がんの漢方相談


山形県東根市神町中央通り 土屋薬局 薬剤師・国際中医師 土屋幸太郎






◎土屋薬局のがんの漢方療法に対する考え方


土屋薬局には、がんの漢方相談が数多く、寄せられています。

抗がん剤の副作用を減らす目的や、病院でも良い治療法が無い。

また、延命効果や生活の質(QOL)を上げるためなど。

がんの患者さんご本人様から直接に相談を受けたり、娘さんや母親、父親などご家族のがんのご相談に見えられる方も数多くいらっしゃいます。


最近の実情では、このインターネットを始めとして、数多くのがんに関する情報が飛び交っています。

がんの患者さんたちは、いろいろな健康食品を服用している例もあります。


そのような場合には、いつも思うのですが、限りのある命のご相談です。

良いもので、がんに有益であると認められるものをご活用して頂きたいと願います。


中国漢方では、かならず弁証論治を行います。

患者さまの体調や体質を判断してから、良いものをお勧めしています。


「隣の人があれが良いと言った」「友人にこれを勧められた」などと迷われる場合も多いようです。


がんのご相談の際の秘訣としては、漢方薬局の漢方相談のレベルや、相談を受ける先生の人柄なども関係してきます。

信用と実績のあるお店をお探しになることが一番です。


土屋薬局では、相談して良かったと思えるように、つね日頃から努力しています。


がんは、ある日突然発症するのではありません。

体質もありますが、長い間の生活習慣や生き方、ココロの持ち方などある意味「超慢性生活習慣病」なのですから、きっと対応策もあるはずです。







『中西医結合による「がん治療」』



現在、日本のがん患者は約50万人と言われていますが、西洋医学が中心だった日本でも中医学と西洋医学を結合させた「中西医結合」が注目されています。

化学治療による副作用を軽減し、免疫力を高める中国漢方はがん治療でも効果を上げています。


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◇「中医学と西洋医学の利点を組み合わせた中西医結合療法」


日本におけるがん治療は、手術療法、化学療法、放射線治療などを行う西洋医学が中心です。

しかし、化学療法による副作用をはじめ、正常な細胞を損傷したり、免疫力を低下させたりするリスクもあります。


また「不治(ふち)の病」というイメージが強いがんの場合、精神的ストレスも大きいです。

こうしたストレスは治療の効果を妨げ、がんの進行を深める原因にもなります。


検査数値を重視し、病気の部位を治療する西洋医学に対し、病気を心と体全体のバランスからとらえる中国漢方では、病気の部位を治すだけでなく、精神も含めた全体の健康を保つための治療が行われます。


中国漢方は「病気を診るのではなく、人を見る」と言われます。


がんの摘出手術は成功しても、全体としてはかえって不調になったということがないよう。

人間が本来持っている自然治癒力を引き出して免疫力を高め、心と体の調和を図るのが中国漢方の特徴です。


中国では、こうした中医学の利点と西洋医学と治療技術を組み合わせた「中西医結合」と呼ばれる治療法が行われています。


がん治療における中医学、中国漢方の主な役割には、


1、症状を改善し、治療効果を高めて生存期間を延長する

2、放射線治療や化学療法による副作用の軽減

3、手術の効果を高める

4、免疫力を調節する

5、骨髄の増血機能を促進する

6、がん細胞の増殖を抑制する

7、がんの予防


の七項目があります。


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◇「ストレスやダメージを軽減し、心と体をサポートする中医学」


■手術前


他の手術に比べて大手術になることが多いがんの手術。


体力と気力が求められるため、体力と気力が求められます。

患者の体質や心理状態に応じて、適切な漢方薬が処方されます。


例えば、がんと闘病する体力を補う漢方薬の十全大補湯、香砂六君子湯、補中益気湯、衛益顆粒や、がんの精神的ストレスを緩和する漢方薬─酸棗仁湯や心脾顆粒(帰脾湯)、天王補心丹、シベリア人参、牛黄清心丸などが用いられます。



