夏に多い湿疹

00/07/03


この季節は,ジメジメした天気が毎日続きますね。

山形は、東北地方にありますから、みなさまは夏も寒いとか思うかもしれませんが、残念ながら、山形の夏は暑いのです。

確か、昭和40何年かに、酒田市で日本で一番暑い気温を記録したそうです。

一昨年ぐらいの猛暑の年に、日本のどこかの地方で、もうすぐ我が山形県の日本一暑い記録を抜かされるところでしたが、寸前でセーフでした。

天下の山形新聞にも 「ああ、良かった!」というような記事が記載されていて、ビックリした記憶があります。


仙台市は、私の住む町の隣なのですが、山を越えるとまったく天候や気候が違います。

この時期は、山形で32度を越えていて、私たちは半袖を着ていますが、いざ仙台に行くと戸惑うことがあります。

それは、仙台は、寒いというか涼しいのです。

さっきまで山形に居たときは、半袖を着てても蒸し暑くて汗をダラダラかいていたのに、今度は寒くて、涼しくてたまりません。

仙台は2週間くらいしか、暑くないそうです。

われわれ、冬寒く、夏暑いところに住んでいるものとしては、羨ましいかぎりです。

山形から、仙台へ行った場合は「涼しい、」とか「寒い、、」という感覚ですが、逆に、仙台から山形に来た人たちは 「なんで、こっちはこんなに暑いの?」と目を丸くします。

昨年は、確か仙台から出張にきているお客様に、「やっぱり果物がおいしいところは違うね。暑い!」と笑われた経験がありますが、確かに果物がおいしいところは 「夏は暑く、冬は寒くないといけないのです」

時々、私たちは、果物に合わせて生きているのか?という気さえしてきます。


さて、このように毎日が蒸し暑ければ、汗をいっぱいかきます。

汗をかけば、当然 「あせも」や「湿疹」 「アトピーの悪化」 「水虫」 などが見られます。

汗は、刺激物なのですね。

本来ならば、汗をかいたら、すぐにシャワーでさっぱりすれば良いのですが、なかなかそうもいきません。

この時期は、皮膚病が多くなります。


中国漢方では、「私たちは大自然の中の一つの存在である」という認識をもっています。

これは、専門用語では 「整体観(せいたいかん)」と呼ぶのですが、人間の体は「季節」や「気候」 「風土」によって左右されることにほかなりません。

皮膚病に関していえば、日本は 「アトピー」などのアレルギー疾患が多いですね。

これは、日本は 「海国日本!」ということに関係しているのです。

日本は、島国ですから、湿度が高く、「湿疹」が多いのです。

「湿疹」とは、文字通りで、「湿気」が多いと、皮膚病になりやすいことを意味します。


これとは逆に、中国大陸の病気は、基本的に日本と違います。

中国は、広大な大陸なので、湿度がぜんぜんありません。

まったく乾燥している大地ですから (話は違いますが NHKの「大地の子」は素晴らしかったですね。私は、毎回必ず泣きました(;_;) ) 、皮膚疾患も 「アトピー」はあまりなくて、日本ではあまり知られていない 「乾癬(かんせん)」という治りにくい難治性疾患が多くみられます。

このことは、中国大陸が乾燥している気候であることが関係していると思われます。


中国漢方では、ジメジメと湿度が高い状態を 「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。

暑さを 「暑邪(しょじゃ)」または、熱い状態であることから 「熱邪(ねつじゃ)」と呼んでいます。

ジメジメした 蒸し暑い 日本の気候は、「湿邪」と「暑邪」があることから 「暑湿」、または 「湿邪」と「熱邪」があることから、「湿熱」と呼んでいます。

(「暑湿」の呼び方は「ジメジメした蒸し暑い 高温多湿 の気候に影響を受けていることにポイントがあり、 「湿熱」の呼び方は 「高温多湿の環境」による影響と、体の中で食生活などの不養生により 「湿熱」が発生しているという認識があります)

今回は、これまでとします。

次回の漢方コラムに続きを書きます。