痛み、しびれに中国漢方!


山形県東根市神町 鞄y屋薬局 薬剤師・国際中医専門員A級 土屋幸太郎



“痛み、しびれ”に中国漢方!


頭痛や上肢に流れるようなしびれがあったり、
ひざや腰の痛みで思うように歩けない時はつらいものです。
 
「鞄y屋薬局の紹介」でも触れましたが、
当店の立地環境は気象 条件の厳しい山形県の内陸部にあります。

ご存知の方も多いと思いますが、冬は雪が多く、夏は蒸し暑い気象条件です。
 

また農業に従事している方や、屋外で作業されている方も多いので、
どうしても「頭痛、肩こり、五十肩、腰痛、神経痛、リウマチ」などの
“痛み、しびれ”を訴えるお客様が目立ちます。
 
当店ではそのような環境で日頃から“痛み、しびれ”の漢方相談を数多く手掛けています。
 

“痛み、しびれ”の漢方相談に来店されるお客様に多いのは“病院に通ったが治らない、
また整体、マッサージ、鍼、温泉”などあらゆることをやって駄目だったという方です。

鎮痛薬で胃腸の具合が悪くなったという方もいます。
 

実際に土屋薬局での“痛み、しびれ”の漢方相談は、かなり効果の良いものです。
 
「肩こりが解消した、腰痛が治り歩けるようになってきた、
坐骨神経痛のつらいしびれが取れた」
などといった喜びの声も数多くあるのです。
 

ですから、当店のお客様たちばかりでなく、
このページをご覧になっている方にもそのことを伝えていきたいと思います。





痛み、しびれの一般的な対症療法


西洋医学では“痛み、しびれ”に対しては、
薬物療法、注射療法、コルセット、牽引療法、温熱療法、運動療法などを組み合わせていきます。

それぞれ“痛み、しびれ”が起こる部位により治療法は異なり、ひどい場合には外科手術をします。
 


薬物療法では、消炎鎮痛薬(痛み止め)が最も多く処方されます。

消炎鎮痛薬には、内服薬、座薬、外用薬があり、これらを使い分けていきます。

内服薬は、体の中で痛みを引き起こす化学物質を抑制します。

座薬は直接に腸から吸収され、効き目が強いので、痛みが激しいときは座薬を使用します。

外用薬にはシップ薬と塗布薬(クリーム剤、軟膏剤、液剤)があります。
 
消炎鎮痛薬などの痛み止めを用いれば、痛みやしびれは楽になりますが、
欠点は“痛み、しびれ”の根本原因を治していない
ことです。
 


これらの治療法は対症療法と呼ばれ、根本の原因が治らなければ、
長期間しびれや痛みに悩まされれることになります。

また胃腸の弱い方が強い鎮痛薬を長く使用したり、
座薬を使いすぎたりすると胃潰瘍を引き起こす恐れがあります。
 

これに対して中国漢方では、“痛み、しびれ”をどのように考えているのでしょうか?





「通じざれば、すなわち痛む」…中国漢方で考えるしびれ、痛みの原因


中国漢方では筋肉や関節のしびれ、だるさ、痛みなどを特徴とした病気を
「痺証(ひしょう)」といいます。 

肩こり、五十肩、腰痛、坐骨神経痛などは生じる場所は違いますが、
“しびれ”“痛み”などの共通点から、すべて痺証(ひしょう)というグループに属します。
 

痺証(ひしょう)の「痺(ひ)」という文字は通じない、塞(ふさ)がるという意味です。


体の気血(きけつ)の流れ(神経、血液の流れ)が何らかの原因によって、
障害を受けていることを指します。
 

例えば肩こりは筋肉の疲労により血行が悪くなることが原因ですし、
椎間板ヘルニアなどの神経痛は神経が強く圧迫されるために起こります。
 

血行不良であれば、体のさまざまなところに新鮮な酸素と栄養が行き渡りません。

酸素と栄養が供給されなれば組織は死んでしまうので、
本能的に“しびれ”“痛み”のサインを出すのです。


すなわち“しびれ”や“痛み”は、神経や関節・筋肉の悲鳴と言えます。


このことを中国漢方では「通じざれば、すなわち痛む」として、非常に重要視しています。





“痛みやしびれ”に悩まされやすい方は、体質が関係しています…「内因」


では、慢性の肩こりや腰痛、神経痛などに悩まされている方は、
健康な方に比べて何が違うのでしょうか?
 

一つには私たちの体質があげられます。

健康であれば、例えば屋外で風に当たったり、風雨にさらされたり、
梅雨時や寒冷前線の通過、冷房などの外部環境の変化にも、体は耐えられますし、
“痛み”“しびれ”は起こりません。


しかし、“普段から風邪を引きやすい、疲れやすい、寒がり、冷え性”などの虚弱体質の方は、
病気に対する抵抗力がないので、“痛み、しびれ”が起こりやすいと言えます。

さて、これらは体質に密接に関係しているので、中国漢方では「内因(ないいん)」としています。
 


「内因」には抵抗力が足りないほかに、老化により筋肉や骨が弱ってくることや、
ストレスが多く体のバランスが乱れたり、血行が悪いことや、冷たい物が好きで胃腸を弱めたり、
またはお酒や辛いものが好きといった日頃の嗜好なども関係している場合があります。 
 

