POI(早発卵巣不全)と漢方|FSHが高くても「卵巣の働きの波」を見ながら身体づくり

子宝漢方早発閉経(卵巣機能低下)無月経

2026年10月2日

POI(早発卵巣不全)と漢方による身体づくりを紹介するアイキャッチ。窓辺でお茶を手にする女性と、卵巣の働きの波を表す淡い曲線の水彩イラスト。

「FSHが高いと言われました」

「卵胞が見えない周期が続いています」

「早発閉経、POIと言われたのですが、もう難しいのでしょうか?」

土屋薬局では、このようなご相談をいただくことがあります。

POI(早発卵巣不全:Premature Ovarian Insufficiency)は、一般に40歳未満で月経が不規則になったり無月経になったりし、卵巣機能の低下が確認される状態をいいます。

ただし、POIだからといって、卵巣の働きがずっと同じ状態で推移するとは限りません。

卵巣の働きには「波」がみられることがあります。


FSHが高い=ずっと同じ状態、とは限りません

妊活中、とくにPOIや卵巣予備能の低下を指摘されている方にとって、「FSHがいくつだった」という数字はとても気になるものです。

たしかにFSHは、卵巣の状態を考えるうえで大切な指標のひとつです。

しかし、FSHだけを見るのではなく、

・E2(エストラジオール)
・卵胞が見えているか
・卵胞の大きさ
・子宮内膜の厚さ
・月経や出血の状態
・その周期に使用しているホルモン剤

などを一緒に見ていくことが大切です。

POIでは卵巣の活動が間欠的にみられる場合があり、周期によって状態が変化することがあります。

そのため私は、「ひとつの数字だけで一喜一憂しすぎないようにしましょう」とお話しすることがあります。


卵胞が見えない周期から、卵胞が確認されることも

最近ご相談いただいたお客様も、病院で丁寧に経過をみてもらっていました。

ある周期では、

FSH 63.3
E2 9.6

という検査結果で、エコーでは卵胞が確認できない時期がありました。

その後も病院でホルモン治療や排卵誘発を行いながら経過を観察。

そして別の診察では、右の卵巣に10mmを超える卵胞が確認されました。

※個人が特定されないよう、経過の一部を紹介しています。また、この経過がすべての方に当てはまるものではありません。

こういう経過を拝見すると、改めて感じます。

卵巣の働きには波がある。

調子の良い時の波をうまく捉えながら、良い結果を目指していきたいものですね。


「FSHを下げること」だけを目標にしない

POIのご相談では、「漢方でFSHを下げられますか?」と尋ねられることがあります。

でも私は、FSHという一つの検査値だけを下げることを漢方相談の目的にはしていません。

ホルモン剤を使用している場合には、その影響によってFSHなどの数値も変化します。

ですから、「FSHが下がった=卵巣機能そのものが回復した」と単純には判断できません。

検査値だけではなく、卵胞の育ち方やE2、子宮内膜、月経の状態、そして冷えや睡眠、疲労、胃腸の状態など、その方の身体全体を見ていきます。


POIの漢方相談で大切にしていること

中医学では、年齢や月経、生殖に関わる働きを「腎」と深く関連するものとして考えます。

ただし、すべての方に同じ「補腎」の漢方を使えばよいわけではありません。

体質をみながら、

「腎」を補うことを中心に考える方。

血を養うことを大切にする方。

ストレスや睡眠の状態を整えていく方。

胃腸を立て直すところから始める方。

その方によって組み立ては変わります。

土屋薬局では、病院での治療内容やホルモン値、エコーの結果も確認しながら、漢方では身体全体を整えていくことを大切にしています。


病院の治療と漢方、それぞれの役割を大切に

POIでは、妊娠のことだけでなく、女性ホルモンが少ない状態が長く続くことによる骨や心血管系などへの影響も考える必要があります。

そのため、病院での定期的な診察や必要なホルモン治療はとても大切です。

漢方はそれに置き換わるものではありません。

また現在の医学では、漢方を含め「これをすればPOIの卵巣活動が確実に回復する」「自然妊娠率を高められる」と確立された治療法があるわけではありません。

だからこそ私たちは、病院での治療を大切にしながら、その方の体調や体質に合わせて身体づくりをお手伝いしていきます。


数字だけを見ず、その周期の「動き」を見ていく

FSHが高かった。

卵胞が見えなかった。

そんな結果を聞けば、不安になるのは当然だと思います。

でも、ひとつの検査結果だけではなく、その後の変化も見ていくことが大切です。

卵巣の働きには波があります。

FSH、E2、卵胞、子宮内膜、月経の状態。

そしてご本人の体調。

それらを一緒に見ながら、調子の良い時の波をうまく捉えて、良い結果を目指していきたいものですね。

土屋薬局では、POI(早発卵巣不全)、FSH高値、AMH低値などで妊活中の方からの漢方相談も承っています。

病院での検査結果や治療経過がございましたら、お持ちください。

一つひとつ確認しながら、その方に合った無理のない身体づくりを一緒に考えていきます。

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