
こんにちは。
山形県東根市・土屋薬局の薬剤師、認定不妊カウンセラー、国際中医専門員A級の土屋幸太郎です。
2026年2月19日、とてもうれしいご報告をいただきました。
初めてご相談いただいたとき、お客様は41歳でした。
子宮内膜症、子宮腺筋症、チョコレート嚢胞があり、人工授精や体外受精にも取り組まれていました。
胚移植では初めて陽性反応が出たものの、妊娠継続が難しいという結果に。
その後、転院を考えながら不妊治療をお休みしていた周期に、自然妊娠されました。
そして2025年10月、38週3日で元気な女の子をご出産されました。
お客様から掲載のご承諾をいただきましたので、これまでの経過と、ご本人からいただいた言葉をご紹介します。
初めてのご相談は41歳のとき
初めてご相談いただいたのは、2024年でした。
2023年から妊活を続けており、結婚から約1年半。不妊治療にも取り組んでいらっしゃいました。
内科では甲状腺のお薬を服用されていました。
お身体について詳しくお聞きすると、次のようなお悩みがありました。
- 寒がり、冷え性
- 腰痛
- 口の渇き
- 便秘
- 立ちくらみ
- イライラ
- 肩こり
- 月経前後の頭痛
- 月経前の下腹部痛や乳房の張り
- 月経痛
- 月経血に塊がある
初潮は14歳。月経周期は28日、月経期間は6日間でした。
排卵期のおりものが見られる期間は3日未満でした。
子宮内膜の厚さには問題がありませんでしたが、検査では次のような状態が確認されていました。
- 子宮筋腫:1.5cmが2個
- 右のチョコレート嚢胞:1.5cm
- 左のチョコレート嚢胞:2cm
- 子宮腺筋症:1cm
それまでに人工授精を1回、体外受精を2回経験されていました。
ご主人さまは37歳でした。
2024年10月から漢方を開始
2024年10月10日、お身体の状態や月経の様子、不妊治療の予定などを伺い、体質に合わせて複数の漢方をご紹介しました。
漢方を始めてからは、
「体がポカポカする感じがします」
「生理痛も軽くなってきました」
「なんとなくホルモンバランスが整ってきた感じがあります」
と教えてくださいました。
凍結胚は2個ありましたが、まずは体調を整えてから移植に臨みたいと考え、1周期お休みすることになりました。
その一方で、排卵の時期が近づいても体温が上がる感じがなく、
「無排卵月経だったのではないか」
と不安も感じていらっしゃいました。
生理が3週間遅れ、移植を見送ることに
2024年12月8日、ご連絡をいただきました。
こんばんは。
夜分遅くに失礼します。先周期お休みをして、今周期に胚移植をする予定をしていたのですが、生理が3週間遅れ、タイミングが合わず見送ることにしました。
先生は採卵もしているため、遅れることもあると言われましたが、こんなに遅れることが今までなく、生理がくる1週間前から、胸が張って痛い、夕方になると倦怠感と微熱、イライラがあり、本当にしんどい日が続きました。
40歳を境に生理不順があり、少し更年期なのではと心配しています。
次周期、生理がきたら移植予定です。
このまま今飲んでいる漢方を続けていったらよいでしょうか?
