00/07/08
さて、前回の続きの話です。
日本の夏は、高温多湿で、ムシムシ、ジメジメとしています。
中国漢方では、自然界の特徴を 「風、寒、暑、湿、燥、火(か)」 の六気(ろっき)に分けて考えています。
私たちの体が元気で抵抗力がある場合は、それらの季節の変化にも体は負けません。
ところが、天候不順が続いたり(あまりにも暑すぎるとか、寒すぎるとかです)、
私たちの体の抵抗力が落ちているときは、
六気(ろっき)である 「風、寒、暑、湿、燥、火」は、病気の原因となります。
このように、気候が体に悪影響を及ぼしているときは、六気(ろっき)は、
今度は 「六淫(ろくいん)」となってしまいます。
それらは 「風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、火邪(かじゃ)」
と呼ばれます。
とくに、今の季節のメインとなるものは、「暑邪(しょじゃ)」です。
「暑邪(しょじゃ)」の特徴としては、日本の夏は高温多湿ですから、
「湿邪(しつじゃ)」を伴いやすいことが挙げられます。
前回で説明しましたが、これは「暑」と「湿」が合体したものですから、「暑湿(しょしつ)」と呼びます。
(ただし、これは便宜上は 「湿熱(しつねつ)」と呼んでも差し支えありません。
高温多湿は、「湿気」と「熱気」があるので、「湿熱(しつねつ)」でもイイのです。(^^)
この前、ご来店された女性のお客様は、このようなことを述べていました。
「4年前から、夏になると、大腿部とか下着の跡に、湿疹ができやすくなりました」
症状としては、紅みがあり、丘疹(きゅうしん)になっているそうです。
痒みもあるそうです。(ただし、アトピーと違って、夜は眠れます)
冬は、肌が乾燥して困ります。
生理痛や、生理不順はありません。(女性の方は、生理によっても、湿疹が変化する場合もあります)
肩こりはひどいです。
上記の訴えているポイントは
「夏になると湿疹ができやすくなる」です。
確かに、汗をかくと、汗に含まれる物質は、皮膚にとって悪い刺激なります。
日中に、シャワーを何度も気持ちよく浴びれば良いのですが、なかなかそうもいかないですね。
もし、このような湿疹などの症状が、季節に関係ないものだとしたら、「弁証論治(べんしょうろんち)」するのは、一から始めますが、「夏になると、、」という場合は推定がつきます。(^^)
その他にも、舌診(ぜっしん)という 中国漢方独自の体質判定法があるのですが、
舌の先が赤いのも参考になりました。
まだ、「土屋薬局 中国漢方通信」では 「舌診(ぜっしん)」までは、勉強していませんから、
ここでは深くは述べませんが、「舌の先が赤い」という事実は、「心熱(しんねつ)」と言いまして、
湿疹になりやすいのです。
簡潔にまとめますと、「舌の先が赤い」ということは、体に炎症や湿疹ができやすかったり、
イライラして 体に痒みが起こりやすいのです。
話は戻ります。
夏に起こりやすい湿疹というものは、もうお分かりだと思いますが、
「暑湿(しょしつ)」や「湿熱(しつねつ)」などの 季節的な影響を受けているのです。
「暑湿の邪気(じゃき)」や「湿熱の邪気(じゃき)」を追い払えば、体の湿疹もきれいになってきます。
代表的な方剤としては、「潟火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」 があります。
その名もズバリ。
「火」を潟(しゃ) して、 「湿(しつ)」を利します。
(「不快な耳鳴りを何とかしたい!耳鳴りには耳鳴丸」でも
潟火利湿顆粒を特集しています。参考にしてください)
体に溜まった湿疹を引き起こす 「暑湿」 や 「「湿熱」 の、「熱」を清して、「湿気」を除湿して、
体の炎症を抑え、サッパリさせます。
夏に多い湿疹やアトピー性皮膚炎などにも、効果的ですが、
そのほか 潟火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)は、
イライラの頭痛、もしくは片頭痛、目の充血、結膜炎、緑内障、耳鳴り、難聴、中耳炎、蓄膿症、帯状疱疹(たいじょうほうしん)、肝炎、胆嚢炎(たんのうえん)、陰嚢湿疹、膀胱炎、膣炎(カンジダ菌、クラミジアなど)にも効果があります。
(ただし、これらの症状に使用するのも、絶対に専門家に相談してくださいね。(^^ゞ
素人判断は危険ですので、、、、(^^ゞ
そのお客様には、潟火利湿顆粒を1回1包、1日3回 服用していただきました。
様子を見るために、一週間分だけお勧めしました。
ちょうど、一週間が経ったころ、再来店されたのですが、
肩こりはなくなり、湿疹もだいぶ良くなったそうです。 (^^)
現在は、引き続き、ご愛用していただいています。
ただし、夏季限定なのです。
あくまでも、「夏になると湿疹ができやすくなる、、」 ことと体質の二方面から考慮して、
潟火利湿顆粒をお勧めしています。
日本の美しい四季に季節に応じた漢方薬があるのですね。 (^^)