猫柳(ネコヤナギ)

03/04/25



03/04/25 12時40分撮影
土屋家の裏庭駐車場を眺める千成寿司さんの飼い猫
撮影者:土屋幸太郎


太ってしまいました。

原因は分かっています。

運動不足と飲酒です。

この前、居酒屋さんで呑んでいたときに、
そこのお店を経営している若夫婦に 「幸太郎くんは、顔が丸くなったね」といわれ、
うすうす気が付いていた私はショックを受けたのでした。

とどめが、私の隣の席に座っていた友人夫妻が、
「ホームページのプロフィールの写真と顔が違う〜」と言われまして、
ダブルパンチを食らった私は、決意したのでした。

まさに「春だからダイエット」でございます。


三爽茶というダイエットをするお茶を当然飲むとして、
トレーニングと食事のカロリー制限が必要になります。

仕事が忙しいので、スポーツジムに行ったり、
プールで泳ぐという時間がとれそうにありません。

@気軽 Aいつでもどこでも実行できる B金がかからない C「ながら」でもOK
このような条件を満たすものを探しました。


縄跳びとチューブです。

山形には、カスカワという有名スポーツ店がありますので、
そこで縄跳びとチューブをゲットしてきました。


私は、神町中学校と東根中部小学校の学校薬剤師をしていますから、
生徒さんたちの体力向上の作戦を知っています。

それは、縄跳び。。。

地味できついが やりがいがあります。


昼食後に、20〜30分間 背筋を鍛えるストレッチを交えながら、
ブンブン飛びます。

場所は、お客様やみんなに見られると とても恥ずかしいので、
私が住む家のガレージや 土屋家専用の駐車場で縄跳びを実行します。

始めた当初は、何事もなく、私は空を見たり、風を感じたり、
スズメなど鳥たちの鳴き声を聞きながら、縄跳びしていました。


しかし、最近は ギャラリーがいるのですよ。


隣の家の御寿司屋さんの飼い猫

今日も、昼食後に縄跳びをしました。


ブンブン。

ブンブンブンブン。


縄跳びが空を切り、風が鳴ります。

すると、彼は登場してきます。


隣の家の塀伝いから、ゆっくりと歩いてきて、
背中を上げて そしてちょこんと私が縄跳びをする前で座って眺めるのです。


しばらく、そうですね、せいぜい5分間くらいですかね、
私の縄跳びをじっと見ています。


飽きると、ふわふわあ〜という感じで立ち上がり、
のしのしと自分の家に帰っていきます。


猫は、かわいいものです。


そういえば、今朝は 近所の石塚床屋さんに散髪に行きました。

石塚床屋さんには、チーちゃんとレオくんの2匹の猫がいます。


冬は、ストーブの上でじっと昼寝(いや、朝寝か??)をしています。

うらやましいです。

私も 一度でいいから、飼い猫になってみたい。


またまたそういえば、私は東鳴子温泉のファンであります。

日本で一番素晴らしいと思う東鳴子温泉ですが、
その中でも素晴らしいと思うのは、いさぜん旅館


初めて入った炭酸泉は、カラダ中が あわあわになり、
体毛全部に気泡のあわあわがつき、びっくりしたものでした。

じっとお湯に身をしずめていると、ただただ天然の恵みを味わうのみになります。


湯治宿ですから、おじいちゃんなどのお客様たちと一緒に入浴し、
会話を楽しみます。


「へー、山形から来たのかい?今日は、泊まっていくの?」

「いえ、帰ります」

「もったいない。俺は、毎年この時期にくるけど、2週間は泊まっていくよ」


ああ、素晴らしいお湯と素晴らしい環境。



いさぜん旅館さんや鳴子の温泉街は、
50年以上前は 東京の空襲を避けた疎開の場所に選ばれていました。

いさぜん旅館さんで入浴後に、ソファーでくつろぎますと1枚の写真が飾っているのに気がつきます。

湯治の、違います、当時の少年、少女や学校の先生たちが
いさぜん旅館の前で撮影した写真を見ていると、先人たちの苦労を思い、
がんばろうという気になります。


そんなとき、ふと横を見ると、のんちゃんがいて、ふわーとあくびしています。

(ここには、もう一匹猫がいて、その子もかわいいのです)

