春だから、ダイエット!

01/4/16



春になると、女性誌などを中心に、ダイエット特集が始まるものです。

新聞の折込チラシなども、よく見ていると ダイエットに関することが多いですね。

若い女性の場合は、または そうでなくても女性の方は、夏になると水着を着るので 痩せたいとか、
普段から スタイルの良い体に憧れることが多いようです。


私たち 男性もそうです。

毎晩 酒を呑んでいるような生活は、確実に ウエストにきます。

数年前なら 楽勝で履けたズボンがサイズが合わなくなると、ショックを受けてしまいます。

寝る前に、腹筋を 50回くらいすれば、確実に体が変わっていくのだろうと思うのですが、
ついつい面倒で実行できません。


土屋薬局の店内でも、処方箋をもってくる患者さんたちは、しみじみと 語ります。


「先生に、体重が減れば 血圧が下がるよ!」と言われたんだけどねえ。

「糖尿病の血糖の数字が280まで上がってしまいました。本当に痩せたいです」

など、生活習慣病においては、もっと深刻な問題となります。


肥満は、“高血圧、動脈硬化、高脂血症、高尿酸結晶、糖尿病、脳血管障害、心臓血管障害、
睡眠時無呼吸症、乳がん、脂肪肝、胆石、子宮体がん、腰痛症” など、多くの合併症が起こりやすくなります。


アメリカでは、肥満の方は セルフコントールが出来ていないと見なされ、
出世も覚束(おぼつ)ないそうですが、命までも短くなってしまっては元も子もありません。


肥満の判定には、BMI(ボディ・マス・インデックス)法を用います。

BMI(ボディ・マス・インデックス)値は、体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))で計算できます。

BMI値は、20以下では 「痩せ気味」、20〜24は 「普通」、24〜26.5は 「太り気味」、
26.5以上は太りすぎです。


私の場合を例にとりますと、体重68kg÷(身長1.78×身長1.78)=21です。

BMIは 「体格指数」で、身長と体重により、体格を判断するものですが、
「BMI=22」の時の体重を 「標準体重」としています。

ですから、私の場合は 20〜24までに数字が収まりますので、体格は 「普通」となります。


逆に、標準体重を求める方法は、身長(m)×身長(m)×22(kg/m×m)=標準体重(kg) となります。

もう一度、私の場合を例にとりますと、

1.78×1.78×22=69kgとなります。

通常は、±10パーセント以内が良いとされていますので、
69kgの ±10パーセントは、62〜75kgまでが、私の1.78mという身長に対しての 許容体重になります。


しかし、BMI法にも欠点があり、身長と体重だけで 肥満度を判定し、体脂肪量は反映されません。

肥満は、厳密にいえば、体重が多い状態ではなく、
体についている体脂肪(脂肪組織)が多い状態を言うからです。

体脂肪率は、男性では 15〜20%、女性では 20〜25%が標準です。

これが 男性で25%、女性で30%を超えると 「肥満」になります。

現在では、体脂肪率とBMIを組み合わせて肥満度を判定するのが、もっとも望ましいとされています。


したがって、体重が多い人が全員が肥満であるとは、限りません。

「千代の富士」の全盛期の体脂肪率を、みなさま知っていますか?

なんと、「16%」です。

この場合は、千代の富士は、体重が多いから「肥満」ではなくて、驚異的な「筋肉質」なのです。

一般的に、体重が標準体重以上の人の約2割は 「筋肉質」や「固太り」で、
残りの7〜8割は、体脂肪率が多い 「本当の肥満」になると言われています。


さて、肥満には 「洋なし型肥満」と 「りんご型肥満」の二つのタイプがあることは、
ご存知だと思います。

「洋なし型肥満」は、お尻や太ももに皮下脂肪がついたタイプで、女性に多いタイプです。

“下半身肥満”とも言われていて、若い女性や中高年の主婦に多く見られます。

(悩んでいる人が多いですよね)


「りんご型肥満」は、上半身、特にお腹の周りに体脂肪がつき、中高年の男性に多く見られます。

いわゆる 「重役肥満」 「社長肥満」とも、言えるでしょうか?


