子宮内膜症、蕁麻疹、花粉症の漢方療法




今回は「嬉しい話と蕁麻疹の話」「子宮内膜症と漢方療法」「花粉症と漢方療法」の厳選3つをお届けします。
参考になりましたら幸いです。





山形県東根市神町 土屋薬局 薬剤師・不妊カウンセラー、国際中医専門員A級(中国政府認定)・
NPO法人日本不妊カウンセリング学会会員 土屋幸太郎




嬉しい話と蕁麻疹の話です。


こんにちわ、土屋です。

寒波の影響で山形はこの1週間ずっと雪が降りそうです。

道路脇には、私の身長並み(178センチ)くらいまでに
除雪された雪の山も出来ていたりして、なんか大変な状況です。

さて、寒波にも負けないホットなお話を。


今日の今の時点までで嬉しかったことは、新規のお客様2人から相談を受けましたが、
お2人とも当店のお客様からの「口コミ」のご紹介でした。


1人のかたは慢性蕁麻疹のご相談です。

最近、蕁麻疹(じんましん)の相談では、
「血液の熱を冷ます漢方薬」などをお勧めする機会も多いです。

実際に治っているお客様もいらっしゃいます。

衛益顆粒などと併用すれば、もっと効果的でしょう。

蕁麻疹は、「赤い」「痒い」が特徴です。


急性の場合には、たとえば食事などの原因などのときにはアレルゲンを除去すれば治るのですが、
私たち薬局に相談される「慢性蕁麻疹」の場合には
皮膚科でも治らないから…という理由が多いです。

さて「赤い」「痒い」などは、「熱」の特徴ですし、
なかなか治らないことは「血(けつ)」の体の奥深くにこもっていることを意味します。


「熱」が「血(けつ)」にあるから、「血熱(けつねつ)」と言うのですが、
「血液の熱を冷ます漢方薬」は体の「血熱(けつねつ)」を冷ますと同時に
血行を良くして蕁麻疹を治していきます。

悩んでいるかたは、一度お試しになる価値があると思います。


衛益顆粒は、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎などの皮膚病や花粉症などの
アレルギーの体質改善に効果的です。

原典名は、「玉屏風散(ぎょくびょうぶさん)」でして、
蕁麻疹やアトピー、花粉症などのアレルゲンから
「屏風を立てる」ように体を邪気から守り、自己免疫を高めていきます。

北海道薬科大学の漢方薬物学研究室の鹿野美弘先生が熱心に研究されていて、
素晴らしいデータがとれていますし、今後脚光を浴びる漢方薬でしょうね。

(「夏の肌のトラブル解決!」先手必勝!花粉症…花粉症は予防が一番」も参考にしてください)



さて、もう1人のお客様は、筋腫などのご相談で「当帰を主成分にした漢方薬」をお勧めさせて頂きましたが、
その方をご紹介してくださったお客様は無事に出産されたそうです。

同じ町内会なので顔見知りなので、土屋薬局を紹介して頂いたとのことでした。

出産されましたお客様は、一昨年に不妊の漢方相談で
「当帰を主成分にした漢方薬」や「老化を予防する漢方薬」、「麦芽を炒ったもの」などを服用していました。

その後、昨年に妊娠されましたので嬉しく思っていたところですが、
本日友人のかたから「Hさんは出産されました」と聞きまして嬉しく思ったところです。

良かった、良かったです。

そのお客様は、漢方薬だけで基礎体温がきれいになってのご懐妊でしたので、
十分に効き目があったと思います。

……

では、頭の休憩タイムでお別れです。

1月の成人式の連休のときに宿泊した白布温泉 西屋を紹介させて頂きます。

雪ですっぽりと覆われています。

雪国の温泉旅館は、なんと魅力的でありましょうか。

雪のお迎えです。

情緒がありますね、さすがに瓦葺だけあります。素晴らしいです。

まさに雪山に篭っている感じです。

今は寒波の影響で、白布にはもっと雪が積もっているのでしょう。




子宮内膜症と漢方療法

昨日は、もう一つの嬉しい話がありました。

30代のお客様です。

違う病院では何ともないと言われていましたが、
生理痛がつらいために詳しく検査をしたところ、
子宮内膜症とチョコレート嚢腫があることが分かったお客様に
昨年から婦宝当帰膠をお勧めしていました。

