03/07/23
2003年7月16日撮影
場所:自衛隊第六師団の土地
撮影者:土屋幸太郎
解説:お昼の食後の散歩に撮影しました。
ユキノシタは、きれいですね。
昨日、NHK衛星で「ビッグ・ウェンズデー」を見ました。
7時55分から始まると言うので、
しっかりとテレビの前で観賞しました。
3人のサーファーの青春物語の映画です。
この映画が製作された年は、1978年ですが、
2003年の今現在見ても新鮮で、古臭さは一切ありませんでした。
映画の法則としては、主人公たちが
「どこからやって来て→どこへ向かって生きていくのか?」を描ききっている
のが名作です。
「ビッグ・ウェンズデー」は、まさにそんな「名画」でした。
「いつかは、町に出て働かなくてはならないんだ」
「いつかは、みんな卒業するんだ」
などと映画の序盤では、「今後どういう展開になるんだろう?」という
セリフが散りばめられています。
恋とパーティ、喧嘩のシーン。
美しい海。青い空。サーフィンをする鍛えられた体。
スタントなしの、まさに現役サーファーたちが演じる姿は、
映画界の金字塔です。
映画の中では、海辺に向かう階段が印象的です。
3人で階段を降りて登場し、いつも場面の展開では
その階段が重要な意味を持ってきます。
「サーフィンという青春と海」と「僕たちを取り巻く世間と社会」の橋渡しが
海辺に向かう白い階段なのです。
映画の中盤から、ベトナム戦争の徴兵が始まり、ストーリーも動き出します。
狂ったふりをしたり、障害者のふりをして、徴兵を逃れようとする3人。
中には、自分から志願する者や、偽装がばれてしまって海兵隊に送られたりする
者もいます。
ああ、いつの時代でも偽政者の犠牲になるのは、若者なんだ。。
イラク戦争も同じではないか、、政治家は安全なところで命令を出して、
殺されるものが若者なんだ。。
さて、3人の親友だった大酒呑みの友だちが、ベトナムで死んでしまいます。
3人で、酒を片手にお墓の周りで思い出話に浸ります。
だんだんと大人になっていく男たち。
そのような日常生活の中、「伝説の水曜日(水曜日には大波が来るという言い伝え)」
がやってきます。
海辺のいつもの階段を降りるマット(主人公)の目の前には、
自分を待っている2人の親友がいた。
ライバルの現役プロサーファーも、この大波に挑むのだったのだ。
史上最大の大波との死闘が始まる。
中学校時代には、角川文庫全盛の時期でした。
そんな時代に、私が好んで読んでいた作家は、片岡義男。
この前、久しぶりに片岡義男が読みたくなって、大きい本屋さんに探しにいったのですが、
なんとビックリ。
あまり置いていないんですね。どうしたのでしょうか?
さて、片岡義男といえば、映画「メイン・テーマ」など、かっこいい、大人の恋を描いたり、
オートバイの話など、いけている都会派の小説が多かったのです。
その中でも私が愛読したのは、一連の「ハワイ」の話の小説でした。
「コーヒーもう一杯」などの随筆などは、繰り返し繰り返し読んでいたものです。
ワイキキのサンセットビーチには、一人の男が佇んでいた。サーフィン・ボードをもった彼は、サングラスを外しながら、ピックアップトラックに乗り付けていった。もう二度と来ないかもしれない夏を彼は過ごそうとしていた。空は青く広い。快晴だ。映画「ビッグ・ウェンズデー」というサーフィンの青春映画がある。水曜日に、巨大な大波がやって来るという伝説を基にした映画だ。彼は、実際に自分の目で確かめたかった。毎週、水曜日には仕事を休んで、海辺へ乗り付けていったのだ。
こんな感じの文章が、片岡義男の小説群にあり(多分)、
私は今の今まで、ずーっと「ビッグ・ウェンズデー」が心にありました。
ですから、月曜日にやっと観れたということは、つまり「20年目」の悲願達成ということです。
