
こんにちは。
山形県東根市・土屋薬局の
薬剤師・認定不妊カウンセラー・国際中医師の 土屋幸太郎 です。
「喉の奥に、いつも何かが貼りついている感じがする」
「鼻水なのか痰なのかわからないものが、上から落ちてくる」
後鼻漏(こうびろう)のご相談では、こうした表現をよく耳にします。
今回は、後鼻漏とドライマウス、さらに耳鳴り・急性低音障害型難聴まで重なっていた方の、漢方相談の経過を記録として残します。
(※一例であり、同様の結果を保証するものではありません)
ご相談の背景|後鼻漏とドライマウスが続く日々
ご相談を始められたのは、今年の4月。
- 後鼻漏が続き、常に痰が喉に絡む感じ
- 鼻水が後ろに落ちてくる
- 口蓋にペタッと貼りつくような不快感
- ドライマウス(口腔乾燥)
- 耳鳴り、急性低音障害型難聴の既往あり
お隣・仙台の大学病院口腔外科では、
- 五苓散
- 唾液分泌を促す薬
- スポンジ治療(スポット治療)
などを試されました。
また、
昆布をペットボトルに入れて冷やし、旨味で唾液を出す養生法なども工夫されていましたが、
「はっきりした改善は感じられなかった」とのことでした。
なお、シェーグレン症候群は否定されています。
少しずつ、体質を整える方針へ
後鼻漏やドライマウスは、「鼻だけ」「口だけ」の問題として扱われがちですが、実際には 体全体のバランス が深く関係していることが少なくありません。
2週間ごとに状態を確認しながら、後鼻漏とドライマウスの体質改善を目的とした漢方相談を継続していきました。

変化が出てきた頃(7月27日)
「1週間ほど前から、後鼻漏が楽になってきました」
そう話してくださいました。
- 朝起きたとき、上から落ちてくるベタつきが減少
- 一日中続いていた痰の絡みが、常時ではなくなった
- 喉に落ちる痰が明らかに少ない
- 後鼻漏が楽になるにつれ、ドライマウスも気にならなくなってきた
- 耳の聞こえが戻り、耳鳴りも静かに
- 舌の状態や顔色を「明るくなった」と言われるように
食欲やお通じは変わらず、全体として体調が底上げされてきた印象でした。
後鼻漏・ドライマウスを中医学ではどう考えるか

中医学では、後鼻漏や慢性鼻症状の背景として、
- 肺気虚
- 脾気虚
- 腎虚
- 風邪(外邪)の影響
などを重ねて考えます。
後鼻漏(蓄膿症傾向)では、
- 肺経風熱
- 胆腑鬱熱
- 脾胃湿熱
といった 「熱」や「湿」の偏り が関与することも多くみられます。
また、ドライマウスについては、
- 加齢
- ストレス
- 自律神経の乱れ
- 体液(津液)の不足
など、単純に「唾液だけ」の問題ではない場合が少なくありません。
今回のケースから感じたこと
後鼻漏が落ち着いてくると、ドライマウス、耳鳴り、全身状態まで一緒に整ってくる。
これは、体を部分ではなく「全体」で整えた結果 だと感じています。
「年齢のせい」
「体質だから仕方ない」
そう言われがちな症状でも、整え方を変えることで、体はきちんと反応してくれることがあります。
まとめ|後鼻漏・ドライマウスで悩む方へ
- 喉に落ちる痰がつらい
- 後鼻漏が続いている
- ドライマウスや耳の不調も重なっている
- 検査では大きな異常がない
このような方は、「体質から整える」という視点も、一つの選択肢になるかもしれません。
同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです🍒