内膜症は、子宮の内膜だけではなく、
「異所」で内膜が増殖しますから、
生理のように排出されませんので、
溜まって炎症を起こす疾患です。

通常は、卵巣に影響を及ぼすことが多いですので、
卵巣チョコレート嚢腫にもなりやすいです。


偽閉経療法をホルモン剤で半年間行ったりもしますが、
産婦人科の先生は開けてみなれば実際の症状が分からないために
腹腔鏡などの手術を勧められることも多いです。

(私も産婦人科の先生から、そのように勉強会で教わりました)

………

子宮内膜症性不妊の関連因子

A・卵巣、卵管機能の障害

1)卵巣、卵管機能の機械的障害
2)排卵障害
a)卵胞発育障害
b)黄体化未破裂卵胞
c)高プロラクチン血症
d)黄体機能不全

B・免疫異常

a)自己免疫異常
b)抗子宮内膜抗体

C・腹腔内環境の異常
a)腹水
b)マクロファージ活性の亢進
c)プロスタグランジンの増加
d)サイトカイン、細胞増殖因子の増加

子宮内膜症の不妊治療

待機療法
薬物療法
手術療法

→ART(生殖補助医療)

子宮内膜症の治療

待機療法(半年〜1年様子を見ていく)

腹腔内洗浄(サイトカイン、成長因子など)
HSG(子宮卵管造影:半年間は妊娠しやすくなる。検査と治療が一緒)

薬物療法

ダナゾール
GnRH agonist(スプレキュアなど)
GnRH anatagonist
アロマターゼ阻害剤

手術療法

腹腔鏡ではがす。チョコレート嚢腫をとる。ブルベリースポットを焼く。


子宮内膜症は個体差が大きいので見解は一定しない。
目で見るのが唯一の方法。→確定診断
症状がなくとも内膜症がある場合もある。

………

さて、難しい説明でしたが、
昨日のお客様は「当帰を主成分にした漢方薬」を服用してから、生理痛はあまりきつくなくなり、
とても体調が良くなったそうです。

今まで冷え性だったのが、手足もポカポカするようになったとのことで、
私たちも嬉しく思っているところです。


2005年1月19日撮影です。

左に見える山が月山。右の山脈が葉山連邦です。

山形新聞によると葉山連邦の豊かな自然も
「世界遺産」に推薦しようと動きもあるようです。

私たちは、もっと故郷の自然を誇りに思うべきですね。

母なる山。月山です。

穏やかな顔を見せています。

葉山です。今年は登ってみようかとも思っています。

…若木山から撮影でした。

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花粉症と漢方療法

「花粉症と漢方療法」…中医学における風とは


遅くなりましたが、1月30日に仙台市中央市民センターで行われた
「平成17年度南東北中医薬研究会 総会・定例会」での勉強会を報告します。

前回アップした「春節」からほぼ1週間ぶりの更新になります。

(本当に正月休みを中国風にしていたのではなくて、相談業務など多忙で更新できなかったのです。(言い訳)