移植を予定していたにもかかわらず、生理が大きく遅れてしまうと、不安になりますよね。
40代の妊活では、卵巣機能やホルモン値だけでなく、月経周期の変化や疲労、睡眠、冷え、気持ちの負担なども一緒に見ていくことが大切です。
2025年1月、2個の胚移植へ
2025年1月9日、次のご連絡がありました。
1月15日に、2つ胚移植をすることが決まりました。
リスクはあると言われましたが、チャレンジしたいと思います。
今日の診察で、血液検査の数値もよく、内膜もしっかりあるとのことでした。
ただ、生理後に腰や下腹部が重たい感じが今も続いていて、先生に聞いたところ、内膜症が少しずつ進行していると、生理以外でも痛くなると言われ、少し心配しております。
また、アドバイスいただけたら幸いです。よろしくお願いします。
翌日の1月10日、私は次のようにお返事しました。
おはようございます。土屋薬局の土屋幸太郎でございます。
2個胚移植とのこと、成功を心からお祈りしております。陽性反応が得られることを切に願っております。
初めての陽性反応、しかし妊娠継続は難しく
1月15日に、2個の胚移植が行われました。
そして1月31日、判定結果についてご連絡をいただきました。
おはようございます。
昨日、15日に移植したあとの判定日でした。
結果は陽性だったのですが、hCGの数値が低く、妊娠継続が難しいということでした。
初めての陽性でしたが、とても残念でした。
保険適用が最後でしたので、自然のタイミングをとりながら、今後を考えたいと思います。転院も考えています。
漢方も続けてみたいです。
初めて陽性反応が出た喜びのあとに、「妊娠継続が難しい」と伝えられるつらさは、簡単に言葉にできるものではありません。
保険適用での治療も最後となり、これからどうしたらよいのか、心も身体も大きく揺れていた時期だったと思います。
不妊治療を休んだ周期に、自然妊娠
その後、転院を考えながら、不妊治療をいったんお休みされました。
そして2025年3月12日、思いがけないご連絡が届きました。
おはようございます。いつもお世話になっております。
実は、転院しようと考えていて、治療をお休みしていた先月、自然に妊娠することができました!
昨日、病院でも陽性をもらい、今5週3日です。
移植後の妊娠継続が難しいと分かってから、まだそれほど時間が経っていない中での自然妊娠でした。
本当に驚きましたし、私も心からうれしく思いました。
その後も妊娠経過は順調に進みました。
38週3日、元気な女の子をご出産
2026年2月19日、お客様から待ちに待ったご報告が届きました。
こんばんは。
ご無沙汰しています。昨年はお世話になりました。予定日より少し早かったのですが、38週3日までお腹にいてくれて、昨年の10月に無事、女の子を出産しました。
破水から始まり、促進剤を使っていましたが、赤ちゃんのことを考えて緊急帝王切開で出産をしました。
不妊治療のこと、妊娠中のつわりなど、つらかったことが吹き飛ぶくらいうれしくて、感動しました。
今は育児に少し慣れてきたところです。
遅くなりましたが、ご報告させていただきたく、ご連絡しました。
妊娠中は吐きづわりがひどく、漢方を服用できない時期もあったそうです。
また、帝王切開の際には、医師から「子宮内膜症がかなり進んでいた」と説明を受けたとのことでした。
幸い子宮を残したまま止血することができ、今後は産後の回復を優先しながら、子宮内膜症の治療についても主治医と相談していくことになりました。
「誰にも相談できない中、寄り添ってもらえた」
ブログで体験をご紹介してもよいか伺ったところ、さらに心のこもったお返事をいただきました。
ご丁寧に返信いただき、ありがとうございました。
まずは私の身体の回復に努めたいと思います😊
そして、私の体験が誰かの励みになるのでしたら、ぜひ紹介してください。
不妊治療中、病院の先生に何かできることがないかと相談しても、目的に向かってのことしか答えてもらえず、寄り添ってもらえないと感じていました。
すがる思いでInstagramで調べ、こちらにたどり着きました。
誰にも相談できない中、お会いしたことがないにもかかわらず、寄り添っていただき、丁寧に私に合ったものを提案してくださったことが、本当にうれしかったです。
不妊治療に取り組んだこと、思い切って不妊治療をお休みしたこと、漢方を飲み始めたこと、前向きに気持ちが向いたこと。すべてが重なったからかな……と思います。
遠くて直接伺うことは難しいですが、身体も心も限界にきていた私に寄り添ってくださり、本当にありがとうございました。
