こんにちは。薬剤師・認定不妊カウンセラー・国際中医専門員(中国政府認定A級)の土屋幸太郎です。
先日、2006年に中国・武漢の湖北中医学院で学んだ頃のノートを読み返していました。
当時、不妊症や婦人科疾患について現地の先生方から直接講義を受ける機会がありました。
今回は、その中から子宮内膜症と子宮腺筋症についての内容をご紹介します。

2006年11月3日 中国・武漢の湖北中医学院にて。中医婦人科や不妊症について学びました
※当時のノートでは「淤血」「活血化淤」と記載されていましたが、現在は「瘀血」「活血化瘀」という表記が一般的です。本記事では現在の表記に統一しています。
湖北中医学院で学んだ子宮内膜症
当時の講義では、
- 不妊症女性の約25%に子宮内膜症がみられる
- 香港や中国でも増加している
- 10代でも増えている
- 強い生理痛は重要なサイン
と説明されていました。
また、
- チョコレート嚢胞
- 性交痛
- 慢性的な骨盤痛
なども特徴として挙げられていました。
20年前の講義ですが、現在の日本でも共通する部分が多いように感じます。

2006年、中国・武漢の湖北中医学院にて。不妊症や子宮内膜症、子宮腺筋症に関する講義を受講しました。
子宮腺筋症と「瘀血(おけつ)」
続いて子宮腺筋症についてです。
講義では、
「瘀血内阻(おけつないそ)」
という考え方が紹介されていました。
中医学では、血液の流れが滞った状態を「瘀血」と呼びます。
子宮腺筋症や子宮内膜症では、
- 気滞血瘀
- 気虚血瘀
- 腎虚血瘀
- 寒凝血瘀
などの状態がみられると考えられていました。
破瘀散結(はおさんけつ)という考え方
当時の講義で印象に残った言葉が、
「破瘀散結(はおさんけつ)」
です。
これは、
「滞った血の流れを改善し、しこりや塊を散らしていく」
という中医学の考え方です。
そのため、
活血化瘀(かっけつかお)
という方法が重要になると説明されていました。
講義では、
子宮腺筋症や子宮内膜症では、周期の初めから終わりまで活血化瘀を行う
という考え方も紹介されていました。
当時紹介されていた生薬
講義では、
- サソリ
- ムカデ
などの生薬も紹介されていました。
また、日本でも比較的なじみのある生薬として、
- 莪朮(がじゅつ)
- 三稜(さんりょう)
が挙げられていました。
これらは古くから活血化瘀に用いられてきた生薬です。
当店で取り扱っている漢方食品の中にも、莪朮や三稜が配合されているものがあります。
現在の漢方相談で大切にしていること
2006年の講義では、子宮内膜症や子宮腺筋症に対して強い活血化瘀が重視されていました。
一方で、30年近く漢方相談を続けてきた現在の私は、
- 生理痛の程度
- 月経量
- レバー状の血塊の有無
- 冷え
- 貧血傾向
- 疲れやすさ
- 睡眠状態
- 妊活の状況
などを総合的に確認しながら漢方を考えています。
実際には、
瘀血だけではなく、
- 気血不足
- 腎虚
- ストレスによる気滞
などを伴う方も少なくありません。
そのため、体質全体をみながら漢方を選ぶことが大切だと感じています。
20年前の中国留学ノートを読み返して
武漢で学んだのは、もう20年前になります。
当時のノートを読み返してみると、今でも参考になる内容がたくさんあります。
子宮内膜症や子宮腺筋症は、生理痛や月経過多だけでなく、妊活にも関わることがあります。
これからも学び続けながら、漢方相談に活かしていきたいと思います。
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