「衛益顆粒の臨床応用 花粉症の予防と治療」

講師は、日本中医薬研究会が誇る武藤勝俊先生です。

武藤先生は、北京で留学して本場の中医師の資格をお持ちの先生で、
講義は分かりやすくて面白いです。

個人的には、私は大好きです。

武藤先生の講演だったら、眠くならずに楽しく勉強できますから。。


さて、講義の要点をまとめましょう。


1.衛益顆粒の紹介

衛益顆粒は、玉屏風散(ぎょくびょうぶさん)を元に作られた。

玉屏風散の命名

玉=素晴らしい
屏風=風を防ぐ

つまり玉屏風散(衛益顆粒)は、体に屏風を立てて
風邪や花粉症の邪気(表熱、表寒など)から体を守っていきます。

皮膚や粘膜のバリア力を丈夫にして、悪い風邪(ふうじゃ)の侵入を防ぎます。


中医学による風(ふう)とは…

「風為六淫之首」

風邪(ふうじゃ)は、人体に病気をもたらす邪気の中で唯一移動する性質をもちます。

風邪は通常は単独ではなくて、他の病気をつれてくる親分のようなものです。

風邪(ふうじゃ)、または風邪(かぜ)を予防することは、
いろいろな病気を予防することにつながっていきます。

日本でも「風邪は万病の元」と言いますね。


風邪(ふうじゃ)による病気の特徴


@「風為陽邪」「易傷人体陽位」

陽位とは、体表や・体の上部を指す。

つまり風邪(ふうじゃ)による病気は、このような場所に多く発症する。

体の上部の疾患の頭痛や喉痛、風疹(皮膚湿疹)などになりやすいです。


A「善行」「数変」

善行とは、発症部位が一定しないこと。

数変とは、症状が現れたり消えたりすること。

症状が急に現れ、発症する部位がよく移動する疾患→花粉症、風湿病(リウマチ)など

(著者注:「リウマチと漢方薬」や蕁麻疹なども「風邪(ふうじゃ)」が絡んできますので「蕁麻疹と漢方薬」も参考になれば幸いです。

蕁麻疹と漢方薬」では、血熱(けつねつ)の話に重点を置いていますが、
血熱(けつねつ)と同時に突然に痒みが来たり、皮膚が赤くなることは、
急性の症状ですので「風邪(ふうじゃ)」も絡んでいます。


蕁麻疹の急性の症状の風邪(ふうじゃ)を治すには、一つの鉄則があります。

「風を治すには、血を巡らせよ。血行けば、風自ずと滅する」という深遠な世界がありまして、
まずは体の土台である陰血(いんけつ)を補っていけば、
「風邪」の「陽邪」も舞い上がることが無くなり蕁麻疹の発作が減っていくという訳です。

地味ですが、地道に「陰血」という体の土台を補ったり、血行を促していけば、
蕁麻疹対策の漢方として成功です。


B「開泄(かいせつ)」

開泄とは、こじ開けて、発散するということで、すなわち汗穴を開き発汗させ、
気や津液(しんえき)奪う性質がある。

汗をかきやすい、風に当たるのを嫌がる。→多汗症の易感冒。悪風など。

先ずは守りを固めることが先決で重要である。

つまり対策が大事で、体の防衛するバリア力が弱いと(衛気不固)ですと
花粉症の量やインフルエンザなどに左右されやすくなります。


C「主動(しゅどう)」

弱い風ではふるえ、強い風では硬直あるいは半身不随などの運動障害が現れる。

自覚症状としては、かゆみ、しびれ、目眩も風による症状である。

運動障害・しびれ・かゆみ・めまいなどが現れる疾患

→肝陽化風(高血圧など)
→中風(脳梗塞後遺症など)
→血虚生風(めまい、しびれ)


中医学では、よく「麻木(まき)」という単語を「しびれの表現」として使用しています。

「麻」とは、意味は「しびれ」のことです。

皆様、麻婆(マーボー)豆腐の辛さを思い浮かべて頂ければお分かりだと思いますが、
この「麻婆(マーボー)」の意味も「しびれて辛い」ということを指しています。

「木」とは、「しびれが硬くなった」ことです。

つまり「木のようにしびれが硬い」と考えてください。


さて、内風(ないふう)の治療としましては、おもに熄風(そくふう)の方剤を用います。

たとえば、中医学的に「風」が強いと考えられる症状としましては、
顔面神経麻痺が挙げられます。

中国の鍼灸の治療では、20日間毎日針を打っていきます。

漢方薬では、日本では顔面神経麻痺の予防と治療には、
衛益顆粒に「独活寄生湯」を併用します。


衛益顆粒と「独活寄生湯」は、正気(つまり抵抗力のこと)を上げて、
顔面神経麻痺の主要な邪気─風邪(ふうじゃ)を追い払います。

また「独活寄生湯」の去風散寒除湿の効果と気血(きけつ)や肝腎を補う働きも生きてきます。

衛益顆粒を併用することにより、
衛益顆粒の黄耆(おうぎ)の補気と邪気を追い払う働きがミックスされますので、
顔面神経麻痺の表治と本治に役立ちます。


「通じざればすなわち痛む、痺れる」ですから、
顔面を侵している風邪(ふうじゃ)を経絡上から追い払っていき、
体の気血(きけつ)や「肝腎要(かんじんかなめ)の「肝腎」を補っていけば、
不快な顔面神経麻痺の緩和に役立つという訳です。

「独活寄生湯」や衛益顆粒の他に顔面神経麻痺に使用できる漢方薬としては、
「血行を良くする漢方薬」や経絡を通す「食用アリ製剤」
また「治風先治血」の鉄則により「当帰を主成分にした漢方薬」、また風寒湿の邪気払いとして
「勝湿顆粒」など様々なものが検討できます。


