🍒はじめに
脊柱管狭窄症による坐骨神経痛は、歩行や生活の質を大きく左右するつらい症状です。
「歩くと痛い」
「寒い日は特につらい」
「足がしびれて外に出るのが不安」
このようなご相談は、季節を問わず土屋薬局にも多く寄せられます。
今日は、北関東にお住まいの70代女性が、「散歩に行けました」と報告してくださった体験を、
丁寧に記録として残したいと思います。
(※本記事はお客様個人の体験談であり、医学的効果を保証するものではありません。)
🍒ご相談の背景 ― 100メートル歩くのもつらい
最初のお電話は、とても静かな声でした。
「脊柱管狭窄症で坐骨神経痛がつらく、100メートル歩くのも大変で…痛み止めも効かなくて困っているんです。」
お聞きした症状は、坐骨神経痛の典型的なものでした。
- 寒さ・天候で痛みが悪化
- 腰からお尻、太もも、ふくらはぎ裏まで痛む
- 足が硬く重く、しびれも強い
- 体が前に曲がってしまう
- 夜間頻尿で眠れない
- むくみ・冷え
- 体温35℃台と低め
「夫の介護もあるので、なんとか今より動けるようになれれば…」
その控えめで切実なお話に、こちらも背筋が伸びる思いがしました。
🍒中医学での見立て:腎虚(じんきょ)+瘀血(おけつ)
脊柱管狭窄症の痛みには、中医学的に以下が重なっていることが多いです。
✔ 冷えにより巡りが悪い
✔ 足腰の力=腎の働きが弱っている
✔ 血流が滞って痛みが強くなる(瘀血)
今回の女性もまさにこのタイプで、
- しびれ
- 冷え
- 夜間頻尿
- 体温低下
- 足腰のだるさ
など、複数の症状が「腎虚+瘀血」の特徴と一致していました。
漢方では、冷えを取り、足腰の土台を強くし、血流を整える。この順番が大切です。
🍒【1回目の提案】独歩顆粒+パナパール
初回のご提案は、体の“土台づくり”から始めました。
🔶独歩顆粒(どっぽかりゅう)
足腰の冷え・だるさ・痛みの改善を目指す処方。
中医学の言葉でいう、去風・散寒・除湿の働きで、冷えや湿気による痛みにアプローチします。
脊柱管狭窄症・坐骨神経痛で悩む方に、昔からよく使われる伝統的な組み合わせです。
🔶パナパール
疲労や消耗を感じる方の“底力”を支える働き。
先生が大切にしている「闘病力」という考え方を後押しします。
1回目は、「足腰を温める」「体力をゆっくり補う」という非常に重要な土台づくりを行いました。
🍒【2回目の相談】痛みが改善しきらず追加処方へ
約1ヶ月後、再度ご相談いただきました。
「少し楽にはなりましたが、外を歩くのはまだ痛くて…」
1回目で“土台”は作り始められていると判断し、2回目は「巡り」を重視した処方へ。
🔶疏経活血湯(そけいかっけつとう)
冷えや痛みで滞った血の流れをやわらげ、経絡(けいらく)の巡りを助ける漢方。
特に、
- 冷えると痛む
- 天気で悪化
- しびれが強い
という方に向いています。
中医師の叢 法滋(そう ほうじ)先生も、独歩顆粒との併用を推奨していた組み合わせです。
🔶デーチカ(外用)
痛み・しびれ・冷えを局所からサポートする塗り薬。
坐骨神経痛の“つらい部分”に直接働きかけ、日常生活の負担を減らすことを目指します。
デーチカ、こちらの記事もぜひ参考になさってください。
🍒3ヶ月後のご報告:「散歩に行けました」
そして今日。
3ヶ月間、できる範囲で無理なく続けられたお客様から、お電話がありました。
「犬の散歩に行けました。」
その瞬間、胸がじんわり熱くなりました。
- 痛みの中で迎えた朝
- 介護と向き合い続けた日
- 歩くたびに走る痛み
- 外に出たくても出られなかった時間
そのすべての積み重ねが、「散歩できた」というひと言に込められていました。
庭先だけだった歩行が、外へ少し足を運べるようになったこと。
その姿を想像するだけで、こちらまで涙腺があたたかくなります。

🍒歩けるという力
歩けるようになるということは、生活の質だけでなく“心”の回復でもあります。
「これでまた夫の介護も頑張れます」
その言葉に込められた強さと優しさに、逆にこちらが励まされる思いでした。
🍒土屋薬局から
脊柱管狭窄症・坐骨神経痛の痛みは、長引くと心も沈みやすくなります。
土屋薬局では、
- 山形県東根市での対面相談
- 電話・オンラインでの遠方相談 代表、予約0237(47)0033。電話漢方相談室0237-48-2550
- 全国への漢方発送
- 漢方メール相談
に対応しています。
痛みの背景にある 冷え・巡り・腎の弱り を丁寧に伺い、その方に合わせた漢方をご提案いたします。
焦らず、少しずつ。
体が温まり、巡ってくると、自然と「動ける自分」が戻ってきます。
🍒まとめ
- 脊柱管狭窄症の坐骨神経痛は冷え+血流の滞りが背景に
- 漢方では「腎」を補い、「巡り」を整えることが大切
- 独歩顆粒+疏経活血湯は相性の良い組み合わせ
- 塗り薬(デーチカ)も生活の質を支える
- 漢方は“積み重ねる力”で変化が生まれる
そして何より――
歩けることは、人生の大きな喜びにつながる。
この体験談が、いま痛みと向き合っている誰かのやさしい光になりますように🍒
こちらの坐骨神経痛のコラムも参考になりましたら、幸いです。











