坐骨神経痛と漢方:寒さ・湿気・低気圧から身体を守る中医学的アプローチ

坐骨神経痛痛み、しびれ

2025年2月13日

坐骨神経痛にも効果的な漢方の活用。~寒さ、湿気、低気圧から身体を守ろう~

最近、冬場の影響もあり、寒さから痛みやしびれなどの悪化をまねているお客様が増えています。

また梅雨時などの湿気や蒸し暑さからも痛みやしびれ、坐骨神経痛になる方も大勢います。
秋になると、線状降水帯や台風の影響で低気圧から、頭痛やめまい、だるさ、神経痛などの症状を感じる方が多いです。

これは中医学(中国漢方)において「風寒湿(ふうかんしつ)」の邪気が体に影響を与えるためと考えられています。

低気圧が引き起こす体の不調

人間の体には、生まれつき備わった抵抗力(生気)があり、それが十分にあると邪気の影響を受けにくいのですが、体力が低下していると外邪に負けやすくなります。
特に、坐骨神経痛や膝痛などの慢性的な痛みを抱えている方は、低気圧の影響を受けやすい傾向があります。

中医学における痛みの概念:痺証(ひしょう)

中医学では、坐骨神経痛などの痛みやしびれの症状を「痺証(ひしょう)」と呼びます。
「通じざれば、すなわち痛む」という原則に基づき、血流や気の巡りが滞ることで痛みが発生すると考えられています。

痛みを引き起こす主な原因には以下のようなものがあります。

  1. 高齢や虚弱体質(腎虚:じんきょ)
    • 年齢とともに親から受け継いだ「精」が減少し、病気への抵抗力が低下。
    • その結果、膝痛や腰痛、坐骨神経痛になりやすい。


  2. 風邪を引きやすい体質(衛気不足:えきぶそく)
    • 体の表面を守る「衛気(えき)」が弱くなると、風寒湿の影響を受けやすくなる。
    • 天気の変化で頭痛や神経痛を感じやすい。

  3. 出産後や生理前後の血液不足(血虚:けっきょ)
    • 出産後や生理前後は血(けつ)が不足しがちで、外邪の影響を受けやすい。
    • 養生が不十分だと、膠原病やリウマチを発症する可能性も

血液をサラサラにして血行を改善する漢方薬もなども、併用しますと、効き目はもっと良くなることが多いです。 長いこと正座すると足がしびれますね。 正座のしびれは血行不良が起こりますので、血液からの酸素や栄養の不足となり、「神経が悲鳴を上げる」ことが原因になるのです。

ですから、坐骨神経痛などのつらい症状も、「駆淤血剤(くおけつざい)」などで血液をサラサラに廻らせることも大切なことになることが多いのです。 

もう一つだけ漢方薬を紹介しますと、女性の冷え性や出産後などの痛みやしびれには(リウマチも含めまして)、当帰配合のシロップ剤を独活製剤に併用すると効き目が良い事も多数当店では体験しております。 

「血の道症」を当帰配合のシロップ剤で改善しながら、体を温めて血行が良くなれば、独活製剤とともに痛みやしびれの軽減に役立つからです。 どうぞ参考にしてください。


寒さや湿気による外因とその影響

痛みしびれを引きおこす天気の影響は「風」「寒」「湿」の要素を持ち、中医学ではこれらを総称して「風寒湿の邪気」と呼びます。

  • 「風」:台風の強風が引き起こす影響。関節や神経に作用し、しびれや痛みを悪化させる。
  • 「湿」:大雨による湿気が関節に影響し、炎症や痛みを引き起こす。
  • 「寒」:気温の低下により、筋肉や関節が冷えて痛みを感じやすくなる。

特に、内因(体質)が弱い人は、外因(天候)による影響を受けやすく、痛みやしびれが悪化する傾向があります。


痛みやしびれへの漢方対策

土屋薬局では、寒さや湿気、低気圧や台風による痛みやしびれの対策として、以下の漢方薬をおすすめしています。

1. 独歩顆粒(どっぽかりゅう)

  • 風寒湿の邪気を追い払い、外因の影響を軽減する。
  • 内因(体の抵抗力)を補い、気や血液の巡りを改善する。
  • 坐骨神経痛や膝痛、関節痛に効果的。

2. 血行を改善する漢方薬(駆淤血剤:くおけつざい)

  • 血液の流れをスムーズにし、神経への酸素・栄養供給を促進。
  • 正座で足がしびれるのと同様、血流の停滞が神経痛の原因となるため、血行を良くすることが重要。

3. 当帰配合のシロップ剤+独活製剤

  • 女性の冷え性や出産後の痛み・しびれに適用。
  • 「血の道症」を改善しながら、体を温めて血行を良くする。
  • リウマチなどにも有効。

では、最後になりますが、今日の嬉しいお話を紹介させて頂きます。 

65歳の男性の坐骨神経痛の漢方相談です。 坐骨神経痛が1ヶ月前からあります。 腰から左足の甲にかけて、しびれと疼痛があります。

 突然に痛み出したそうです。 歩くことや立ち上がったり、立ち止まっていることも苦痛だそうです。 起床後の痛みが一番とつらいです。 夜は仰向けになっていると、痛みのために眠れません。 3時間おきに目が覚めるそうです。 今現在は、整形外科と鍼灸にも通院しています。 

今年の2月14日が始めての相談日です。 
土屋薬局からは、独歩顆粒と丹参製剤の2種類の漢方薬をお勧めしました。その後、漢方服用してから3ヶ月後には、以下のような感想を頂きました。 


「坐骨神経痛の漢方薬を土屋薬局さんで服用を始めてからは間もなく3ヵ月半になります。お蔭様で、坐骨神経痛はもう殆ど足首から先の方へ移り、痛みや痺れも無くなりました。 
わずかに、まだ歩くときにスタスタとは行かず、ズタズタ程度のやや格好の悪い歩き方ではありますが、始まった当時を思えば、まるで奇跡のような快復であります。 本当にありがとうございました。」 

このお客様のように、当店の漢方薬で痛みやしびれが軽減していらっしゃるときには、当店ではスタッフ一同嬉しく思っております。 良かった、良かったですね。(*^_^*) 
なお今現在も坐骨神経痛の漢方薬をご愛用中でして、良い状態をお保ちになられています。 
今回は、坐骨神経痛などの痛みやしびれに関する「中医学的な考察」を述べさせて頂きました。 

坐骨神経痛でお困りのかた、ご相談お寄せください。