以上ですが、文章が長くなりましたのでまた
来週に「花粉症と漢方療法」の続きをアップします。

中国漢方通信の「先手!必勝花粉症」と「先手必勝!花粉症…花粉症は予防が一番」なども
参考にして頂けましたら嬉しいです。

啓翁桜」です。

可憐できれいな桜ですよね。春が待ち遠しいです。







お電話やメールでご予約お願いします。
平日の漢方相談大歓迎です。一人一人に時間をじっくり割いて相談しています。
遠方のかたは、電話やメールでご相談をお寄せください。こちらから。


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中医学、とくに中医学漢方の痺証と中医漢方婦人科に詳しい薬剤師 土屋幸太郎 (国際中医専門員)、不妊カウンセラー(NPO法人不妊カウンセリング学会認定)による親切な相談。じっくり話を聞いて一人一人の体質や年齢、症状に応じて相談しています。どうぞお気軽にお声をかけて下さい。

土屋幸太郎のプロフィールはこちらです。

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<2015年7月30日 土屋薬局店内 漢方勉強会>

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壁面にはお客さまから寄贈された赤ちゃんの写真やお手紙で明るい活気に満ちた店頭です。

ご主人さま、ご実家のお母様と赤ちゃんと家族4人でのご来店でした。

こちらのコラムもぜひご覧になってください。


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こちらも2015年7月30日現在の土屋薬局の外観です。

連日の猛暑、旧国道13号線沿いに当店がございます。

地理的には村山市、河北町、天童市、寒河江市、山形市、仙台市から来店しやすいです。

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<2013年11月4日 郡山市ビッグパレット 薬剤師 土屋幸太郎の漢方相談の風景>

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土屋薬局 中国漢方通信/漢方専門の薬剤師、不妊カウンセラーが相談します。

漢方体験ドットコム…土屋薬局のお客様体験談です。ぜひご覧になってください。

土屋薬局 中国漢方通信メールマガジン…毎月5日と15日の月に2回スタッフと力を合わせて発行しています。約360名の読者の方々がいらっしゃいます。ぜひご購読のご検討を!


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<2015/09/30 送子観音菩薩像を漢方コーナーに移動しました。オーラがでています>

中国の民間の信仰では、送子観音菩薩は日本でいう「子授け観音」として大変に有名です。

中国で不妊治療の名医、老中医は「あの先生はまさに送子観音菩薩です」とも言われたりしています。

当店も私も送子観音菩薩のエピソードにあやかりながら、お客様たちと喜び、悲しみを共有していきたいです。


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漢方のご相談方法は、漢方相談表、またはファックス電話で受け付けています。
お問い合わせは、送信フォームもございます。
詳しい漢方相談の方法はこちらからで説明しています。

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所在地 山形県東根市神町中央1-10-7
Google mapによる所在地

営業時間 第二、第四日曜日お休みです。

平日 午前9時〜午後7時  土祭日 午前9時〜午後6時

メールアドレス JDY00247@nifty.com

電話 0237-47-0033 漢方電話相談室 0237-48-2550 Fax 0237-49-1651


仙台方面からのご来店の場合には、お車でのご来店、または仙台駅前の旧仙台ホテル跡の複合商業施設のEDEN前のバス停から「山形新庄行き」48ライナーの山形交通のバスをお勧めしています。さくらんぼ東根駅下車です。1時間に1本あります。約1時間15分です。

さくらんぼ東根駅に到着されましたら、当店のスタッフがお迎えにまいりますので、お気軽に前もってご予約のうえご来店頂けたらと思います。

福島県からのご来店のお客様も増えてきています。

郡山市から東根市までは約2時間ぐらいで当店に到着しますし、山形新幹線で息子さんと一緒にさくらんぼ東根駅経由で来店されたお客様もいらっしゃいました。


携帯からは、こちらをクリックしてください。→土屋薬局のグールグルマップ

<新しいグーグルマップ、土屋薬局もペグマンがストリートビューで案内します>







漢方では一人一人の体質に合わせて相談していきますので、詳しくはご相談してください。


漢方相談は、
漢方相談室のフォームファックス(0237−49−1651)
お電話(0237−47−0033、0237−48−2550)で。

体調に合わせながら
健康をつくる漢方相談をしていくことを誓います。