
こんにちは。
山形県東根市・土屋薬局の薬剤師、認定不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
先日の日経新聞に、「隠れ脳梗塞」に関する記事が掲載されていました。
隠れ脳梗塞とは、自覚症状がないまま脳に小さな梗塞が起こっている状態です。脳ドックなどで偶然見つかることもあり、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病との関連が知られています。
記事では、血圧管理や減塩、適度な運動、禁煙など、毎日の生活習慣を見直すことの大切さが紹介されていました。
脳ドックで隠れ脳梗塞を指摘され、「今すぐ治療する必要はありません」と言われたものの、「自分でも何かできることはないだろうか」と不安になる方もいらっしゃると思います。
また、ご自身だけでなく、ご主人やご家族の健康維持のために、普段からできることを知りたいという方もいらっしゃるでしょう。
この記事を読みながら、私は中医学の「瘀血(おけつ)」という考え方を思い出しました。
中医学では「血の巡り」をとても大切にします
中医学では、「気(き)」と「血(けつ)」が全身を巡ることで、私たちの体は健康に保たれると考えます。
血は、全身の組織や臓器に栄養を届け、体を潤し、心を安定させる大切な存在です。
この血の巡りが悪くなり、滞ってしまった状態を「瘀血(おけつ)」といいます。
瘀血は、単に「血液がドロドロしている」という意味ではありません。
血の流れが滞り、本来の働きが十分に発揮できなくなった状態を表す、中医学独自の病態です。
瘀血の特徴は「痛み・しこり・黒ずみ」
私は漢方相談で瘀血を考えるときに、
「痛み・しこり・黒ずみ」
この三つを大切にしています。
痛み
瘀血による痛みは、
- 刺すような痛み
- 同じ場所が痛み続ける
- 慢性的で治りにくい痛み
などが特徴とされています。
肩こりや頭痛、腰痛なども、体質によっては瘀血が関係していることがあります。
しこり
血の巡りが長期間滞ると、しこりとして現れることがあると中医学では考えます。
例えば、
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症
- チョコレート嚢胞
なども、瘀血という視点から体質を考えることがあります。
黒ずみ
さらに、
- シミやくすみ
- 唇や歯ぐきの色が暗い
- 舌が紫色っぽい
- 舌の裏の静脈が太く怒張している
なども、瘀血を考える際の参考になります。
もちろん、これらの特徴が一つあるだけで、瘀血と判断するわけではありません。
舌や脈、お顔の色、体調、生活習慣などを総合的に確認しながら、その方の体質を判断していきます。
私は不妊相談でも瘀血を非常に重視しています
瘀血というと、「脳」や「心臓」の病気を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、私は不妊相談でも瘀血を非常に重視しています。
子宮内膜症、子宮筋腫、チョコレート嚢胞、月経痛が強い方、経血にレバー状の血の塊が多い方などでは、瘀血という視点から体質を考えることが少なくありません。
もちろん、瘀血だけではありません。
中医学では、中医学では、
- 気虚(ききょ)
- 血虚(けっきょ)
- 腎虚(じんきょ)
- 気滞(きたい)
- 痰湿(たんしつ)
なども合わせて考え、その方に合った漢方薬を選んでいきます。
「病名」だけを見るのではなく、「その人全体」をみる。
これが漢方相談の大きな特徴だと思っています。
西洋医学と中医学、それぞれの良さがあります
今回の日経新聞の記事では、生活習慣病の管理や、血圧、食事、運動の大切さが紹介されていました。
これは、中医学の考え方とも共通する部分があります。
西洋医学では、MRIやCT、血液検査などによって、体の状態や病気を詳しく調べて診断します。
一方、中医学では、舌や脈、体質、「気・血・水」のバランスなどを総合的に考えます。
アプローチは異なりますが、どちらも健康を守るために大切な考え方です。
私は、病院での検査や治療を大切にしながら、中医学の体質改善も取り入れることが、より良い健康づくりにつながると考えています。
漢方相談では体質に合わせてご提案しています
土屋薬局では、
「脳ドックで隠れ脳梗塞があると言われました」
「血圧が気になります」
「肩こりや頭痛が続いています」
このようなご相談をいただくことがあります。
病院での治療や定期的な検査を大切にしていただきながら、中医学的な体質も参考にし、お一人おひとりに合わせた漢方相談を行っています。
その中で、瘀血という体質が考えられる場合には、冠元顆粒や田七人参などをご紹介することがあります。
※漢方薬や健康食品のご提案は、体質や健康維持を考慮したものであり、脳梗塞の治療や予防を目的とするものではありません。
「未病」の段階から体を見直すという考え方
中医学には、「未病(みびょう)」という考え方があります。
未病とは、まだ明らかな病気として現れていなくても、体の中では少しずつバランスが崩れ始めている状態をいいます。
「病気になってから治療する」のではなく、まだ大きな症状が現れていない段階から体調の変化に気づき、生活習慣や体質を整えていく。これを中医学では「治未病(ちみびょう)」と呼び、大切にしてきました。
隠れ脳梗塞も、自覚症状がないまま脳ドックなどで偶然見つかることがあります。
自覚症状がないからといってそのままにせず、病院での定期的な検査や血圧・血糖・脂質などの管理を続けながら、食事、運動、睡眠、禁煙など、毎日の暮らしを見直すことが大切です。
中医学では、さらに舌や脈、冷え、肩こり、頭痛、疲れやすさ、睡眠、便通なども確認し、「気・血・水」のバランスや瘀血の有無を考えていきます。
未病の段階から自分の体に関心を持ち、小さな変化を見逃さずに整えていくことが、これからの健康を守る第一歩になると思います。
おわりに
「隠れ脳梗塞」と言われて、
「自分でも何かできることはないだろうか」
そう感じる方もいらっしゃると思います。
まずは、病院での定期的な検査や治療を続けながら、血圧や食事、運動、睡眠などの生活習慣を見直すことが大切です。
そして中医学には、病気が大きく進む前の「未病」の段階から、体質や日々の小さな変化に目を向けて健康を守るという考え方があります。
隠れ脳梗塞と言われて不安な方、ご自身でも未病の段階から健康づくりに取り組みたい方、ご主人やご家族の健康維持について考えたい方は、どうぞ土屋薬局へご相談ください。
病院での検査や治療を大切にしながら、お一人おひとりの体質に合わせた漢方相談を通じて、これからも毎日を健やかに過ごすためのお手伝いができれば幸いです。
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冠元顆粒について
冠元顆粒は、中国伝統医学の「冠心Ⅱ号方」をもとに、日本人の体質や暮らしに合わせて改良された漢方製剤です。丹参、紅花、赤芍、川芎などの生薬を含み、土屋薬局でも血の巡りや毎日の健康維持についてご相談いただく際にご紹介することがあります。
田七人参について
田七人参は、中国雲南省を代表する植物で、栽培から収穫まで長い年月を必要とすることから、「金不換(お金に換えられないほど貴重なもの)」とも呼ばれてきました。「三七人参(さんしちにんじん)」という別名もあります。
冠元顆粒や田七人参がすべての方に適しているわけではありません。服用中のお薬や現在の体調、体質などを確認したうえで、その方に合ったものをご提案しています。
この記事を書いた人
薬剤師・認定不妊カウンセラー・国際中医専門員A級の土屋幸太郎です。
山形県東根市の土屋薬局で、漢方相談を行っています。