湯治宿の飼い猫も可愛いものです。

時間の流れ方が違うのですよね、東鳴子は。。。

1日が26〜27時間の感覚で、まったりとした気持ちのいい時間が過ぎていきます。





おやおや、ダイエットの話が、、猫の話に。。

ダイエットの話は、いつか機会がありましたら続編をすることにして、
すすめていきます。



これは、雪柳。

山形空港の周りには、いっぱいあります。

東根ジャスコの周りにもあります。

きれいなものですね、雪柳とは
よくぞ名付けたものですね。





本題に入ります。猫柳です。

2003年4月13日に撮影しました。

鳴子へ行く途中の道、山刀伐(なたぎり)峠で偶然に見つけました。


猫柳は、フキノトウや福寿草などとともに、
早春の使者として有名です。

数年前に、山形新聞の「歳時記」のなかで
猫柳の写真を見たときには、私自身もいつかは猫柳を見つけて
漢方コラムに載せてみたいと思っていました。


ただし猫柳を見つけるのは、困難であり、
生薬探しのレベルでいうと、かなり難易度は高いです。


@ 川沿いに生育する A早春という季節性がある


「@ 川沿いに生育する」これが問題です。


野田知祐さんの「日本の川を旅する」ではありませんが、
自然破壊により堤防ばかりの河川流域が多いですので、
手付かずの自然を探すのが難しいのです。

またふだんから、渓流釣りなどを趣味とされる方でしたら、
猫柳を発見する機会も増えると思いますが、
私は釣りをしませんし、住んでいるところは住宅街ですので、
流域沿いの自然の移り変わりには疎いのです。


この日は、早朝6時に家を出発しました。

最初は東根市内の白水川、野川と川沿いの道路を車で流しましたが、
やはり当然というか 猫柳は見つけることができませんでした。

あげくのはてに、白水川ダムに行く途中の道路は、
土砂崩れで封鎖されていました。


次にアタックしたのは、最上川三難所そば街道沿いです。

景色はきれいだし、山々や町中の残雪に目を奪われ、
ここは素晴らしいところだと感慨深かったのですが、ここも撃沈です。



2003年4月13日撮影 そば街道おんどりそばの駐車場から撮影です。
素晴らしい景色です。村山は偉大です。
漢方コラム「最上川三難所そば街道(そばの花)」も参考にしてください。




やはり「猫柳」を探すのは難しいのです。


最後は、最上川沿いです。私の好きな大石田の最上川です。

フキノトウやツクシ、水芭蕉などの春らしい風景は撮影できたものの、
やはり猫柳はありませんでした。


幻の猫柳。


「A早春という季節性」は、当然ながら桜のように誰でも知っていて、
目立つものではありませんから、タイミングを逃すと
もう1年間待たなければなりません。


福寿草フキノトウと一緒です。


さて、そんなわけで猫柳は 「きっといつの日か、撮影を。。」とあきらめたのですが、
東鳴子の「いさぜん旅館」に行く途中の道
山刀伐(なたぎり)峠を車を走らせていたら、
ふわふわした銀色の宝石のような猫柳が左側に見えてきたのです。


ちなみに、山形県の尾花沢から赤倉温泉を通り、鳴子へ向かう道
山刀伐(なたぎり)峠では、猫柳は たったの3本しか発見できませんでした。


真面目な話、難易度が高いです。

被写体も小さいので、撮影も難しかったです。。





山の際(ま)に雪は降りつつしかすがに この河楊(かはやなぎ)は萌(も)えにけるかも
坂上郎女(万葉集、巻十、1846)



