第55回不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座に参加してきました。
山形県東根市神町大通り
土屋薬局 薬剤師・認定不妊カウンセラー(国際中医A級) 土屋幸太郎
📍2025年4月13日(日) コングレスクエア日本橋

■プログラム(一部抜粋)
生殖医療の基礎知識
・「生殖医療の基礎知識 ― 不妊症の原因と検査」
メディカルパークみなとみらい 菊地 盤 先生
カウンセリングとケアの基礎
・「『非匿名』精子バンクが目指す精子提供」
プライベートケアクリニック東京 伊藤 ひろみ 先生
生殖医療の基礎知識
・「男性不妊症診療ガイドライン2024」
順天堂大学 辻村 晃 先生
カウンセリングとケアの基礎
・「閉ざされた生殖医療によってもたらされた光と影 ― 生殖医療への新しい考え方」
諏訪マタニティクリニック 根津 八紘 先生
明日の生殖医療
・「卵子凍結の現状について考える〜世界の取り組みと日本のこれから〜」
六本木レディースクリニック池袋院 伴 政明 先生
・「不妊治療2.0 ― 不妊治療保険適用後の産婦人科診療ネットワークについて」
大阪大学 瀧内 剛 先生
・「カウンセリング 面接の基礎・基本Ⅱ」
九州大学 増田 健太郎 先生


■参加しての感想
今回の講座では、予想以上に多くの学びがありました。医師からの専門的なお話しに加え、当事者としての経験を語る講師の方々の内容にも強く心を打たれました。
なかでも、諏訪マタニティクリニック・根津八紘先生のご講演は、10年以上前にも聞いて感動した経緯があり、今回もぜひ直接拝聴したいと思っていたので、とても感慨深いものがありました。
■印象的だった話題
- 精子バンクの話題
演者の先生が、フランス滞在中にイギリスのクリニックを訪問し、デンマーク人のドナーの精子を用いた体外受精で2人の子どもを出産された経験。その背景には、日本では人工授精以外は認められない現実があり、精子バンク立ち上げの理由にもつながっていました。
- 根津先生のお話
提供卵子・提供精子・代理母・多胎妊娠への減胎手術についてのご意見、そして国への制度的申し入れなど、深く考えさせられました。
■個人的な思い出
結婚当初、妻と一緒に諏訪地方の温泉巡りをしたとき、偶然にも諏訪マタニティクリニックを見つけ、思わず二人で中をのぞいてみた思い出が蘇りました。温泉街の和菓子屋さんの塩饅頭も、とてもおいしかった記憶があります。

■その他の話題
- 精子バンク、卵子提供、代理母、男性不妊、卵子凍結など、近年のトピックが多く取り上げられていました。
- 大阪での不妊治療保険適用後の医療ネットワーク構築についても、とても参考になりました。
- 東京や福岡での卵子凍結に関する助成金制度が、今後の卵子バンク的な位置づけになる可能性なども。
■当日のリアルタイム投稿より(Xより抜粋)
「おはようございます。今朝は東京にいます。不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座に参加中。順天堂大学医学部 菊地先生の『不妊症の原因と検査』について学びます。」
「2番目は『非匿名』精子バンク。非常にシリアスなテーマです。」
「男性不妊症診療ガイドライン2024。肥満、喫煙、ストレス、晩婚化…精子は年々減少傾向。」
■気になったデータや見解
- 平成9年度→27年度で、男性不妊における性機能障害が3.7%→13.5%に増加。
- 精子数のピークは35歳?
- 日本では、4人に1人の男性が精子に問題あり。
- 精索静脈瘤、FSH値、精子DNA断片化率(DFI)、酸化ストレスも影響要因。
- 若年層(20〜29歳)の性機能低下や性欲減少も増加傾向。
- 男性のブライダルチェックや、婚活前のプレコンセプションケアの重要性も再認識。
■まとめ
今回は非常に内容の濃い1日でした。
現地でリアルに聞いた講演内容や学んだことを、今後の店頭でのカウンセリング・アドバイスにしっかり活かしていきたいと思います。

当日は生憎の雨模様で肌寒く感じた一日でした。東京はすっかりと葉桜へ。
こちらのコラムも参考になりましたら、幸いです。