
「お尻から太もも、ふくらはぎまで痛む」
「足がビリビリしびれて、長く歩けない」
「病院で治療を受けているけれど、冷えや痛みが気になる」
こうした坐骨神経痛のお悩みで、土屋薬局へ漢方相談に来られる方がいらっしゃいます。
坐骨神経痛に漢方を取り入れる際は、原因となる病気の確認と、その方の体質に合った漢方選びが大切です。
冷え、疲れやすさ、筋肉のつり、痛む時間帯などによって、検討する漢方薬は異なります。
山形県東根市神町の土屋薬局では、整形外科での診断・治療を大切にしながら、痛みやしびれだけでなく、胃腸、睡眠、冷え、日常生活も伺っています。
この記事では、坐骨神経痛の原因、漢方の考え方、代表的な漢方薬と、過去の相談記録から8例をご紹介します。
坐骨神経痛とは?お尻から足に現れる痛み・しびれ
坐骨神経痛は、一つの病名ではなく、坐骨神経やその根元の神経への刺激などに関連して、お尻から足に現れる痛み・しびれを表す呼び方です。
お尻、太ももの後ろ側や外側、ふくらはぎ、足先などに症状が現れます。片側に出る場合も、両側に出る場合もあります。
- 電気が走るような痛み、ビリビリ・ジンジンするしびれ
- お尻から足にかけての張り、重だるさ
- 長く座る、立つ、歩くことのつらさ
- 足の感覚が鈍い、足に力が入りにくい
腰痛を伴う方もいますが、腰はあまり痛まず、お尻や足の症状が中心の方もいます。これらの症状だけで原因を判断することはできません。

坐骨神経痛の主な原因と病院での治療
腰椎椎間板ヘルニア
背骨の間でクッションの役割をする椎間板の一部が突出し、神経を圧迫することで、腰やお尻の痛み、足への痛み・しびれなどが生じます。足に力が入りにくくなる場合もあります。
腰部脊柱管狭窄症
腰の神経が通る空間が狭くなり、神経が圧迫される病気です。立つ・歩くことで症状が強まり、座る・前かがみになることで楽になることがあります。
歩くと足が痛くなり、休むと再び歩ける状態を「間欠性跛行」と呼びます。ただし、足の血管の病気でも似た症状が出るため、診察が必要です。
その他の原因
腰椎すべり症や、お尻の筋肉付近での神経への圧迫なども関係することがあります。足のしびれには、坐骨神経痛以外の原因もあります。
病院では、原因や症状に応じて薬物療法、リハビリテーション、神経ブロックなどが検討されます。症状が強い場合や神経障害が進む場合には、手術が必要になることもあります。
漢方を検討する場合も、まず原因を確認し、必要な治療を継続することが基本です。

漢方相談を待たず、すぐに受診してほしい症状
次のような症状が新たに現れた場合は、強い神経圧迫などが疑われます。漢方の効果を待たず、直ちに医療機関へ連絡し、救急受診を含めて対応してください。
- 尿が出ない、尿や便を自分でコントロールできなくなった
- 股の間・肛門周辺の感覚が鈍くなった
- 急に足に力が入らない、麻痺が進んでいる
発熱を伴う痛み、転倒後の強い痛み、安静時にも続く激しい痛みについても、早めの受診が必要です。
坐骨神経痛を漢方ではどう考える?
中医学では、筋肉や関節などの痛み・しびれを「痺証(ひしょう)」という枠組みで考えることがあります。
「不通則痛(ふつうそくつう)」は、巡りが滞ると痛むという考え方。「不栄則痛(ふえいそくつう)」は、身体を養うものが不足すると痛むという考え方です。
ここでいう「気・血・水」や「腎」は、中医学の概念です。検査で確認する神経圧迫や腎臓の病気と、そのまま同じ意味ではありません。
冷えると痛む:寒・寒湿の視点
寒い場所や冷房で痛みが強まり、温めると楽になる方では、「寒」の影響を考えます。重だるさも伴う場合は「湿」の視点を加えることがあります。
山形では、冬の寒さや屋外での作業環境についても詳しく伺います。
同じ場所が刺すように痛む:瘀血の視点
固定した場所の痛み、刺すような痛み、夜に強まる痛みなどを、中医学では「瘀血(おけつ)」の視点から考えることがあります。瘀血は、中医学で血の巡りの滞りを表す言葉です。症状だけで血管の病気や血栓を診断するものではありません。
足腰の弱り・疲れやすさ:腎虚、気血不足の視点
長く続く腰痛や疲れやすさ、足腰の冷えなどが重なる場合は、「腎虚(じんきょ)」や「気血不足」を考慮します。中医学の「腎」は、成長、老化、骨などに関連する働きを含む概念です。腎虚といわれても、腎臓の機能低下と同じ意味ではありません。産後や体力が落ちている時期には、痛みのほか、食事や休養が十分に取れているかも確認します。
同じ坐骨神経痛でも、冷えが中心の方と、冷えがなく熱感のある方では、漢方の選び方が変わります。

