先生たちの
漢方と出会いなどは分かりません。





一人の女性の先生は、病院勤務をしていたときに、
同僚の薬剤師の先生が漢方に詳しかったので、
東京にある中医学院の分校で3年間勉強したとおっしゃいました。

電話で問い合わせをしたら、そのまま入校となったと照れておりましたが、
勉学に励むことは素晴らしいことだと思いました。


私の自己紹介は緊張したものの無事に終えて、
最後に 若くて美人な女性の先生のスピーチがありました。


お兄さんがC型肝炎になり、日本では打つ手がなかったことから、
北京に渡り、中医医院で漢方治療をしたこと。

その後、お兄さんは漢方薬でC型肝炎が治られ、効き目の素晴らしさに感動したこと。

また、中医における診察が、老中医が診察室でにこやかにして、
脈診や舌診を丁寧に行い、まさに「全人医療」であったことに感銘を受けたこと。


それから、先生は、聴講生として現地の北京中医学院で3年間勉強されたことなどを述べられ、
私の心は感動で胸がいっぱいになってしまいました。


なんとなくエスカレーター式に、中医学をマスターしてしまった私と比べましたら、
「志すきっかけ」「中医学との出会い」がぜんぜん違います。


「人に歴史あり」と言いますが、まさに「漢方に人生あり」です。





2人の先生の中医学との出会いの話を聞いた後、その後宴会は粛々とすすみ、
白酒などでの「カンペイ」もあり、楽しく終了となりました。


明日からは、夏桂成先生の診察を見学でき、講義も聞けます。

南京に来た初めての晩は、私自身にとって「中医学」の存在を
強く意識した日となりました。


人との出会い、師匠との出会い、求めてくる患者さんと出会いなど、
中医学は 「人生の歴史」であり、「人類の財産」なのだと強く思いました。


さあ、今夜は遅くなりましたし、酔いました。

ゆっくりとお休みしましょう。