この言葉を読み、私も胸がいっぱいになりました。
漢方をお渡しすることだけが、妊活相談ではありません。
治療中の不安や迷い、病院では聞きにくかったこと、誰にも話せず抱えている気持ちを伺うことも、私たちの大切な役割だと思っています。
今回のご相談で大切にしたこと
今回のお客様には、甲状腺の治療、冷え性、月経痛、子宮内膜症、子宮腺筋症、チョコレート嚢胞など、いくつもの背景がありました。
中医学では、検査数値や病名だけでなく、月経の状態、冷え、痛み、疲れ、睡眠、胃腸の働き、気持ちの変化なども含めて、その方の身体全体を考えます。
今回、大切にしたのは次のような点でした。
- 冷えや月経痛などを確認しながら、身体を整える
- 月経の状態や痛みの変化を丁寧に見る
- 疲れをためすぎない生活を心がける
- 不妊治療を続ける心身の負担にも目を向ける
- 治療の予定に合わせて、その都度相談内容を見直す
漢方を始めたあと、お客様からは「身体がポカポカする」「生理痛が軽くなった」といった変化も聞かれました。
ただし、今回の自然妊娠と出産は、漢方だけによるものと断定できるものではありません。
お客様ご自身も書かれているように、不妊治療に取り組んだこと、治療をお休みしたこと、漢方を続けたこと、気持ちが少しずつ前向きになったことなど、さまざまなことが重なった結果だと思います。
「妊娠させる」だけでなく、心と身体を支える
妊活では、どうしても採卵数や胚の評価、ホルモン値、子宮内膜の厚さなどに意識が向きます。
もちろん、どれも大切な情報です。
一方で、治療を続けるご本人の身体や心が、限界に近づいていることもあります。
「次の治療までに、何かできることはないだろうか」
「このまま進んでよいのだろうか」
「少し休んだら、妊娠の可能性がなくなってしまうのではないか」
40代の妊活では、時間への焦りもあり、休むことにも勇気が必要です。
だからこそ私は、妊娠だけを目標にするのではなく、その方が治療を続けられるよう、心と身体の両方に寄り添うことを大切にしています。
40代の妊活で治療がうまくいかないときに見直したいこと
40代の妊活では、時間への焦りから「休んではいけない」と思ってしまうことがあります。
しかし、治療を続けることだけが唯一の選択ではありません。
- 月経周期や月経痛に変化がないか
- 冷えや疲れ、睡眠不足が強くなっていないか
- 治療による心身の負担が限界に近づいていないか
- 子宮内膜症や子宮腺筋症の状態を主治医と確認できているか
- 次の採卵や移植に向けて、体調を整える時間が必要ではないか
治療を続けるか、少し休むか、転院するか。正解は一人ひとり異なります。
大切なのは、焦って一人で決めるのではなく、主治医と相談しながら、ご自身の身体と気持ちの状態も一緒に考えることです。
同じように悩んでいる方へ
年齢、子宮内膜症、子宮腺筋症、チョコレート嚢胞、甲状腺の治療。
いくつもの不安が重なると、「自分には難しいのではないか」と思ってしまうこともありますよね。
移植がうまくいかなかったあとや、不妊治療を休むときには、取り残されたような気持ちになる方も少なくありません。
今回の体験は、すべての方に同じ経過が起こることを示すものではありません。
それでも、移植後に妊娠継続が難しいという結果を経験し、その後、治療をお休みした周期に自然妊娠され、無事に出産された方がいらっしゃることは、同じように悩んでいる方の希望になると思います。
誰にも相談できず、ひとりで抱えている方は、まず今のお気持ちや身体の状態を聞かせてください。
店頭へのご来店が難しい場合には、InstagramのDMやメール、お電話からでもご相談いただけます。
何気ないひと言や、相談してみようと思ったことが、次の一歩につながることもあります。
最後になりましたが、このたびは女の子のご出産、誠におめでとうございます。
お母さまのお身体が少しずつ回復し、赤ちゃんとご家族の毎日が、健やかで幸せなものとなりますよう、心からお祈り申し上げます。
そして、つらかった経験も含めて掲載をご快諾いただき、本当にありがとうございました。
薬剤師・認定不妊カウンセラー・国際中医専門員A級
土屋幸太郎
土屋薬局
※本記事は、お客様のご了承をいただいたうえで、個人が特定されないよう一部を編集して掲載しています。ご紹介した内容は一例であり、漢方の感じ方や妊娠・出産までの経過には個人差があります。治療中の方は、主治医の診療を受けながらご相談ください。