坐骨神経痛の相談で検討される漢方薬
漢方薬は「人気の順」ではなく、症状、体力、持病、服用中のお薬、製品ごとの効能・効果に照らして選びます。以下は検討される処方の例です。
独歩顆粒(どっぽかりゅう)
土屋薬局でも、冷えや疲れやすさを伴う足腰の症状について相談する際に検討する漢方薬です。
イスクラ独歩顆粒の効能・効果は、「疲れやすく、下肢が冷えやすいものの次の諸症:腰痛、関節痛、下肢のしびれ・痛み」です。この条件に合うかどうかを確認してご提案します。坐骨神経痛という呼び方だけで、どなたにも適するわけではありません。
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛などに用いられる処方です。中医学では、血の巡りや、痛みに関係する寒・湿などを考慮して検討します。慢性的な足腰の痛みだからと一律に選ぶのではなく、体質と症状を確認します。
五積散(ごしゃくさん)
冷えなどを伴う慢性的な症状について検討される処方です。腰痛のほか、胃腸の状態や上半身と下半身の冷え・のぼせの違いなども確認します。
八味地黄丸・牛車腎気丸
足腰の症状とともに、疲れやすさ、冷え、排尿の悩みなどがある場合に検討される処方です。年齢だけで選ぶものではなく、胃腸の状態なども確認する必要があります。突然の排尿障害は、通常の頻尿などとは区別し、受診を優先してください。
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
急に起こる筋肉のけいれんを伴う痛み、こむら返りなどに用いられます。坐骨神経痛に足のつりが重なる場合に検討することはありますが、慢性的な神経痛全体をこの一剤で対応できるとは限りません。
甘草による偽アルドステロン症、低カリウム血症などに注意が必要です。自己判断で長く飲み続けたり、ほかの漢方薬を重ねたりしないでください。

漢方薬で神経の圧迫はなくなるのでしょうか?
漢方薬によって、突出した椎間板が元に戻る、狭くなった脊柱管が広がると断定することはできません。症状の緩和を目的に漢方を検討する場合も、歩行、筋力、感覚などの経過を確認し、必要な検査や治療につなげることが大切です。
土屋薬局の坐骨神経痛・漢方相談の体験談8例
以下は、土屋薬局の過去の公開記録を要約したものです。お客様の主観的なご報告を含み、漢方薬だけによる効果や、すべての方に同じ結果が得られることを示すものではありません。病院での治療や自然経過なども影響し得ます。
1.在宅勤務が多い40代の方:しびれに加え、冷えや疲れやすさも相談
在宅勤務が多く、あぐらで過ごす機会もある40代のお客様。腰、右足、お尻のしびれや、座る・かがむ際の痛みをご相談いただきました。痛み・しびれと、冷えや血の巡りを考慮し、2種類の漢方をご提案。約2週間後には、動かずにいるときのしびれが出なくなり、歩く際の力強さを感じるとのご報告がありました。
座る・かがむ際の痛みは残っていましたが、痛む時間が短くなり、冷えや疲れやすさにも変化を感じられたそうです。その後も経過を伺いました。
坐骨神経痛の漢方2週間で腰や足、臀部のしびれが改善しました。

2.足腰の冷えが強い30代男性:冷えた作業環境も確認
足腰の冷え、腰から下のしびれ、疲れやすさを相談された30代男性です。仕事で冷えた環境にいることも伺いました。
足腰の症状と冷えを考慮して漢方をご提案。その後、寒けがなくなり、足のしびれも楽になったとのご報告をいただきました。相談では「どこがしびれるか」だけでなく、毎日どのような環境で過ごしているかも大切にしています。
なお、手や半身のしびれなどは坐骨神経痛だけでは説明できないため、別の原因の確認が必要です。
冷えが和らぎ、坐骨神経痛の腰から下のしびれが楽になりました。

3.春から続いていた痛み・しびれ:4か月の服用後にお便り
春に坐骨神経痛の痛み・しびれで相談されたお客様から、後日、ニュースレターへのお返事をいただきました。ご提案した2種類の漢方を約4か月続け、痛みとしびれが気にならなくなったという内容でした。元の記録には年齢や薬名の記載がないため、ここでも補っていません。日々の相談の先に、こうしたお便りを頂けることを嬉しく思います。

4.長年ヘルニアを繰り返していた方:歩行と睡眠にも支障
約20年前から椎間板ヘルニアがあり、坐骨神経痛を繰り返していたお客様です。立ち仕事をされ、相談時には足を引きずって歩くほど痛みが強く、夜の足のつりもありました。漢方を取り入れた後、座薬の効果が切れた際のつらさが以前より軽くなったとのご報告がありました。約3か月後には痛みが気にならなくなり、朝の動き始めも楽になったそうです。痛みの程度に加え、歩き方や睡眠など、生活の変化も確認した相談例です。