一度も観たことはなかったけど、思い出のある映画が「ビッグ・ウェンズデー」だったのです。
「がんばれベアーズ」「E・T」が心に残る映画でしたが、これからは「ビッグ・ウェンズデー」も入れておきます。
時間があったら、また観たい。そんな映画でした。
ダイエットのために、ウオーキングやチューブトレーニング、最近は直径65cmのバウンス・ボールも購入し、雑誌「ターザン」も定期購読して、せっせと運動している私ですが、「ビッグ・ウェンズデー」では、主人公たちの「サーファー体型」に憧れてしまいました。
マシーンで作った人造的な体よりも、海とサーフィンによって鍛えられた体は美しいですね。
私も、実は先週からセントラルというフィットネスクラブに入り、プールで泳いだり、
水中歩行をしています。
陸上でトレーニングをしたら、最後の仕上げは、「アクア」だと思ったからです。
ボディビルダーの体型は凄いと思うが、なりたくないし、あまり実用的でないと考えました。
それに比べると「スイマー」たちの体は、筋肉がしなやかで美しく見えます。
目指せ!スイマー。
クロールで泳いで、コースの端に佇んで休憩していると、
水面がゆらゆら揺れて見えます。
ボクサーならコーナーに佇み、陸上競技ならスタート台に立つ、そんな感じかな。
趣味でいえば、釣りをして湖面や川を見ているとき、温泉でいえば、かけ流しの源泉の流れや音を聞く感じ。
プールには、そのような夢を抱くような、心を癒す瞬間があります。
サーフィンは、親友たちや仲間も大勢いるが、所詮自分ひとりの問題。
泳ぐのも歩くのも、自分ひとり。
「俺は、一人で泳ぎきっているんだ」
充実感が沸いていきます。
え、今の課題ですか?
クロールのブレス(呼吸法)です。ターザンの水泳特集号を寝る前に読んで、
研究しています。
水泳歩行は、「NHK出版・今日の健康」の巻頭特集号の毎月分をコピーして
プールサイドに持っていて、実践しています。。
今まで、私の海外旅行は、中国とアメリカの大陸だけです。
いつかは、ハワイとかグアム島なんかに行きたいな。
海は、いいなあ。。そのためにも、溺れないように、今からスイムをやっておこう。
スピードのスイムキャップにゴーグルをかけた私は、そう思いながら、プールで泳ぎます。
頭の中は、「ビッグ・ウェンズデー」を夢見て泳いでいるですけどね。
海も大波も、薬草もお花も共通項があります。
それは「自然」です。
今回は、映画と水泳の話で、まったく漢方の話ではありませんでしたが、
私の好きなユキノシタをご覧になって頂いて、漢方コラムを終えたいと思います。
ユキノシタは、大学生時代に鎌倉で採葉(さくよう)した思い出の花で、青春の思い出です。
ユキノシタという名前では、雪ノ下とロマンチックな気持ちになり、18歳という若々しいあの頃を思い出してしまいます。やさしい女性の先輩や、面白かった友達。学生時代は、いろいろなところに旅行にも行ったし、良かったなあ。ユキノシタは、鎌倉で採葉したので、見ていると6月の新緑の鎌倉も思い出します。初めて観た「ビッグ・ウェンズデー」は、中学校時代の青春の延長だとすれば、ユキノシタは大学の思い出なんだろうな、うん。
ユキノシタ[虎耳草]ユキノシタ科
地方名:イドクサ、ミミダレグサ
低地の湿ったところや岩場に生える常緑多年草。観賞用に庭などにも植えられる。
山菜として天ぷら、おひたしにする。
薬用部位:薬(虎耳草)。開花期に葉をとって、天日乾燥する。生は必要時にとる。
薬効:やけど、湿疹、小児のかん。
使用法:1日5gを600ccの水に入れ、30分ほど煎じて3回に分けて服用する。
小児のかんには、葉の裏が赤いものがよいといわれる。
(私の師匠 福島の貝津先生著作 「日本の薬草」より。貝津先生ありがとうございます)