■手術後・回復期


手術後は患者のダメージが大きい時期です。

特に手術直後は食事制限もあるため、体力の回復が難しくなります。


この時期、中国漢方では体力を回復し、移転や再発の予防をします。

手術後のがん治療を順調に行えるように、低下している患者の正気(抵抗力)を調える療法を行います。


がんの術後の体力を回復するのによく用いられるのは、麦味参顆粒(生脈散)や西洋人参、香砂六君子湯など。


血行改善作用により、がんの痛みを緩和するには田七人参や丹参の漢方製剤などを使用します。


また、自律神経を調節して精神を安定させるために星火逍遙丸や加味逍遥散、シベリア人参茶なども用いられます。



■化学療法における中国漢方


化学療法は、手術や放射線治療と違って全身治療のため、体全体に不調が現れやすいのが特徴です。


食欲不振、疲れやすい、青白いなどの血虚(けっきょ)の症状がある場合は、帰脾湯や婦宝当帰膠など。


めまいや口の渇きなどの気陰両虚(きいんりょうきょ)の症状がある場合は、麦味参顆粒(しょうみゃくさん)や西洋人参。


がんの痛みや顔の黒ずみなどの血行不良の淤血(おけつ)の症状ある場合は、丹参の血液をサラサラにする漢方薬や田七人参(でんしちにんじん)。


下痢や吐き気などの脾気虚(ひききょ)の症状がある場合は、晶三仙(しょうさんせん)や香砂六君子湯などを用いて副作用を和らげて、化学療法の効果をサポートします。




■放射線療法と中医学


放射線治療は中医学的見地では、熱毒(ねつどく)の性質があるため、気や体液を消耗させる他、淤血(おけつ)を招きます。


発熱や炎症などの熱毒の症状には白花蛇舌草、淤血には丹参の漢方製剤、田七人参、口渇など口の乾きの陰虚(いんきょ)には麦味参顆粒(生脈散)や杞菊地黄丸などが用いられます。



■免疫療法と中医学


個々の症状と体質を見極め、自然治癒力を引き出して免疫力を高めることは中国漢方が最も得意とする分野ですが、転移や再発の防止、そしてがん予防にも免疫力の向上は欠かせません。


免疫療法に用いられる代表的なものに、星火霊芝宝、衛益顆粒(玉屏風散)、補中益気湯などがあります。


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『がんと免疫(めんえき)』


◇「免疫(めんえき)とは」


免疫とは、自分自身のものか(自己)、自分以外のものか(非自己=異物)を識別し、体をいつも健康な状態に保とうとしている自己防衛力と自然治癒力のことです。


その役割はおもに次の2つです。


1、外部から細菌やウイルスなどが体に入ってきた時には、免疫細胞がそれらの「異物」と戦い、体を健康な状態に戻そうとします。



2、がん細胞など体の内部で生じる“身内の反乱者”を常に監視し「異常」を見つけ出し、同時にそれらの動きを小さなうちに鎮圧して体の安定
(恒常性=ホメオスタシス)を維持します。



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◇「免疫機能は主に、免疫細胞とサイトカインによって実行されます」


体の健康を守っている免疫機構は非常に複雑なシステムですが、実際に「前線」で働いているのはおもに免疫細胞とサイトカインと呼ばれる活性物質です。


免疫細胞はおもに、骨髄の幹細胞から作られ、血液を通して全身のすみずみまで行きわたっています。

免疫細胞は種類が多く、それぞれ役割を分担しながら共同で働いています。

その中でもがんと戦う上で特に重要なのが、白血球に含まれている免疫細胞です。


一方、サイトカインは免疫細胞から分泌される活性物質で、おもに2つの役割があります。


1つは、免疫細胞間の情報伝達をして互いの活性化をうながして戦闘能力を高めることです。

もう1つは細菌、ウイルスやガン細胞などを直接攻撃することです。


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◇「ガンは免疫機構から逃れた“身内の反乱者”の集団です」