りんご型肥満は、脂肪のつき方により、「皮下脂肪型」と「内臓脂肪型」に分けられます。

「皮下脂肪型」は、手でお腹を ギュッと掴められます。

「内臓脂肪型」は、内臓の周りに脂肪がついたタイプで、生活習慣病の原因に一番なりやすいです。


肝腎のダイエットの話に入ります。

ここでは、中医薬研究会で講師を勤めている 管理栄養士の 大野綾子先生の講演を参考に
私が勉強したことを紹介していきましょう。


「ダイエットをする人の実に 7〜9割は、リバウンドになる」

これは、急激に痩せようとして、@低カロリー A食事制限 などという、
いわゆるストレスが溜まるダイエットをしているからです。

元々 英語では 「DIET」という言葉の語源は、「生き方、考え方」という意味があります。

つまり、ダイエットとは、体重を減らすこともありますが、
「ライフスタイルを見直して、太りにくい生活習慣を身につける。健康になるためのダイエット。」を意味します。


A:急激に痩せるダイエット……1ヶ月に4kg以上痩せると、確実にリバウンドになる。

これは、体脂肪を落とすと同時に、一番と大切な筋肉も落ちてしまうからです。

失った筋肉は、なかなか元には戻らないので、ダイエットに失敗して体重が元に戻ったときには、
脂肪だけが増えてしまうのです。

これを繰り返すと、どんどん体脂肪だけが増えていくのです。

これは、「ヨーヨー現象」 「ウエイト・サイクリング現象」とも呼ばれています。


B:食欲と戦うダイエット…必ずリバウンド。

最もですね。食べるのは、人生の楽しみです。


C:ライフスタイルを変えるダイエット…ライフスタイルに合わないと、ストレスが溜まる。

自分は、自分。人は、人。あくまで、マイペースですね。人には それぞれリズムがあります。



そこで、目指すダイエットとは!


@急激に痩せないこと→体重の5%以内。 1ヶ月に1〜2kgが理想です。

私が もしダイエットをすると、体重が68kgだから、68×0.05=3kg。ダイエットの道は厳しいですね。


A食欲を正常に戻すダイエット

私の友人で太っているのは、食べ方が似ています。


A:早食い…バクバク食べるので、頭が満腹にならないで、太ってしまうんですね。

ゆっくりと食べなくては。。ながら食いもいけないですね。

B:肉とか、焼き鳥、など脂っこいものが好き

一緒に居酒屋に行くと、よく分かります。焼き鳥を両手に持ち、片手にジョッキを持ち、飲むは食うは。

あとは、ガンガン喋ります。

C:朝食を食わない

不規則な食事は、逆に太ります。何時食べられるか!と体が心配してしまって、朝飯を食わないと太ります。

お相撲さんは、朝飯を食わないで、朝から昼まで稽古します。

稽古の後は、チャンコを食べて、昼寝をします。これが、理想の太る生活です。

だから、忙しい場合には、駅や車の中で 缶コーヒー1本とか、牛乳を飲んでしのぎましょう。

D:夜食する

近所の内科の先生は、胃腸が専門ですが、いつも健康法は 「夜、8時以降は食べないこと」と言ってますね。


Bライフスタイルを変えないで、間違った生活習慣を改善する!

何十年という生活習慣は、そう簡単には変わりません。

できることから、見直していきましょう。


ダイエットの基本は、もちろん運動もそうですが、毎日の 「食事が一番大切」なのです!



過去のダイエットを、復習すると


@食事制限 Aカロリー制限 B4群方式


ここからですね、大野先生の話は素晴らしいのです。


「カロリーを取っても、体に必要な栄養素が取れていない!」


脳の視床下部、満腹中枢へ、逆に刺激が増えていき、食欲が増してしまう!

