
こんにちは。薬剤師・認定不妊カウンセラー・国際中医専門員の土屋幸太郎です。
昨日、近所の方で土屋薬局の漢方相談票をホームページからメールで送ってくださった方が、すぐにご来店されて相談となりました。
最近では珍しく、久しぶりの夕方6時半のご予約でした。
私は待機して待っていたのですが、夕方6時にご来店されました。
20代の女性です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で、卵胞が大きくなりづらいとのことでした。
前回、初めてレトロゾールを服用しました。
生理3日目から服用して反応は良かったそうです。
ただし子宮内膜が厚くならず8mm程度で、その時には卵胞が25mmまで育ったものの、LHサージがなく見送りになったそうです。
現在、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の排卵誘発では、レトロゾールが第一選択になることが増えてきました。
従来のクロミフェンクエン酸塩(クロミッド)と比較して、排卵率や妊娠率が高いという報告も多く、PCOSの方には期待される治療法のひとつです。
体質をお聞きしますと、初潮が15歳でした。
私はまずここが気になりました。
中医学では、発育や生殖を司る「腎」の働きが関係していると考えます。
初潮が比較的遅かったことは、PCOSの腎虚型を考える一つの材料になります。
基礎体温は低温期が36.2℃、高温期が36.6℃くらいでした。
全体的に体温が低めで、高温期もあまり勢いがありません。
このあたりも、中医学でいう「腎陽虚」の傾向を感じます。
身体を温める火力がやや弱いタイプかもしれません。
AMHは7以上でした。
ホルモンバランスはFSH<LH。
一方で男性ホルモンやインスリン、血糖値は正常でした。
初潮がきてから生理不順が続いていたそうです。
社会人になってからはピルを服用していた時期もありました。
甲状腺機能は正常でした。
また現在は、
・ストレスが強い
・生理1週間前から胸が張る
・ときどき不正出血がある
とのことでした。
私はPCOSの方の相談をしていると、
「排卵しないこと」
だけが問題ではないと感じます。
ストレスが強かったり、生理前の胸の張りが強かったりする方も少なくありません。
中医学では、このような状態を「肝鬱(かんうつ)」として考えることがあります。
今回の方は、
「腎虚」
を土台として、
「肝鬱」
も重なっているように感じました。
PCOSと一言でいっても、
・痰湿型
・腎虚型
・肝鬱型
・瘀血型
などがあり、実際にはそれらが複雑に重なり合っていることも少なくありません。
レトロゾールは卵胞を育てて排卵を促す治療です。
一方で中医学では、
「排卵する身体」
「妊娠しやすい身体」
を目指して体質を整えていくことも大切に考えます。
PCOSの方は、どうしても治療に焦りがちです。
人工授精や体外受精へステップアップすることも少なくありません。
もちろん必要な治療は大切ですが、私はまず「卵の質」を良くすることが大切だと考えています。
なるべくでしたら、ご自身の妊娠する力を信じながら、自然妊娠も目指していけたら嬉しいなと思っています。
排卵誘発剤に対する反応が良すぎると、双子や三つ子などの多胎妊娠になることもあります。
また卵巣過剰刺激症候群(OHSS)で腹水がたまり、入院が必要になることもあります。
一方で、体外受精でたくさん卵が採れて凍結できたものの、何度移植しても着床に至らなかった方も過去にいらっしゃいました。
私は、
「卵が採れること」
と
「妊娠して元気な赤ちゃんを抱けること」
は必ずしも同じではないと思っています。
そのためPCOSの方には、できるだけ早い段階から生活養生にも取り組んでいただきたいと考えています。
中医学では、甘いものや脂っこいものの摂り過ぎは「痰湿」を助長すると考えます。
食事では肥甘厚味(ひかんこうみ)に気をつけながら、卵の質や身体全体の状態を整えていくことも大切です。
ちょうど翌日の本日は、以前PCOSで土屋薬局にご相談いただいていた天童市のお客様がご来店くださいました。
当時は病院治療と漢方を併用し、その後自然妊娠され、現在は1歳3か月の元気な女の子のお母さんになられています。
今回は産後の不正出血のご相談でした。
以前、漢方を服用して調子が良かったとのことで、再びご相談いただきました。
このような実績もありますので、PCOSで悩まれている方は、病院治療と併せて中医学の婦人科漢方の併用もご検討いただけましたら幸いです。
PCOSの方は、
「排卵できること」
と
「妊娠継続できること」
が必ずしも同じではありません。
そのため基礎体温や月経の状態、睡眠、ストレスの状況なども合わせてみていくことが大切だと思っています。
今回は、
・婦宝当帰膠
・シベリア霊芝
・芎帰調血飲第一加減
の3つをご紹介しました。
良い結果につながっていただきたいなと思う次第です。
薬剤師・認定不妊カウンセラー・国際中医専門員
土屋幸太郎
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