ユキノシタ 雪ノ下 (ユキノシタ科)
別名 虎耳草 イワブキ キジンソウ
●イシガラミ イシクラバナ (秋田) イドクサ (秋田 山形 栃木 岐阜) ドクサ(山形) カンザシバナ (福井) ミミダレ(グサ)(栃木 茨城) ミングサ (鹿児島) ユキワリソウ (山口)
薬用部位 葉
薬効 はれもの(セツ) うるしかぶれ しもやけ(凍傷) 耳だれ かぜ(感冒) 熱 とびひ(伝染性膿痂疹) にきび
使用法
@ はれもの ねぶとのようなはれものに、生の葉をあぶってから、もんだものをはる。
また、葉の黒焼きを米のりで練ったものを、つけてもよい。
A うるしかぶれ 生の葉をしぼって汁をつけるとよい。
B しもやけ 葉のしぼり汁をぬる。
C 耳だれ 俗にいう耳だれに、葉のしぼり汁を流し込んでやるとよい。
D かぜ 熱 感冒や原因不明の熱に、乾燥した葉20gを煎じて飲む。
E とびひ 葉をもんでとった汁に、亜鉛華末を入れて泥状に練ってつける。1日、2日で乾いて治る。
F にきび 生の葉とドクダミの葉を、すり合わせてつける。
(日本漢方の大家 大塚敬節先生の「漢方と民間薬百科」より)
ユキノシタって、きれいですよね。
可憐な花ですし、長持ちします。
1ヶ月間くらいは咲いています。
これって凄いです。
散歩をするたびに、ユキノシタを見ては
「まだ咲いている!」といつも驚いています。
しかも岩場にしか生えないところが、また不思議。
神が自然を創ったのでしょうね。
04/06/14追記です。
04/06/14 神町駐屯地のお庭で撮影 撮影者 土屋幸太郎
私が住む東根市では、官民挙げて さくらんぼ一色です。
今週末からは、さくらんぼ狩りや出荷のほうもピークを迎えていきそうです。
さくらんぼのキラキラ光る銀色のテントやさくらんぼの紅色が
目に眩しい季節です。
さて、私の散歩コースには このユキノシタの群生地があり、
いつも気になっていましたが、
1年ぶりのユキノシタと再開です。
私にとってのユキノシタのイメージは、
もちろん この漢方コラムのとおりです。
何故か、水泳やクロール、
そして真面目な話 「ビッグ・ウェンズデー」を思い出してしまいます。
ひっそりと岩場の陰に咲き誇る ユキノシタをじっと眺めていますと、
私にとっては 遠いハワイなどの夏の海、
そして熱い青春のイメージが展開されていくのです。
「ビッグ・ウェンズデー」を夢見ていた私は、どうやら川の流れや海、
そしてプールが好きらしいと最近になって気付き始めました。
プールも最初の通い始めたときには、うまく泳げませんでしたので、
水中歩行という地味なことから始めていましたが、
今では そうです、先週の土曜日にも泳いでいたのですが、
ついにクロールで1時間泳ぎきることができるようになりました。
人間って、進歩するものですね。
「継続は力なり」かもしれません。
泳いでいると、とっても気持ちがいいんですよ。
とくに、今は ストレッチ・クロールという泳法で、
スーイという感じで気分良く泳いでいますので、
気分は最高です。
泳いだあとには、ブイを両足の太ももに挟んで、
宇宙遊泳のような感じで、しばらく水面に浮かんでいます。
体の力が抜けきって、世間の雑音も遮断され、
宇宙に浮かんだ宇宙飛行士か、
さてまた 太平洋で米軍に撃沈されて、
孤独に 海原を漂流する海軍兵士か、
タイタニック号の乗客は このように大西洋を漂っていたのか、、
などと心の中でつぶやきながら、
うっとりと夢見ています。
もちろん泳いでいるときにも、サーフィン映画の「ビッグ・ウェンズデー」の世界や
片岡義男のハワイの世界や
新しいところでは、女の子だけのサーフィン映画の「ブルー・クラッシュ」を想像しながら、
始終うっとりとしているんです。