私たちの体は、約60兆個の細胞からなっているといわれています。体の中では常にガン細胞の芽が生まれています。

ところが、マクロファージやナチュラルキラー細胞などの免疫細胞がつねに警備を行っていて、ガン細胞を芽の段階で攻撃して殺しているのです。

だから、私たちはガンにならずにすんでいるのです。

体の免疫機能さえしっかりしていれば、ガン細胞が増えていくことはないといっても過言ではありません。


しかし、何らかの原因で免疫力が低下してくると、ガン細胞の芽が成長し、次々と細胞分裂し、増え続け、目には見えない「小さなガン」になります。


この段階で、免疫力を高めることができれば、ガン細胞を死滅させ、ガンの進行を止めることができます。

同時にガンの転移を防ぐこともできます。


このようなことから、免疫力をつねに高い状態にしておくことは、ガン予防の最良の対策であり、ガンの進行、再発、転移を防ぐためにも必要不可欠なことなのです。


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◇「免疫がハイレベルで機能する条件」



免疫がハイレベルで機能するための条件としては次のようなものが必要です。



1、免疫細胞の十分な数


病院や健康診断で血液検査をして、「白血球が少ない」と言われたことがありませんか?

それは免疫細胞(兵士)の数が不足していることを意味しています。

このような場合は当然戦う力が低下してしまいます。

強い免疫機能を保つためには、十分な免疫細胞の数が必要なのです。




2、活性化された免疫細胞


免疫細胞(兵士)の数がたとえ十分であっても、「病弱、幼稚な者」ばかりでは戦力になりません。

例えば、白血病は幼稚な白血球が増えすぎて、かえって免疫力を失ってしまった病気なのです。

免疫細胞が兵士として精力的に戦うには、まずその前に強くたくましく、活性化していかなければなりません。



3、良好な血液循環


免疫細胞の働きはチームワークなので、互いの情報交換のために故障のない迅速な交信ネットワークが大事です。

このネットワークのメッセンジャー役が様々なサイトカインで、そのルートはサラサラと流れている血液です。

ストレスや肥満症などは活性酸素を発生し、酸化物質を増やし、血液の流れを悪くして、免疫細胞の働きを抑えてしまいます。



4、栄養、エネルギーの供給



免疫細胞を増やすためにも、サイトカインを作り出すためにも、また免疫細胞がガン細胞と戦うためにも、十分な栄養とエネルギーが必要です。

ガン細胞は普通の細胞よりも大量に栄養を奪い取ってしまいますから、体全体が弱くなって、免疫細胞もガン細胞との戦いに勝てず、負けてしまいます。



5、良好な精神状態


免疫系は生体内で独立したシステムではなく、自律神経系や内分泌(ホルモン)系などにも深く関係しています。

免疫系が機能するには心身ともに良好なコンディションが必要です。

「3分間笑えば、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞の働きが何十倍も上がる」と言われています。

ガン患者に落語や漫才を聞かせて、延命、治療効果を上げている病院もあります。


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『「正気(せいき)を補い、病邪(びょうじゃ)を取り除く」ことが漢方治療 の原則です』


中国漢方の考え方では、人体を含めて宇宙は陰陽(いんよう)で構成され、人体の構成成分である気(き)・血(けつ)・水(すい)のうち、気は目に見えない機能・エネルギーであり陽(よう)ととらえ、陽気(ようき)とも言います。


血(けつ)と水(すい)は物質であり、陰(いん)ととらえ、陰液(いんえき)とも言います。

この陽気と陰液を合わせたものを正気(せいき)と言います。


この陽気と陰液は絶えず変化していますが、そのバランスが保たれ、正気が充実しておれば、体の免疫機構は正常に働き、健康は維持できます。


しかし、何らかの原因で陰液と陽気のバランスが乱れると、正気が不足し、病気の原因である病邪(びょうじゃ)との戦いに負け、病気が 発生します。


その中間の状態が未病(みびょう)です。


病邪(びょうじゃ)には


1、外から侵入する外因である六淫(ろくいん)

2、体の中から発生する内因としての七情(しちじょう)

