はじめに:妊活とプレコンセプションケアの重要性
2025年5月18日(日)、東京・千代田区の一ツ橋ホールにて「日本不妊カウンセリング学会第24回学術集会」が開催されました。今回のテーマは「プレコンセプションケア」。
プレコンセプションケアとは、妊娠を希望する前から心と身体の状態を整え、将来の妊娠・出産に備えるヘルスケアのことです。
プレコンセプションケアの対象は約300万人?
近年、日本では少子化が進む一方で、不妊治療を受けるカップルや妊娠を望む人の数は増えています。
この日、会場では「不妊治療中のカップルに加え、妊娠を希望する予備軍まで含めると、約300万人がプレコンセプションケアの対象になるのではないか」という話も出ていました。
不妊治療までに平均5年?年齢リスクと妊娠率の現実
印象的だったのは、「不妊治療を意識するまでに約3年、実際に治療を始めるまでにさらに2年かかる」という現実。つまり、結婚から不妊治療開始まで平均5年。第一子を妊娠・出産する頃にはすでに38歳前後ということになります。
その後、第二子を希望して治療を再開する頃には40歳を超えており、年齢による妊娠率の低下という現実が立ちはだかります。
自然妊娠の確率は5%?妊娠率を知ることが「妊活の第一歩」
もうひとつ、重要な指摘がありました。それは、多くの方が**「自然妊娠の確率は非常に低い(5%)」という事実を知らない、ということです。
クロミッドなどの排卵誘発剤を使った人工授精でも、妊娠率は1回あたり5%程度。
この5%を6回繰り返しても、妊娠に至る確率は20〜25%程度にとどまります。
このような「確率的な妊娠」のリアルな数字**をもっと周知していくことが、妊活支援の第一歩だと感じました。
35歳が妊娠率の分岐点?「女の運命は38度線」からの変化
以前は「女性の妊娠年齢の節目は38歳」と言われ、「女の運命は38度線」などと表現されてきました。
しかし近年では、「妊娠率が落ち始めるのは35歳から」という認識が広がっています。
ちょうどこの「35歳」という年齢は、中医学でいうところの「女性の7の倍数:7×5=35歳」にも一致します。
東洋医学の考え方と最新の生殖医療の知見がリンクしていることに驚きを感じるとともに、改めて妊活には年齢に対する正しい知識と早めの行動が重要だと実感しました
中医学の「未病」とプレコンセプションケアの接点
中医学には「未病(みびょう)=まだ病気ではないが、将来の不調を予防する」という考え方があります。
まさにこの「未病」は、現代医療のプレコンセプションケアと重なります。
妊娠を希望してから慌てて体を整えるのではなく、日々の生活習慣や体調管理(養生)こそが、妊娠力を高める鍵なのです。
土屋薬局の取り組み:妊娠力アップの身体づくり
当店でも、「妊娠力アップの身体づくり」をテーマに、リンクむらやま等で妊活セミナーや個別相談を行っています。
今回の学会参加を通じて、これまでの活動にさらに自信を持つとともに、妊活に悩む方々のお役に立てるよう、中医学×現代医学の知恵を活かしていきたいと改めて感じました。
おわりに:妊活に必要なのは「知識」「行動」「継続」
妊活は、単なる「治療」だけではなく、「準備」「予防」「心身のケア」が重要な時代に入っています。
プレコンセプションケアや年齢に対する正しい知識を持つことが、未来の妊娠・出産への第一歩です。
これからも、土屋薬局では皆さまの妊活をサポートしてまいります。
薬剤師・認定不妊カウンセラー・国際中医専門員 土屋幸太郎
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