03/03/04
◎最年長は96歳と87歳!90年の歴史を誇る合唱団 白夜に上る真夜中の太陽、 夜空に輝くオーロラ…壮大な自然、 北欧の国ノルウエー。 その最北端にある小さな小さな漁業の町 ベルレヴォーグの自慢は、 90年の歴史を誇る男性ばかりの合唱団! メンバーは、96歳と87歳の 「ストランド・ボーイズ」と呼ばれる兄弟を 中心にした30人。 車椅子の指揮者、数学の才能がありながらも町に留まり、 今も漁を続けている男……。 実際にメンバー達が出演し、人生の喜び、歌への様々な想いを綴る本作品は、 ノルウエー2001年1月の公開以来、 1年以上に及ぶロングラン・ヒットを記録。 合唱団は一躍国民的なスターとなった! ◎一生懸命生きて、歌って…生の感動がここにある! かつて漁業で栄えた町ベルレヴォーグ。 今では魚工場が一つだけの小さな町だが、 1917年の創立以来、父から子へと歌を継承してきた合唱団は、 この町で歌うことを誇りとしている、 メンバーは、カフェを経営し、リハーサルを楽しみに毎日を送る…。 ある日、合唱団のもとに、ロシアからコンサートの招待状が届き…。 ドキュメンタリーで多くの秀作を生む イェンセン監督は、 四季折々の自然を背景に、合唱団の営みを追ってゆく。 「人生で本当に大切なもの」を知るメンバー達の満ち足りて幸せな顔。 彼らが誇りをもって、時にはユーモラスに語る人生… それらは、心地よく力強いハーモニーとなって私達を癒し、勇気づける。 「人生はあなたが楽しむためにあるのだ」と。 どんなに心が荒んでいる時でも、 映画館を出る頃には、あなたも 「コロブチカ」を口ずさんでいるはず。 (「歌え!フィッシャーマン」のパンフレットより引用させて頂きました。 鞄喧k新社さま、ありがとうございます) |
歌え!フィッシャーマンのパンフレットです。
かっこいいですね。
歌とは、人生の誇りである。
歌とは、愛である。
歌とは、生まれ故郷の山河を歌うこと。
歌とは、神に祈ること。
荒れ狂う猛吹雪の中、何故そこまで歌う。
目には涙か、眉は凍り、鼻水は樹氷となる。
オーロラの彼方、北極海へ歌は流れる。
セーラー帽は、彼らの誇りだ。
歌とは、未来への喜び。
歌とは、心の糧であり、希望の炎だ。
歌とは、絆であり、ベルレヴォーグの魂だ。
男たちの夢が、美しい自然のハーモニーが、大空に溶けていく。
「歌え!フィッシャーマン」は、楽しみにしていました。
通常、この手の期待感は、
映画を実際に観るとがっかりしてしまうことが多いのですが、
「歌え!フィッシャーマン」は違いました。
至福の105分間でした。
ノルウエー王立共和国では、2001年1月19日の公開から、
1年以上の及ぶロングランを達成し、
実に ノルウエー人口450万人の 8人に1人が観た計算になる大ヒット作です。
ノルウエーの美しい自然を背景にしながら、男たちは歌います。
一番右端にいるのが、エイナル・F・L・ストランド96歳です!
私も、こういう年の取り方をしたいです。
北欧は、ノルウエー王国。
もうすぐそこは北極という、
ノルウエー最北に位置する人口1200人の小さな田舎町が
おもな舞台となります。
このドキュメンタリー映画の主人公たちは、
その町に住む男声合唱団のメンバーです。
メンバーの中心は、ストランドボーイズ。
兄のエイナル・F・L・ストランド96歳、弟87歳を中心にし、
メンバーの平均年齢は 60歳を超えていますから、
「老人力」「年輪」「過疎の町」などを実感せずにはいられません。
(一番と若い人で、33歳)
32人のメンバーは、過疎が進行するベルレヴォーグという
何もない町に根をはり、生活を立てています。
カメラは、そのメンバー一人一人の人生にせまり、
現在の仕事や過去の生い立ちを 浮き彫りにしていきます。
車椅子の指揮者がいたり、
数学の才能がありながら 漁師をしている人がいたり、
ミュージュシイアンに憧れていた男、
若いころはプレイボーイだった男など、
どこの国でも、どこの人にもありそうなエピソードを追っていきます。
前述のストランド・ボーイズの兄、
エイナル・ストランドは 96歳にして 元気に車を運転していて、
87歳の弟を リハーサルに一緒に行くために迎えにいくし、
とにかく合唱団のメンバー達は、積極的に人生を生きています。
同じくノルウエー出身の本作品映画監督の、
クヌート・エーリック・イェンセンさんのカメラは、
ベルレヴォーグの四季折々の自然を背景にして、
男たちの合唱団が歌う姿をおさめていきます。
「歌え!フィッシャーマン」の英語圏での公開タイトルは、
「COOL&CRAZY」ですが、
まさに その名前どおりの世界が展開されます。
彼らが懸命に歌う姿や歌声に、私たちは感動を受けるのです。
海に浮かぶ真夜中の太陽のもと、バルツ海に向かって歌ったり、
北欧の神秘的な自然が美しいのです。
年齢や仕事、経歴も過去も違う男たちの歌声が、
ノルウエーの空にとけていく。
音楽の魔法が ここにあります。
なかでも圧巻なのが、雪と氷の閉ざされた冬のベルレヴォーグ
のメインストリートで歌うシーンです。
純白の汚れのない冬の世界。
バルツ海上空を越える北西風が、
男たちを抜けます。
この猛吹雪のなか、男たちが歌うシーンが
この映画のハイライトでしょう。
おお、エイナル・ストランドよ、何故あなたは歌う?
ストランドボーイズの髪は樹氷になり、
眉毛には雪が積もり、
目には寒さか感動のためか、涙がたまる。
鼻からは、鼻水が流れ落ち、氷柱となる。
ノルウエーの壮大な自然が男を磨く。
歌は、人生の喜び。
歌は、生きることのあかし。
歌は、神への祈り。
映画を観ていたら、
私にまで「体感できる寒さ」が伝わってきましたし、
彼らの必死で歌う姿や 歌声を聴いていると
私の目にも 涙があふれてきました。
映画を観終わる頃には、
私の心と体もすっかりと癒され、スッキリとしていました。
映画の余韻にひたりながら、
最後のエンドロールを見ていたら、
翻訳は 石田泰子さんだったことに気がつきました。
私の脳裏には、映画「ブエナ☆ビスタ☆ソシアルクラブ」のパンフレットに
石田さんが感想を書いていた 「幸せはお金ではない、繰り返しそう思う」
のフレーズが浮かんできました。
映画好きな人、音楽に興味があるあなた、北欧に憧れる人、
そして歌うことが好きな人にはおススメの映画です。
「音楽とは人生を映す鏡」であり、
男たちの人生がオーロラや白夜に流れていった
奇跡のドキュメンタリーなのです。
鞄喧k新社さま、パンフレットありがとうございました。