3、どちらともいえない不内外因として飲食の乱れ、過労と運動不足など



があり、中国漢方では病気の原因を大きく、この3つに分けて考えています。


風(ふう)、寒(かん)、暑(しょ)、湿(しつ)、燥(そう)、熱(ねつ)という自然現象である六気(ろくき)が突然、あるいは激しく変化すると
発病の原因である外因として外邪となり、それぞれを風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、燥邪(そうじゃ)、熱邪(ねつじゃ)と言い、六淫(ろくいん)と呼んでいます。


「喜(き)・怒(ど)・憂(ゆう)・思(し)・悲(ひ)・恐(おそれる)・ 驚(きょう)」の七つの感情が七情(しちじょう)です。


これらが内因(ないいん)です。


これらが過度に、あるいは長期間続くと病気の原因になるからです。

また、体の中にできた病理産物である、気滞(きたい)、痰湿(たんしつ)、淤血(おけつ)なども内邪(ないじゃ)としてとらえています。


中国漢方では、この六淫(ろくいん)や七情(しちじょう)、飲食の乱れ、過労や運動不足などで病気は発病するとし、治療の原則は正気の不足を補い、また外邪(がいじゃ)、内邪(ないじゃ)の病邪(びょうじゃ)を取り除くことです。


これを扶正去邪(ふせいきょじゃ)といいます。






<最後に。がんの漢方相談をまとめます><もう一度大事なことを>


当店でのがんのご相談は大きく分けて以下の4つのケースが多く見られます。


@手術後の再発防止

A抗がん剤や放射線の副作用防止

B高齢で手術や抗がん剤に耐えられない場合

C末期がんで西洋医学の治療法で望みのない場合



がんの部位や進行の具合、ご本人様の基礎体力(免疫力の有無)や年齢などをご相談の際によくお聞きしまして、さまざまな漢方を一緒に検討していきます。







土屋薬局のがんに対する基本方針


@「流れる水は腐らない」           


気血水を流していくことです。

体の中の気(自律神経やストレスに関係のあるもの)や血(血液)、水分などが流れていかないと、老廃物が溜まり癌になります。

対策としては、体の中が澱まないように、気血水がスムーズに流れるようにします。

「流れる水は腐らない」と言われますように、体の中の新陳代謝を活発にして、すべての生命活動の流れをスムーズにすれば、がんが転移したり、大きくなることを防げます。


ストレスを避けたり、食事や運動、休養、飲酒、喫煙などの生活習慣病の五要素を見つめなおすことも大切です。


A「正気内に存ずれば、邪犯すべからず」
 「邪集まるところ、その気必ず虚す」


簡単にいえば、体の抵抗力(基礎体力)を上げ、免疫を上げていくことです。
 
基礎体力がつけば、癌に打ち勝つ免疫力がついてきます。


漢方では、癌を治すことよりも、「生活の質(QOL)」を上げることが向いています。

病院の治療による副作用を減らすとか、患者さんご本人様の自覚症状を減らすなどです。


例えば、食欲を上げるようにする、元気にする、などです。

その結果、延命効果が上がり、最後まで元気で過ごせたなどと感謝されることが多いです。

病院のがん治療の場合にでも、漢方を併用することにより、免疫力の向上を期待できます。


ご本人様の意識の問題も重要なことがしばしあります。

前向きな気持ちが、良い結果につながっていきます。





<ガンの漢方相談で勉強したこと>

何先生から教わったこと…子宮筋腫の漢方相談など

先日、9日(土)に東京から何(ふ〜)先生に来て頂きまして、
漢方相談会と私たちの勉強会を開きました。


勉強会のメモをココログで公開整頓させてください。


何先生 上海で研修してきた。


今回の収穫

1)不妊症には、三稜(さんりょう)、莪朮(がじゅつ)をけっこう使っていた。


2)子宮筋腫→清熱解毒剤の白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)をよく使う。


炎症があるので、活血(かっけつ)と同時に清熱解毒(せいねつげどく)。


3)ガン


薬局には、患者さんがいっぱいた。


特徴は清熱解毒剤を使っていたこと。(多用していたこと)


