40代・高齢不妊でも諦めない妊活のヒント
40代になると「妊娠のハードルは高い」と感じる方が多いですが、可能性がゼロになるわけではありません。
実際、昔は45歳で自然妊娠・出産している女性も少なくありませんでした。
漢方には「月経周期ごとに体を整える周期療法」という方法があり、卵子の質や子宮環境を高めていくサポートが可能です。
今回は、仙台で東京医科歯科大学婦人科医・別府先生から学んだ内容をもとに、40代妊活を逆転するための漢方的アプローチをご紹介します。
漢方周期療法シリーズ前話リンク
第一話「不妊症と漢方周期療法|第1話 生理周期と基礎体温の活用」
第二話「不妊症と漢方周期療法|第2話 基礎体温と体質改善のヒント」
月経周期の4つの期間と簡単な説明
| 周期 | 説明 | 代表的な漢方薬 |
|---|---|---|
| 月経期 | 月経が始まる時期。体を休め、血や子宮内膜をリセットする期間。 | 当帰製剤、丹参製剤、ピクノジェノール+肉桂製剤 |
| 卵胞期 | 卵胞が育つ時期。卵子の準備と子宮環境を整える期間。 | 人参鹿茸製剤、当帰製剤 |
| 排卵期 | 卵子が排卵される時期。妊娠の可能性が最も高い期間。 | 丹参製剤、理気活血作用のある処方(芎帰調血飲第一加減など) |
| 黄体期 | 排卵後、受精卵を迎える子宮内膜を整える時期。黄体ホルモンが活躍する期間。 | 当帰製剤、プラセンタ、マカ |
女性の体は月経周期ごとに変化します。
漢方周期療法では、この周期に合わせて漢方薬を使い分け、妊娠しやすい体を作っていきます。
漢方周期療法とは?
女性の月経周期に合わせて、体質や血流、ホルモンバランスを整える漢方療法です。
周期ごとに使う漢方薬を変えることで、卵子の質や子宮環境を改善します。
周期ごとの基本漢方
- 養血調経:当帰製剤(血を補い、月経リズムを整える)
- 補腎薬:人参鹿茸製剤(腎の働きを補い、卵巣機能を高める)
- 活血化瘀(血流改善):丹参製剤、芎帰調血飲第一加減、田七人参、ピクノジェノール+肉桂製剤

漢方で月経周期を整えることは、妊活の体質改善に重要です。卵胞期・排卵期・黄体期に合わせて体をサポートする方法を示しています。
不妊症の背景には「瘀血(おけつ=血流の滞り)」があることが多く、周期療法ではこの改善が重要です。
PMSやストレスへの対応
生理前のイライラ、胸の張り、下腹部痛などのPMS症状は、周期療法で改善することが多いです。
ストレスはプロラクチン値を上げ、排卵や着床を妨げる要因となります。
- 麦芽を炒ったものを用いると、プロラクチン値が20から6に下がった例もあります。
- PMSのイライラは「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼ばれ、リラックス養生が大切です。
排卵期・生理期のサポート
- 排卵期:丹参製剤(丹参が排卵促進を助ける)
- 生理期:丹参製剤、ピクノジェノール+肉桂製剤、芎帰調血飲第一加減
- 痛みが強い場合:ピクノジェノール+肉桂製剤(内膜症や卵巣嚢腫にも使用)
「いい卵」ができれば、黄体も良く働きます。卵の質を高めるために、プラセンタを併用することもあります。
妊娠後のケア
妊娠したら「流産予防(安胎法)」が大切です。
- 当帰製剤を中心に体を温め、血流を整える
- 必要に応じてマカを補助的に使用
40歳を過ぎても妊娠の可能性はある
40代の妊活は簡単ではありませんが、漢方周期療法を通じて血流やホルモン環境を整えれば、妊娠の可能性は十分に残されています。
一方で「不妊治療をやめたいが、医師からその言葉を待っている」という方もいます。妊活は体のケアだけでなく、心の支えも大切です。
まとめ
- 漢方周期療法は「月経周期ごと」に漢方薬を使い分ける妊活法
- 当帰製剤・丹参製剤・人参鹿茸製剤・ピクノジェノール+肉桂製剤などがポイント
- PMSや痛みの改善にも有効
- 40歳を過ぎても妊娠の可能性は残されている
妊活に行き詰まっている方も、まずは体のリズムを整えることから始めてみませんか?
👉 漢方による妊活相談は、ぜひ土屋薬局へご相談ください。
2005年当時のブログもそのまま掲載します。
漢方薬の不妊症へ、月経周期ごとに漢方薬を使い分ける周期療法のポイント
○基礎
養血調経…婦宝当帰膠
○補腎活血(ほじんかっけつ)が周期療法のポイント

補腎薬は、参茸補血丸(さんじょうほけつがん)が代表。
活血化淤(かっけつかお)は、冠元顆粒、芎帰調血飲第一加減、田七人参、爽月宝などを各種弁証の上、漢方処方。
…
不妊症の100㌫に瘀血(おけつ)があった。
(注:淤血のことはホームページの「瘀血度チェック」に詳しいです)
瘀血を解消することは大切です。
…
生理前のイライラをとることも大切。
麦芽を炒ったものでプロラクチン20くらいが、6に下がった。
(注:イライラとはストレスなので、漢方では肝気鬱結(かんきうっけつ)と言って、プロラクチンなどのストレスホルモンが上がりやすいので、リラックスが大切です)
……
排卵期のときには、冠元顆粒が良い。
(注:冠元顆粒の主成分の丹参(たんじん)が排卵促進に有効です。中医学的には、理気活血(りきかっけつ)を排卵期に用いると効果的ですから、冠元顆粒の理気活血作用は好都合です)
……
生理のときには、冠元顆粒や爽月宝、弓帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)がよい。
爽月宝は、卵巣嚢腫や浮腫みなどにも良い。
……
いい卵ができれば、黄体が良くなる。
プラセンタ(当店ではオリヂンP)は、卵がよく育つ。
……
麦芽を炒ったもの…基礎体温が良くなる。
……
生理前のニキビは、周期療法で治ることが多い。
生理前のイライラや胸の張り、下腹部痛などのPMSの症状も周期療法が効く。
……
爽月宝…痛みに。
(注:女性の人は、内膜症や卵巣嚢腫など痛みを訴えることがありますので、「痛み」の自覚症状を軽減することは、大切な目標です)
……
妊娠してからは流産を防止する安胎法(あんたいほう)
婦宝当帰膠を中心に。
マカもよく使う。
……
ハードルは高いが、40歳を過ぎても妊娠する可能性はある。
昔は避妊など普及していないときには、45歳でも妊娠して出産している人がけっこういた。
ただし不妊治療を止めたくて、婦人科医にそのことを言ってもらうことを待っている人もいる。
……
抗精子抗体
→体外受精が良い。
抗リン脂質抗体→小児用バファリン
以上です。
3回シリーズの仙台での南東北中医薬研究会の不妊症周期療法の漢方勉強会のシリーズ終りです。
💡 このシリーズは以下も合わせてご覧いただくと理解が深まります:
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