中国漢方のお話(7) ココロとカラダの悩み解決

さわやかな春を迎えるために〜春の養生法〜

ストレス、過敏性腸症候群、胃(腹)痛、自律神経失調症、更年期障害、PMS(月経前症候群)の
漢方、漢方薬


山形県東根市神町中央通り 土屋薬局 薬剤師・国際中医師 土屋幸太郎

サンデータイムス4月6日号より、土屋薬局が取材を受けたページを紹介します。


自然界すべてのものが活動し始める春。

本来なら希望の春が、実はストレスで体調を崩す人も多いのです。

心身の疲労と体調不良で、憂鬱な春にならないためには どうしたらいいか。


土屋薬局(東根市神町)の土屋幸太郎先生に話を伺いました。





◎だいぶ暖かくなり、春を感じるようになってきました。


春は自然界すべてのものが、伸びやかに成長する時です。

人間も同様で、身体の成長だけでなく、豊かな精神活動が求められます。


しかし春は、体内ではホルモンバランスが変化し、
同時に進学や就職、人事異動などの環境の変化も加わって、
体と精神がアンバラスを感じ、ストレスになってしまうこともあります。
 

漢方では、自然と人間は一体であるという「天人相応」の考え方があります。

ストレスを上手にコントローして、心身のバランス調整を行い、
季節にあった養成法を行うことが、春を楽しく過ごすポイントとなります。
 




◎ストレスが起こす症状


ストレスによって最も影響を受けやすい臓器は「肝」です。


肝は、身体全体の気(エネルギー)の流れを調整し、
臓器の機能をスムーズにする働き(疏泄作用)をしていますが、
ストレスが溜まると肝欝気滞(かんうつきたい)という気血(きけつ)の流れの停滞を招きます。


中国医学では「気」は血の帥(すい)=管理者であり、血は気の母である」という言葉があります。


正常な生理機能を維持するためには、
気と血(けつ)が、ひと時も絶えることなく流れていなくてはならないということですが、
気血の流れの停滞や渋滞は、様々な病気の原因になります。
 

気力が落ちこんでため息をつく・・気がつまるので抜くために出るのですね。


自律神経失調症や更年期障害、月経前症候群(PMS)、欝やイライラ、
更に消化器系(胃腸)の不調や疲労感などの不定愁訴がでてきます。


肝の疏泄作用によって調整されている消化器系(胃腸)にも大きな影響を与え、
胃炎や食欲不振、胃もたれ、腹痛、お腹の張り、吐き気や
「腸は心の窓」と言われるように、ストレスからくる過敏性腸症候群などの下痢や便秘、
緊張性のコロコロした便の原因にもなります。
 




◎ストレスに負けない心身を


中国漢方では、これらの症状を引き起こす根本的な原因である気滞を改善し、
肝気の流れをスムーズにする 「疏肝理気(そかんりき)」という方法を用います。


漢方薬は肝を補い、新陳代謝を促進させる「星火逍遥丸」を使用します。


「逍遙(しょうよう)」
とは気ままに散歩するという意味があり、
気持ちをリラックスさせ、胃腸を守りながらストレスを発散させる漢方薬です。


また「肝」に栄養を与える当帰(とうき)や勺薬(しゃくやく)、
気の流れをよくする柴胡(さいこ)やハッカなどが入っているので、
ストレスに負けない体質を作る先手必勝薬ですね。

腹痛が強い場合は「開気丸」(かいきがん)
を使うこともあります。
 




◎日常生活では、ストレスをなるべく溜めないこと。


趣味やスポーツをする、深呼吸で身体をリラックスさせるのもいいですね。

過労や夜更かし、不規則な生活をしないよう、心掛けてください。
 

食事では、胃腸の働きを鈍くする冷たいものは避け、暖かいものを中心に。

主食は、パンやパスタなどの小麦類より、
胃腸を丈夫にする作用が高い米がお勧めです。


さらに気を補う山芋、ジャガイモ、さつまいもなどのイモ類や豆腐、きのこなどの食材に、
しょうが、ねぎ、玉ねぎなどの、食欲増進作用のあるものを取るといいでしょう。
 

現代社会の中で切り離せないストレス。

ならばそれに負けないような精神と体を作って、のびやかな春を迎えましょう。




ストレス対策を漢方で。

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