03/09/14
今年は、東北地方のここ山形では、まれにみる冷夏となりました。
戦後4〜5番目くらいに、日照時間が少なかったのだそうです。
確かにそうでしたよね、8月中は 毎日雨か曇りでした。
海で真っ黒に焼けた人が、日焼けの薬を買いに来たり、
蚊取り線香もベープマットも、それこそキンチョウスプレー、ハエ採りリボンも、
ほど遠い世界でした。
我が家の朝顔は、2階から吊るした紐(ひも)を昇りませんでしたし、
サルスベリの花は、百日どころか、少しも咲きませんでした。
(注:サルスベリは、漢字で書くと「百日紅(サルスベリ)」になります。
意味は、百日間も咲き続けるから、「百日」の「紅」なのです)
私は 「暑い夏」が好きだったと実感しました。
山形の夏を実感できぬまま、残暑を迎えています。
(漢方コラム「夏に多い湿疹」も参考にしてください)
村山市の神輿保存会の「葵睦会」のメンバーの私は、
今年も 「東根祭り、大石田祭り、尾花沢花笠祭り、村山徳内祭り、鳴子祭り、赤湯祭り」
そして明日は、「寒河江祭り」にも参加する予定で、夏のお祭りを連戦してきました。
心残りは、初戦の「天童祭り」が台風で中止になったことです。
ほかの神輿のメンバーも言っていますが、
天童は担ぎたかったです。
残念でした。
天童のお祭りは 夏祭りの始まりでもありますし、雰囲気もなかなか良いものがあります。
「お祭り」の気分に街が満ち溢れています。
ほんとに担ぎたかったです。
冷夏に台風。
来年は、猛暑か または普通の「夏」になってもらいたいです。
どっこい、どっこい。どっこい、どっこい、そりゃ、そうりゃ!
(漢方コラム「墨田の花火」もお楽しみにしてください)
今回の漢方コラム「桃」は、
8月で真夏日となった8月19日(2003年)を振り返りながら、
過ぎ去った夏を惜しみたいと思います。
夏の思い出(2003年8月19日)
東根市神町で撮影。撮影者 土屋幸太郎
私は、ダイエットを継続中ですので、
家を出発してからは、ランニングして桃の撮影に行きました。
桃畑は 1kmくらい先です。
車で楽して行ったら 駄目です。
良い写真は、汗水かかなくてはなりません。
真夏の太陽の炎天下の下、陽炎が揺れます。
桃李言わざれども下自ずから蹊を成す
昔の人は 真夏の炎天下に、桃を求めて 口を癒したんだろうな、
と思いながら走りました。
暑さにしなれた緑の葉に、桃色の果実が連なります。
空は青く透き通り、入道雲が顔をだします。
冷夏で、今年の山形の果物は、桃もスイカも全然駄目でした。
いわゆる「水物(みずもの)」は、暑くないと駄目なんでしょうね。
農家の人たちが可哀相です。
果物は、夏は暑く、冬は寒くないとおいしくなりませんから、
来年は がんばってもらいたいものです。
2003年5月3日撮影です。
(漢方コラム「桃源郷」や「桃の里(桃とサクランボ)」も、お楽しみください)
このきれいなお花が、果実になると「桃」になるのですから、
自然とは不思議なものだと実感します。
では最後に、伊沢一男先生(私の出身大学の偉大な先生)の
「薬草カラー図鑑」より、「桃」を紹介して、漢方コラムを終わりにしましょう
モモ (バラ科)
婦人病一般、緩下、あせもに
古く中国から渡米した落葉樹。
春に美しい桃色の花を開くが、白色のシロバナモモもある。
果樹として多くの品種が栽培されるが、薬用にはどれでもよい。
●薬用部分
仁、花(白花種)、葉。
●採取時期
花は春、他は夏。
モモ (バラ科) 生薬名 桃仁・白桃花
弥生式土器時代から、モモの種子が発見されているので、
この時代にすでに中国からはいって、果物として食べられていたと考えられる。
現在のようなモモと違って、原種そのままで、
あまりおいしくなかったと推定される。
○原産地
モモの学名はプルヌウス・ペルシカである。
ペルシカは、モモの原産地のペルシア(今日のイラン)を意味するので名づけられたが、
その後、原産地は中国西北部黄海上流地帯であることがわかった。
○盛んな品種改良
モモの本場中国には多くの品種がある。
そのような中国の優良品種と、日本人独特の栽培技法を応用して、品種改良が行われた。
水蜜桃などが栽培されるようになったのは、明治以降、
外国からの優良品種が導入されてからである。
山梨、福島、長野、山形では栽培が盛んである。
○実を結ばぬもの
花だけを観賞する種類にハナモモがあって、これ結ばない。
3月3日の桃の節句に合わせて、花屋の店頭に出るのが、これである。
○成分
かたい殻の中に種子が一つあって、これを桃仁と呼んで薬にする。
前述の桃仁同様、かめば苦く、芳香が出てくる。
杏仁と同じアミグダリンを含むからである。
成分がほぼ杏仁と同じであると考えられるのに、
杏仁と違った効能、使い方があるのは、注目されているところである。
◎薬効と用い方
産前産後・血の道・月経不順に。
桃仁1日3〜5gを煎じて服用する。
○緩下剤に
白桃花か、普通のモモの花のつぼみを乾燥したものを1回2〜3g煎じて服用する。
○あせもに
新鮮な葉をとって水洗いし、約500gを風呂に入れて、全身これにつかる
夏の大森山。
町に近いために、東根市民にはお馴染みです。
奥羽山脈。
延々と山は連なっていきます。
夏のフルーツライン。
子供の頃から、夏の光景が好きでした。