こんにちは、土屋薬局の薬剤師・認定不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
今日は、妊活中の女性にとって重要なテーマである「タイミング療法と漢方薬の併用」について、詳しくお話します。
「クロミッドを飲んでいるけど妊娠しない…」「子宮内膜が薄くなると言われた…」といった不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実際、漢方薬は西洋薬の副作用を補い、より妊娠しやすい体づくりを助けることができます。今日はその中でも、「卵巣機能不全」や「卵巣機能低下」のケースで、漢方がどう関われるのかをご紹介します。
タイミング療法と排卵誘発剤(クロミッド)の併用について
タイミング療法では、排卵のタイミングに合わせて性交を行うことで妊娠を目指します。その際に使われる排卵誘発剤の代表的なものがクロミッドです。
クロミッドは、排卵を促す効果がある一方で、以下のような副作用もあります:
- 子宮頚管粘液の分泌量が減る
- 子宮内膜が薄くなりやすい
そのため、排卵率は上がっても、妊娠率が必ずしも高くなるわけではないというジレンマがあります。
漢方薬で期待できる6つの作用
当帰(とうき)などを主成分とする婦人科向けの漢方薬には、以下のような薬理作用が確認されています:
- 増血作用(血を補い、巡らせる)
- 女性ホルモンの調整作用
- 卵巣機能の改善・卵胞の発育促進
- 子宮内膜の改善作用
- 鎮痛作用(月経痛など)
- 微小循環の促進(末梢の血流改善)
とくに注目したいのは、性腺軸(視床下部─下垂体─卵巣)への影響です。漢方薬には以下のような働きが見られます:
- 卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌促進
- 黄体化ホルモン(LH)の分泌促進
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌促進
- 子宮内膜の増殖・分泌促進
これらの効果により、排卵がよりスムーズに、子宮内膜がふかふかに育ちやすくなり、妊娠の可能性が高まります。
クロミッドと漢方薬は併用しても大丈夫?
お客様から以下のようなご質問をいただくことがあります。
「周期5日目からクロミッドを飲むことになりました。漢方薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?」
→ はい、基本的には併用可能です。
むしろ、漢方薬にはクロミッドの副作用(子宮内膜の薄化・頸管粘液の減少)を緩和する働きがあるため、併用によってより妊娠しやすい体質に近づくことが期待できます。
とくに「月経周期療法(排卵前・排卵後で使い分ける漢方)」を行うと、以下のような変化が見られます:
- 排卵期のおりもの(頸管粘液)の質・量の改善
- 子宮内膜の厚みの改善
- 冷え・月経不順などの体質改善
また、麦芽(ばくが)を炒ったものも頸管粘液の改善に有効とされ、中国の中医師の間でも活用されています。
実際のお客様の声
最近、当店のお客様よりこのようなご報告をいただきました。
「クロミッドを5周期ほど使用していますが、子宮内膜の状態は良く、排卵も順調です。デュファストンも併用していて、月経周期療法の漢方を飲み始めてから、妊娠の確率が高まっているように感じています。本当に嬉しいです!」
こうしたお声は、私たちの励みになるとともに、同じように悩んでいる方へのヒントにもなると思います。
まとめ|妊娠しやすい身体づくりには「漢方×タイミング療法」の併用を
妊活は、心と体の両方のバランスが大切です。
タイミング療法やクロミッドの服用を行っている方には、ぜひ漢方薬の併用もご検討いただきたいと思います。
お一人おひとりの体質や周期に合わせたオーダーメイドの漢方提案を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
📩 お問い合わせ・漢方相談はこちらから
▶ https://tutiya-yakkyoku.jp/kodakara/
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🍽️日常のひとコマ|シチュー作りをお手伝い
休日には、4歳の息子がシチュー作りをお手伝いしてくれました。にんじんと玉ねぎの皮むきに挑戦し、しめじも1本ずつほぐしてくれました。包丁を使って玉ねぎを切ったり、ピーラーでにんじんの皮を上手にむいたりと、なかなかの腕前です。
野菜が苦手な息子ですが、シチューなら「ううううまい!」とぺろり。お手伝いしながらの食事は、格別だったようです。子どもの成長って、こうした日常の中に詰まっているんですね。