中国漢方のお話(5) ココロとカラダの悩み解決
カゼ、早く治そう!
風邪、カゼの漢方、漢方薬…中国漢方のお話(5)ココロとカラダの悩み解決
山形県東根市神町中央通り 鞄y屋薬局 薬剤師・国際中医専門員A級 土屋幸太郎
サンデータイムス12月1日号より、土屋薬局が取材を受けたページを紹介します。
いつまでも風邪が治らないと思っていませんか。
中医学では、ひきはじめの症状によって風邪を
「赤カゼ」「青カゼ」「黄カゼ」と大きく三つのタイプに分けて考えますが、
何色の風邪かで自分に合った対策ができるのが中医学の特徴。
「あれ?」と思った風邪のひきはじめの対処が、
早く風邪を治すカギなのです。
風邪のタイプ別の症状、対処法を土屋薬局(東根市神町)の
土屋幸太郎先生にお話を伺いました。
カゼ、早く治そう!
中国漢方では、体の熱を計るときは、
体温計を使わず自覚症状を基準にします。
熱はないけれども “熱っぽい”と感じれば「赤いカゼ」、
熱があっても “寒気”がするようなら「青いカゼ」と考えてください。
赤いカゼ
:特徴は、のどが痛い、赤く腫れている、熱っぽい、のどが渇く
空気が乾燥しがちな、この時期にひきやすいカゼ。
のどが赤く腫れたり、のどの痛みが真っ先にきて、
体が熱っぽくなります。
寒気は最初からないか、あっても少ないので、
冷たい飲み物を欲しがり 体を冷やすことを好みます。
黄色いタンや鼻水は、ウイルス感染による炎症のしるし。
体を冷やして、体内に溜まった熱を 逃がしてあげましょう。
お風呂に入って、体を温めないほうがベター。
トマト、大根などの新鮮な野菜類は 体内にこもった熱を追い出し、
体内を潤す効果があるので 積極的にとるといいですね。
漢方薬は、のどの痛みや炎症をやわらげ、
抗ウイルス作用のある 「天津感冒片」や 「涼解楽」を使用します。
これらに含まれる連翹(れんぎょう)、金銀花(きんぎんか)や板藍根(ばんらんこん)などは、
いずれもインフルエンザに対する抑制効果が 確認されています。
効能・効果
かぜによるのどの痛み、口(のど)の乾き、せき、頭痛
ふつうの風邪薬と違いまして、お腹に合わない心配がありませんので、
従来の漢方薬のように「食前」や「食間」などの空腹時に、
白湯(ぬるま湯)で服用します。
のどが痛い風邪やのどの赤みを伴う花粉症などに効果的です。
アレルギーを緩和する働きもありますので、
アトピー性皮膚炎の顔面の紅潮やにきび、湿疹などにも応用されます。
のどが痛くて、体が熱をもっている、のどが渇くような赤いカゼには、
青い箱の天津感冒片や涼解楽を服用します。
子どもから服用できますので、家族の常備薬に心強いですね。
のどの痛いカゼには、抗生剤や消炎剤や鎮痛剤を服用するよりも、
天津感冒片や涼解楽を服用したほうが効果的です。
「あ、のどが痛い」と思ったら30分以内にすぐに服用すると、
カゼを知らない健康な毎日を過ごせます。
安易に鎮痛剤や抗生剤を服用しない素晴らしい方法です。
その他、まだ当サイトでは紹介するページを作成しておりませんが、
板藍茶や板藍のど飴も併用しますと、のどがスッキリしやすく、
カゼを治す「特急券」になります。
青いカゼ
:特徴は、ゾクゾクと寒気がする、背筋が寒い、薄い鼻水・タンがでる、手足が冷える
季節の変わり目など、温度差が激しいときにひきやすいカゼ。
ゾクゾクと寒気、悪寒を感じ、体温計でも38度の熱があっても この症状であれば、
寒気の強い「青いカゼ」です。
こんなときは、体を温めて 汗を出してあげるのがいいです。
お風呂で汗を出す、温野菜や生姜(しょうが)、大蒜(にんにく)などで
体の内部から温めて 新陳代謝アップや、発汗を促しましょう。
体が冷えているので、消化の良いうどんや お粥などもオススメ。
寒気の強いカゼには、体を温めて、
寒気を追い払う働きがある「葛根湯」を用います。
体がゾクゾクして肩がこり、節々が痛いときに効果的。
葛根湯は 「湯」という文字があるように、
お湯で服用するのがポイント。
ゾクッとしたら、すぐに服用するのがコツです。
白湯(ぬるま湯)で服用したほうが、冷たい水よりも効き目が良いです。
背中や体がゾクゾクする青いカゼは、温かくして服用するのが基本です。
青いカゼには、赤い箱の葛根湯を服用して、体を温めて発汗して治します。
黄色いカゼ
:特徴は、お腹が痛くなる・吐き気がする・下痢・軟便
いわゆる「お腹にくるカゼ」です。
“吐き気、腹痛、食欲不振、下痢、軟便”などの消化器症状を伴い、
カゼウイルスが 胃や腸管で増え続けるので、
カゼ薬や 下痢止めでも治りづらい やっかいなカゼです。
中国漢方では、カゼに加えて、胃腸を中心とした水分異常があると考えるので、
胃腸の働きを改善し、過剰な水分を解消するようにします。
漢方薬では 「勝湿顆粒」を使い消化器症状を改善し、
胃腸カゼを治します。
(漢方コラム 梅雨入りとフィリピン 夏はビールがうまいが も参考にしてください)
「お腹にくるカゼ」には、黄色い箱の勝湿顆粒を
服用します。
刺身やサラダなどの生ものを控え、体を温めるショウガや、
消化のよい温かいものを食べるようにしましょう。
お風呂に入って汗を出すのは、体内に循環するのに必要な水分量が不足し、
かえって調子が悪くなるので控えましょう。
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普段の予防には、ウイルスや細菌などの外的刺激から体を守る 「バリヤ機能」を強化させること。
青い箱の天津感冒片、涼解楽、赤い箱の葛根湯、黄色い箱の勝湿顆粒とも
一緒に服用できる優れものです。
いわば、風邪を早く治す「特急券」のようなものでしょうか。
中医学で 「衛気(えき)」といいますが、この強化には 「衛益顆粒」が効果的です。
お子さんのカゼにお困りのお母さん方も多いと思いますが
「普段の様子とちょっと違うな」と思ったら、即実践してみてください。
カゼは 「ひきはじめ」が肝心。
漢方薬は、飲む時期が正しければ すぐ治ります。
カゼ、早く治そう!
中国漢方の知恵を生かす土屋薬局で、お気軽にご相談ください。
風邪は、「万病の本」です。
ココログ版土屋薬局 中国漢方通信の「風邪(カゼ)の漢方養生法」と
メールマガジンの「季節で変わるカゼの特徴を知って予防対策」も参考になりましたら幸いです。
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