分かりやすく、説明しましょう。

ジャンクフードなど、ビタミン・ミネラル類の必須栄養素が足りないものは、
脳の栄養不足を招くのです!

カロリーは、十分なんです。

でも、本当に 私たちの脳が必要なのは、ビタミンやミネラルの必須栄養素なのです。

頭の栄養失調は、食欲中枢システムが狂い、カロリーが取れていたとしても、
食事の満足感がなくなり 過食しやすくなって、ますます太るのです。


「あ〜、おいしかった」というのも、
季節の旬な物、おいしい野菜やお魚、果物を食べたからです。

手軽に食べられる ジャンクフードは、食事の満足感がないので、過食しやすくなります。

ですから、カロリーを制限したとしても、
必須栄養素であるビタミン、ミネラル(私はアミノ酸も必要だと思います)などが、
十分に摂取していないと、返って太ってしまうんです。

つまり、単純なカロリー制限は、食欲中枢が狂うだけで、
ほんとに体に必要な栄養がないので、
脳は 常に「飢餓状態」となり、カロリー制限とともに食欲が増していくのです。


多くの人が挑戦するダイエットとは、
“食べない、食べる量を減らす、穀類、油制限、低カロリー食品、単品ダイエット…”だそうです。



最近、「ビール酵母ダイエット」が流行りました。

私は 流行に疎いので、お客様に 「ビール酵母ください!」と言われても、
頭の中には 「エビオス飲んで どうすうるのだ。。。」

問屋に注文すると、「メーカーで欠品してまして、入荷まで一ヶ月間かかります。」

この国は 異常です。


「それで、ビール酵母ダイエットって、効くのですか?」

「職場の友人が、3日で3kg痩せました」

実は、朝、昼、晩と ヨーグルトにビール酵母を入れて、それだけ食べて痩せるんです。

これは、ダイエットではなくて、「栄養失調」で、確実に、残念ですが リバウンドが来るでしょう。。


そういえば、「指に紙テープ巻いて痩せる」のもありましたね。

私は、その時にも 「みんな、頭が悪いのではないか。。」と真っ青になってました。

だって、薬局から 紙テープが売り切れるなんて、どうかしてますよね。。

指に経絡はあるが、紙テープは経絡を刺激しません!!

中医学を馬鹿にしています。


そういえば、過去に当店のあるお客様が、それまで健康だったのに、
ゲッソと痩せて来店して 私はビックリしました。

なんでも、東京に行って 「修行」で、油物は一切食べなかったそうです。


それは、いけません。。

コレステロールも、体のホルモンや細胞膜を構成する 大切なものです。

1日に 卵1個くらいは、必要です。

突然、油物を絶ってしまったら、肌はカサカサして、目は落ち込み、若さがなくなり、
確実に 死がやってきます。


結局、そのお客様は、胃がんで亡くなってしまいました。


最近、あるダイエット食品を提案している人も、突然死んでしまいましたが、
私は 極端な食事制限が 基礎体力の低下→免疫力の低下を招いたのだろうと 推測しています。

ですから、私は 当店のお客様には、
「少しくらいコレステロールがあっても 大丈夫ですよ」 「若さの源です」 と語っています。


ダイエットの話は、1ページで終わらせる予定でしたが、見通しが甘かったです。

やはり、ダイエットの話は 深かった。。

続編をやりますので、お楽しみにしてください。

(参考文献:NHKきょうの健康 9月号 1997 「食べてダイエット」 大野 誠先生 東京慈恵医科大学講師
日本中医薬研究会 2000.9.9 全国大会分科会 ハーブ部会ダイエット講座 管理栄養士 大野綾子先生
を参考にしました。ありがとうございます)



気になるお腹ひっこめ!三爽茶

ダイエットの基本スタイル20か条

も参考にしてください。