すべての処方に、霊芝顆粒(れいしかりゅう)。


黄耆(おうぎ)、麦門冬(ばくもんどう)、党参(とうじん)などの気を補うものをプラス。


たとえば、日本の製品でいえば衛益顆粒(えいえきかりゅう)や麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)。


白花蛇舌草もよく使う。

4)専門が強い薬局が人気がある。


中国でも専門が無いと生き残れなくなった。


たとえば、


1)婦人科


2)男性科


3)ガン


4)皮膚科

これらは、中医学が強い分野。

中国で、西洋医でホルモン療法


副作用や治療がうまくいかないので



漢方に来る。

日本と同じ複雑な症状。


ほとんどの人が何らかの炎症がある。


処方に清熱解毒剤を組む必要がある。

白花蛇舌草など。

炎症を念頭においてから、処方を組んでいく。


中国のほうが、日本より婦人科の検査では、
菌の検査が詳しいかもしれない。

腫れることは、炎症である。


1)菌がいるとき 2)腫れているとき 3)熱があるとき



チャガ(シベリアの天然霊芝)と白花蛇舌草など。



おまけ


題名 「夏の思い出 月山湖の噴水とソフトクリーム、玉こんにゃく」

とき 2006年9月3日

場所 山形県西川町 月山湖


西川町の月山湖


ラムネ


月山湖の駐車場


月山湖


月山湖の噴水


月山湖の噴水


山形県民のかたがこの写真を見れば、きっと「青春の思い出」「夏の思い出」など走馬灯のように脳裏をよぎるのではないでしょうか。


私も10数年ぶり?くらいに訪れましたが、懐かしかったです。


「月山湖の大噴水」は永遠に不滅です!







<卵巣がんの漢方相談を受けたこと>


卵巣がんの漢方相談

こんにちわ。

土屋です。

週末は、群馬県太田市の薬剤師の先生方と交流するために関東出張してきました。


太田市の三洋電機や富士重工業や、ブラジル人街や戦艦大和より100メートル小さいだけの「巨漢イオン」などを見学してきまして、いかに自分が田舎物か分かりました。

東京よりも、都会に思えました。

その他、「足利学校」の見学で、初日は太田市駅前のパールホテル、昨日は那須湯元に場所を移して、「雲海閣」に泊まってきました。


さて、余談ですみません。


今日は、卵巣がんのかたのご主人様から相談を受けました。

手術、抗がん剤と三大療法をしているが、再発などしまして、奥様は闘病中とのことで、「食欲をだしてあげたい」というご希望でしたので、喜んで「胃気(いき)」を増す漢方療法を紹介させて頂きました。


中医学では、「胃気(いき)なければ、すなわち死す」とあり、胃腸の機能を最大限に重要視しています。


胃腸とは、「畑」に相当しますので、さくらんぼやリンゴの木を剪定したり、殺虫剤をかけて、つまり抗がん剤や手術を受けて体力を消耗しているときには、「胃気(いき)を増して、胃腸を丈夫にして、食欲をだす」ことが大切でベスト、ベターになります。


そのほか、がんによる微熱感もあるとのことで、なるべく痛み止めなども使いたくないとのことでした。


当店では、「食欲をだして、胃腸を丈夫にする処方」として、婦宝当帰膠、晶三仙、参苓白朮散と3つお勧めしまして、ご主人様にもよくお話させて頂いたところです。

かならずしも、高額な処方でなくても、普通の漢方薬を組み立てることも素晴らしいのではないか、そのほうが体力づくり、「QOL(生活の質)の改善」にお役に立てるのではないかと思いました。


胃腸を丈夫にする漢方の生薬は、「甘味(かんみ)」で天然素材の甘い味で、苦いとか飲みづらいことはありませんので、そのことも、ご主人様に「スペシャル漢方ドリンク」として味見してもらいまして、納得のうえでお勧めしました。