○ネコヤナギ ヤナギ科 別名 カワヤナギ、エノコロヤナギ


雌雄異株の落葉低木。


樹高は、2〜3mになり、枝が立ち上がる型と横に伸びる型とがある。

春まだ浅い頃、葉に先立ってふくよかで柔らかな銀白色の尾状花序(花穂)をつける。


ネコヤナギの名の由来は、この花穂に密生する絹のような毛を、猫の毛に見立てたものである。

やがて雄花は、赤い葯から黄色の花粉を出す。


世界に約400種類あるヤナギの仲間の薬効は、古くから知られる。

中国の古典には、柳の枝でつくった楊枝を歯痛に使うとの記載がある。


医祖 ヒポクラテスは、柳の樹皮を解熱、鎮痛に用いたという。

ギリシャ本草書ディオスコリデスの薬物書にも 「柳の葉を砕いて少量の胡椒とブドウ酒とともに服用させると、歯痛に苦しむ患者によく効く」とある。

樹皮に多く含まれる有機成分のサリシンは、医薬品アスピリンの母体となった。


「四季を彩る薬草の花」 美寿実出版部より




薄氷の枝にもまとふ猫柳   中村汀女
激つ瀬は又猫柳光るところ   山口誓子




○早春に花をつける木 ネコヤナギ


「猫柳ほゝけし上にかかれる日 虚子」


野山を吹き渡る風がまだ残る川辺に、可憐な芽をぽっかりつけるネコヤナギ。

厳しい冬の試練に耐え、季節を忘れずに芽吹くその姿からは
やさしいほほ笑みさえ感じられて、いっそう自然の営みの尊さを教えてくれます。

春を告げる柔和な太陽の日差しや、
ネコヤナギのけなげな姿についだまされて川の中に入り、
水の意外な冷たさに驚くのもこのころです。

生け花の素材にも欠かせません。


○春に白い絹毛の花がつく


日本各地の川沿いによく見かける落葉性の低木。

春の風物詩として昔から親しまれ、
枝に互生する細長い だ円の葉の裏側には 灰白色の毛があります。

花は3〜4月に葉の出る前に咲き、花穂に美しい白い絹毛が密生しています。

変種のクロヤナギは花穂全体が黒く見え、枝や葉には毛がなく、
雄株だけが一般に知られています。


○ネコヤナギの仲間


同属の種類は多く、東京の街でも見かけるシダレヤナギ、
昔、衣類などを入れる行李を編んだ朝鮮原産のコリヤナギ、
中国原産のウンリュウヤナギなどがよく知られています。

このほか樹形がまっすぐ立ち上がってみえるタチヤナギ、
あでやかな名前のついたフリソデヤナギ、利用価値のないイヌコリヤナギ、
高山地帯に小低木として 生育するタカネイワヤナギなどと仲間が多いのです。


「新編 庭木の選び方と手入れ辞典2」主婦の友社より




「旅心 我に漂う 山刀伐峠」 幸太郎





「盗賊の 足音聞こゆ 猫柳」 幸太郎


○ ネコヤナギ(猫柳) ヤナギ科 別名 エノコロヤナギ


各地の山野の水辺などに自生する落葉低木。

下部からよく枝分かれし、高さ1〜3mになる。

早春の銀白色の花穂を観賞用としても栽培もする。

葉は有柄で互生し、長さ7〜13mの長楕円形。

3〜4月、葉が出る前に長楕円形の尾状花序をつける。

雌雄異株。

雄花序は長さ3〜6cm、雌花序は長さ2・5〜4・5cm。


用途 庭園樹、切花

分布 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ウスリー

「身近な樹木 著者 菱山忠三郎 主婦の友社」より








「春光や 銀に輝く 猫柳」 幸太郎


碇ヶ関の猫柳」もご覧になって頂ければ、嬉しく思います。(04/05/11追記です)