中国漢方では、体質をとても重要視していますので、
それぞれの体質(内因)を見極めながら漢方薬を選ぶことになります。
 

“痛み、しびれ”を治す時には、漢方薬も大事ですが、
日頃の生活習慣を改めて、きちんと養生を積み重ねることも大切なのです。





仕事や生活環境も“痛み、しびれ”に多いに関係しています…「外因」
 

中国漢方では、“私たち人間は自然界における一つの存在であり、気候、
風土などに密接に関係している”
と考えています。

それらは「内因(ないいん)」に対して、外部からの要因なので「外因(がいいん)」とします。
 

例えば、雨降り前に頭痛がしたり、寒くなると腰痛、神経痛が起こる方がいますが、
これも自然環境に直接に影響を受けている証明となります。

農作業や屋外で働くことの多い方に、リウマチや神経痛が多いのはそのためです。

また屋内であっても、スーパーやクーラーの効き過ぎる職場で働いていても
しびれや腰痛に悩まされやすいです。 
 
山形県全体の地域性から考えてみると、冬は雪が降り、夏も蒸し暑いとなると、
“痛み、しびれ”のトラブルは暖かい地方よりも格段に多くなります。



最後にもう一つ、居住環境も大事です。


寝起きしている部屋の日当たりが悪かったり、ジメジメしていたら、これも病気になりやすいです。

これらの外部の環境により、左右されてしまうのは、体質が虚弱だからです。


本来、健康で体が丈夫でしっかりとしていれば、劣悪な環境に置かれても、
体は悪影響を及ぼす環境から身を守れるはずです。


つまり、前述した「内因(ないいん)」が根底に存在しているのです。


さて、体に悪影響をおよぼす自然環境を、中国漢方では「外邪(がいじゃ)」とよびます。
(外邪とは、外部の環境から来る悪い邪気(じゃき)という意味を持ちます)

外邪はその性質により、「風邪(ふうじゃ)」「寒邪(かんじゃ)」「湿邪(しつじゃ)」
「熱邪(ねつじゃ)」
の四つのタイプに分けられます。


また、それぞれの外邪により引き起こされる“しびれ、痛み”、これらは痺証(ひしょう)と呼ばれますが、
その外邪の種類によって、「風痺(ふうひ)、寒痺(かんぴ)、湿痺(しっぴ)、熱痺(ねっぴ)」と分類されます。


このほかに、しびれや痛みが長期化して骨や関節が変形した場合は、
なかなか治りにくいので「頑痺(がんぴ)」(頑固なしびれ、痛み)と呼びます。

では、最後に実際の中国漢方の治療法を紹介していくことにします。





“痛み、しびれ”の原因ごとの治し方


@ 「風痺(ふうひ)」



上半身に症状が目立ちます。

これは「風(ふう)」は軽く、舞い上がりやすいという陽邪(ようじゃ)の性質を持つからです。


人体において、上半身に“痛み”や“しびれ”があるときは、
風邪のことを念頭において弁証すると上手くいく場合が多いのです。


次に、風邪の特徴としては、“流れるようなしびれ感”や“痛み”の移動があります。

まるで風のように痛みやしびれが移動するので、先人たちは「風痺」という名前を付けたのでしょう。


治療法は、風邪の影響を跳ね除けるために、「葛根湯」「防己黄耆湯」などを使用します。
  
最近では、食用アリ製剤のイーパオ散通楽楽丸なども上半身の痛みに
良い効き目を上げています。



A「寒痺(かんぴ)」


強い痛みが固定した場所におこります。

寒さは、血行不良を招いたり、神経の流れを悪化させたり、筋肉が収縮してしまうからです。

これらは、冷えたり、寒くなってくると痛みが増すことから、
「寒痺(かんぴ)」と呼ばれています。


入浴したりして、患部を温めると痛みが軽減することも特徴です。

また一般的には、日中よりも夜間に痛みが激しくなり、関節を曲げることも容易でなくなり、
運動機能が阻害されてしまいます。


寒痺には、独歩顆粒、散通楽楽丸、婦宝当帰膠が用いられます。

血行不良が目立つときには、冠元顆粒田七人参を併用します。

なお、冷えがひどい時には、附子(ぶし)を併用すると良いでしょう。



B「湿痺(しっぴ)」


関節や体の重い感じがあり、痛みは固定していて、しびれ感がある場合もあります。
 
雨降りや、雪が降ったりして湿度が増すと痛みが激しくなることから、
「湿痺(しっぴ)」
と呼ばれています。


湿痺の特徴としては、、入浴などで体を温めると痛みが軽くなります。

これは湿邪(しつじゃ)が一時的に追い払われるからです。


湿痺の場合は、舌に白い厚い苔がつくことが多いです。


湿痺を改善していくには、独歩丸単独か、または勝湿顆粒星火温胆湯などを、
それぞれ独歩丸に併用していきます。



C「熱痺(ねっぴ)」


関節や筋肉が赤く腫れ、熱感を持ちます。

このほかに高熱や微熱が出たり、口渇、患部を冷やすと気持ちが良いなどの
特徴的な症状が見られます。


全般的に熱をイメージする症状が多いことから、この名前が付けられています。

また舌は赤く熱を持ち、苔は黄色くなることが多いです。



臨床上は、リウマチ性疾患などの膠原病の活動期によく現れます。

夏の暑い季節に痛みが起こりやすいという人もいます。

潟火補腎丸(しゃかほじんがん)にイーパオ(食用アリ製剤…アリは免疫を高め、経絡を通し、
“痛み”“しびれ”を楽にする)を併用するのが良い方法です。


なかなか改善しない場合には、独歩丸を体質に応じて併用することも考えられます。



D頑痺


病が長期化して骨や関節が変形して、治りにくいのが特徴です。

変形性膝関節症などが、これにあたります。

ほかの症状として、腰痛、めまい、耳鳴り、物忘れ、歩行困難などがあります。      


一番の原因は体の老化なので、木で喩えるところの根っこ(生命力)から、
体を丈夫にしていきます。


独歩丸海馬補腎丸(かいまほじんがん)などを基本として、あせらずにじっくり取り組みます。



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