北京便り 写真版1991

00/12/30

消えゆく街並み



暮れの大掃除をしたら 出てきました。


私が 初めて北京を訪れたアルバムが。

懐かしさがグッと込み上がります。

同時に 十年前の自分の表情が なんとも言えません。

皆様も、パスポートや運転免許証の写真などで
同じ思いをしていることと思います。


アルバムを見ていて、思ったこと。


北京も都会になったなあ。

でも、都会になりすぎたのかもしれない。

本当に、中国らしさを感じたい方は、
北京よりも 地方に行ったほうが よいかもしれません。

北京は 変わりましたよ、ほんとに。



道路や空港なんて、あっという間に 出来ちゃいますからね。

日本では、というか、
民主主義国家では 土地の所有は認められ、
とうぜん 個人の財産の権利があります。


道路拡張や公共事業に 自分の土地や建造物が引っ掛かった場合は、
所有面積を測定し、時価から計算をしていき、
金額で補償をしてもらい、
場合によっては代替地などを用意してもらうこともあります。


もっとも 土地の税金を払えないときは、
泣く泣く 手放すことになりますが。。。



さて、お隣は中国の場合。


ご存知のように、中国は共産主義国家です。


道路拡張に、家や土地などの不動産がぶつかったり、
お店や建物が引っ掛かってしまうと大変です。


これは ほんとの話かは 実証できませんが、
中国では 補償してもらえないらしい。

たとえば、新しいお店を作ったばっかりなのに、

「道路拡張です」
と命令がきたら、すぐに立ち退きです。

それから、地獄の補償金なし。。


「土地は国の財産である」 
ということが根底にあるのです。


日本のように、しっかりと 国や県、市など事業主が補償を計算し、
きちんと 面倒を見る国では
公共事業は 時間がかかります。

ところが、
中国では 驚くべきスピードで進展しきます。

しかも 人海戦術の24時間作業の急ピッチで。


そうやって 王府井大街も 建国50周年を記念して
びっくりするほど 綺麗になってしまったのです。


現に、今も 北京大改造計画は 進行中です。


古い街並みや家屋は取り壊され、
その一角には 新しい分譲マンションが建築されます。

屋台が 通りにいっぱいあって、
いつも なんだかお祭り気分で楽しい街も消えようとしています。


北京中医医院で 通訳を頼んだ 衛生部の人は、

「こんなに 急いでやる必要はないと思います」
と、感想を述べてました。


そうだよね。

なんでも 急ぎすぎるのは 良くないよね。


今度、オリンピックが来たら、もっと凄いことになるんだろうな。


古い街並みで 保存するところもあるらしいけど、
北京の街中が ビルだらけになったら
北京らしくなくなるのではないでしょうか?





1991年 当時の北京首都国際空港。

「北京便り VOL2〜3」で、
新しい 空港の画像を載せてますので、
比べてみてください。

「薄暗い」

このキーワードは
当時の北京を知るうえでの
大切なものです。

どこ行っても 「薄暗い」

飛行場も 「薄暗い」
街中も 「薄暗い」
お店に買い物に行っても 「薄暗い」

国力が貧しいときは、
電力が足りないので、
「薄暗い」 のです。


さあ、これから、
入国審査を受けますよ。





どうです。
迫力のある画像でしょ。

初めての共産圏で
緊張している人は、
「アメックス」 の看板を見て なごみます。





無事に出られましたね。

おめでとう、1991年の土屋君。

ところで、皆様は 「ビザ」を
ご存知ですか?

「ピザ」じゃないですよ。

「ビザ」は、中国に入国するときの、
いわゆる 「入国許可証」 ですね。

「パスポート」と 「ビザ」の二つが必要です。

「ビザ」は 前もって中国大使館に申請します。

それで、「ビザ」には 2種類あるんですね。

私の場合は いつも 「L(える)ビザ」 ですが。

今回は、話が長くなって、
スクロールするのが大変ですから、
次回に 続きをしたいと思います。

皆様、風邪などひかないように
お体をお大事にしてください。