足利学校

<栃木県足利市 「足利学校」 2006年12月17日撮影>






子宮頚部異形成の漢方対策

おはようございます。土屋です。

今日は、10月13日の何(ふ〜)先生の漢方相談会で、マンツーマンで教わったことのメモ書きです。

箇条書きでいきます。



白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)は、五行草(ごぎょうそう)の力が弱いときに、皮膚病に使う。

五行草は、皮膚病と腸に効く。

下痢の菌にも良い。


湿疹とは、「腸の汚いもの」が原因だから、腸をきれいにするものは湿疹に効果的。

五行草は、腸をきれいにするイメージ。

星火健脾散(せいかけんぴさん)と合わせると効果的。

星火健脾散は、平性で、胃腸を保護する。


アトピーの人は、冷たい牛乳をよく飲む。

大きなタンパクで、腸に負担がかかる。

冷たいから、腸の滞在時間も短い。


五行草がとってくれる。



インフルエンザの時期に、板藍茶(ばんらんちゃ)を涼解楽(りょうかいらく)に合わせて使う。



白花蛇舌草→皮膚表面の免疫細胞を強くする。

(もともとは、中国では白花蛇舌草は大腸ガンやリンパのガンなどに使用されている)



五味消毒飲(ごみしょうどくいん)は、夏の飲料。

黒砂糖を入れると、→体を温める、胃腸保護、養血。などの意味がある。


光州では、コカコーラよりも五味消毒飲飲料が売れている。

日本では、五味消毒飲+婦宝当帰膠などの組み合わせが考えられる。

土屋薬局では、婦宝当帰膠と組み合わせるといいでしょう。

(婦宝当帰膠は、その場合には、少量で良い)



子宮筋腫→活血化淤(かっけつかお)+白花蛇舌草

五味消毒飲+弓帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)も考えれる組み合わせ。


何先生の東京での相談の体験では、二人のお客様の子宮頚部の細胞異変(子宮頚部異形成)に、たとえば弓帰調血飲第一加減などの活血化淤に白花蛇舌草または五味消毒飲で、4A→1Aに(5Aはガン)なったので、とても喜ばれた。

二人とも、最初から「ガン」とは言わなくて、普通の漢方相談だったが、結果的にガンの恐れが消えて喜ばれた。


女性の子宮の病気は多い。



BBTが高めの相談。


天王補心丹(てんのうほしんたん) 心(しん)

潟火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう) 肝(かん)

潟火補腎丸(しゃかほじんがん) 腎(じん)


心肝腎(しんかんじん)の君火、相火を同時に抑えた結果、BBT(基礎体温)が下がって、おりものがいっぱい増えた。

40代の人で、とても喜ばれた。

金木犀

<2007年10月18日撮影 東根市神町 うどん屋さんで 「金木犀」 散歩していると秋の香りがしてきます>






血尿、遊走腎、つわりの漢方相談、急性骨髄性白血病によるFSH上昇

おはようございます。

薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。

今日の山形は秋晴れです。

日常の漢方相談をしていて、恩師のT先生からアドバイスを頂きましたので、ログしておきいたいです。



1)産後の血尿の漢方相談。小さい石が2〜3個。遊走腎もあります。


病院では特定の原因が分からなかった。また再発するのではと不安になります。


→私の処方は、利尿効果のある補腎薬と五涼華。


「腎の石だと生理的に血尿になります。

女性にはある症状です。

痛みもないのでまず心配することはありません。

利尿効果のある補腎薬と五涼華の組み合わせは効果的だと思います。

ほかには田七人参もちょっと加えられます。

疲れの問題、産後の疲れには参茸補血丸も。

出産後の気血不足は補血(ほけつ)のものを使う。

補腎と補血も大切」



2)つわりの漢方相談:


生理周期からいくと、今は5、6週目くらい。

つわりも昨日あたりから急にはじまりました。

とにかく胃腸が痛くて仕方ないのです。

夜中寝ている時も激痛で目が覚めます。

もともと胃腸は弱く、逆流性食道炎になったり、潰瘍になったりしやすほうです。

つわり、というよりは元々弱い胃腸がもっと傷んでいるようで心配です。


「香砂六君子湯がベースの基本方剤になること。

もしストレスなどもあるようでしたら、逍遥丸も対応可能。

養生というか心の構えとしては、これからは母親になるので強い意志を持つこと。

もどしても食べる。

吐き気があっても食べる。

少しずつ食べる、1日5〜6回くらい。

体力をつけることが大切です。

お母さんになるための辛抱です。


もし粉薬だとしたら、健脾散を三分の一ずつ少しずつ飲む。

トータル1日2包ぐらいにする。

心拍確認以降は、半夏瀉心湯(3〜4ヶ月くらい)のときに使える。

黄連、オウゴンも少し入れる方法もある。だけど苦いです。」



3)急性骨髄性白血病について


まず漢方では体力をつけることをメインにします。


心脾顆粒と生脈散の2つで、気血(きけつ)つまり、気と血(けつ)の両方を補うようにしていきます。

不可欠で必要。

1日各2包ずつの服用です。


中国の論文では白血病は心と脾を抑えることの重要性が示唆され、服用しているとだんだんと検査値も良くなってきます。

気血(きけつ)のもとを良くすることが大切です。

長期間、服用していきます。


FSHが高いことは、白血病の治療の抗がん剤によるものです。

その後、卵巣機能が戻る可能性もあります。

白血病の治療が落ち着くのならホルモンバランスも戻る可能性がある。


まずあわてないこと。

いまの治療中の期間の採卵は抗がん剤もあるので難しいかもしれない。


漢方で体力のフォロー。

血液検査値のフォロー。


そうすると卵巣も回復しやすい。


チャガを1日4錠、1回2錠×2回で漢方薬に併用していくと、すごく効果的で卵巣機能の回復、FSH対策に。

また白血病対策にもなります。


栗駒山の紅葉

<2011年10月10日 宮城県と秋田県、岩手県にまたがる栗駒山の紅葉。すごく混んでいました>







悪性リンパ腫の漢方相談のコツ

 

昨日、常連のお客様が「悪性リンパ腫になっちゃった」というご報告がありました。

 

悪性リンパ腫の場合には、治療中に抗がん剤の、リツキサンなどR-EPOCH療法のときに

 

  1. 手のしびれ、足のしびれなど
  2. 腎臓の抗がん剤の毒性から腎機能を守ること
  3. 大量のプレドニン(ステロイド)服用してパーンと血糖値が上がるので糖尿病の対策をすること
  4. 吐き気。食欲不振
  5. 口内炎など口の中が炎症を起こして食べられなくなること
  6. 夜の睡眠がうまくとれなくなること(不安だったり、大量のプレドニンで興奮状態になったり、または大部屋で喉への疾患の患者さんの場合にはイビキが凄いから)
  7. 寝たきりで足腰が弱ること
  8. 不安感や死への不安、絶望感など
  9. お金の問題
  10. 仕事を中断しなくてはいけなくなる、今後の生活の問題
  11. 白血球数の減少
  12. 便秘
  13. 抗がん剤による脱毛、ウイッグの悲しみ
  14. 夫婦間、家族間の問題

などなど、いろいろな関門がありますので、そこのところを漢方の知恵を上手に使って対処ていく方法もございます。

もし興味がございましたら土屋薬局まで悪性リンパ腫の漢方相談お寄せくださいね。



ご相談は、漢方相談室のフォーム
または ファックス(0237−48−1477)
お電話
(0237−48−2550、0237−47−0033)でお願いします。

山形の土屋薬局では、詳しくご相談をお受けしています。

遠慮なくお問い合わせください。

一緒にがんばりましょう。


月刊がん もっといい日

医療者と患者さんに信頼のある「月刊がん もっといい日」様にも、
「土屋薬局 中国漢方通信」のホームページが紹介されています。

その時の、インターネットの画像は、こちらです。

 土屋薬局のロゴ

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ガン(がん)の漢方アプローチ

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