5.41歳女性:ヘルニアによる痛みで、歩く・座る・眠ることがつらい
椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛と診断された41歳女性。左のお尻、ふくらはぎ、腰の痛みがあり、布団の上げ下げ後に症状が再び強まっていました。漢方相談から約20日後のメールでは、痛みがほとんど気にならず、普通に歩けるようになり、睡眠もしっかり取れるとのご報告をいただきました。一方、走ることはまだ怖く、少しずつ活動を戻したいと書かれていました。症状が軽くなった後も、無理をせず生活を戻していくことが大切です。

6.産後の女性:お尻の激痛と右足のしびれ
妊娠中から右のお尻に強い痛みがあり、出産後には右足全体のしびれが出たお客様です。椎間板ヘルニアがあり、鎮痛薬や神経ブロックの治療も受けていました。産後の体調と足腰の症状を併せて考え、2種類の漢方をご提案。約1か月後には痛みとしびれが軽くなり、助かっているとのお話をいただきました。産後は授乳の有無や処方薬も確認し、その時期に合った対応を考えます。

7.80歳のお母様:坐骨神経痛に腰痛・膝痛も重なる
ご家族から、80歳のお母様の坐骨神経痛、腰痛、膝痛をご相談いただいた例です。年齢だけでなく、足腰の状態や体力などを考慮して漢方をご提案。約1か月後には痛みが半分ほど、半年後には8割ほど良くなったというご報告がありました。この割合はご本人・ご家族の実感によるもので、検査数値ではありません。ご家族からの相談でも、現在のお薬や病院での診断を確認しながら進めます。

8.痛みは「10から3」へ:足先のしびれは残っていた例
椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛のお客様から、服用を続けるべきかお問い合わせがありました。一番つらいときを10とすると、現在の痛みは3ほど。しかし、足先のしびれは残っていました。整形外科の薬も継続されていました。痛みが軽くなっても、しびれが同じように軽くなるとは限りません。痛みとしびれを別々に確認し、残る症状や歩行の状態を見ながら、継続・変更や受診の必要性を検討します。

坐骨神経痛と漢方について、よくある質問
漢方はどのくらいで変化を感じますか?
原因、症状の続いた期間、体質によって異なります。上の記録には数週間で変化を感じた方も、数か月かけて経過を見た方もいますが、一般的な効果発現期間を示すものではありません。
漫然と続けず、製品の添付文書に示された相談の目安を守り、変化がない場合や悪化する場合は見直します。
病院の薬と併用できますか?
併用できる場合もありますが、薬の組み合わせ、持病、重複する生薬の確認が必要です。お薬手帳、市販薬、サプリメントも含めてお知らせください。処方薬は自己判断で中止しないでください。
漢方は天然成分だから副作用が少ないのでしょうか?
天然由来でも副作用はあります。甘草を含む処方では、むくみ、血圧上昇、低カリウム血症などに注意が必要です。処方によって注意点は異なります。服用後に体調の異変を感じた場合は中止し、医師・薬剤師へ相談してください。妊娠中・授乳中の方も、自己判断で選ばずご相談ください。
温める、ストレッチするのはよいですか?
冷えるとつらく、温めると楽になる場合は、無理のない保温を考えます。感覚が鈍い場所へのカイロなどは低温やけどに注意してください。ストレッチや運動は、原因や症状によって適した内容が変わります。痛みやしびれが強まる動きを続けず、医師や理学療法士に確認しましょう。
日常生活で見直したいこと
長時間同じ姿勢を続ける方は、可能な範囲で姿勢を変えたり、短い休憩を入れたりしてみてください。重い物を持つ作業、かがむ作業などは、症状に合わせて負担を調整します。
土屋薬局では、痛む場所のほか、「どれくらい歩けるか」「夜は眠れるか」「仕事のどの動作がつらいか」も伺います。生活で困っていることを具体的に教えていただけると、経過を一緒に確認しやすくなります。
坐骨神経痛の漢方相談は、山形県東根市の土屋薬局へ
痛みやしびれが長く続くと、外出や仕事が億劫になり、気持ちまで疲れてしまうことがあります。
土屋薬局では、病院での診断やお薬を確認しながら、その方の体質と生活に合わせて漢方をご提案しています。冷え、胃腸、睡眠など、気になっていることも一緒にお話しください。
相談料は無料です。漢方薬をご希望の場合のみ、お薬代金をいただいています。ご予算やご希望に合わせて考えますので、遠慮なくお知らせください。
初めての方は、お電話でご予約のうえ、お薬手帳や分かる範囲の検査結果をご持参ください。来店が難しい方には、電話・メール相談も承っています。
- ご予約・お問い合わせ:0237-47-0033
- 漢方電話相談室:0237-48-2550
- 漢方相談表はこちら
- 所在地:山形県東根市神町中央1-10-7
- 営業時間:平日9時~19時/土曜9時~18時
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この記事を書いた人
薬剤師・認定不妊カウンセラー・国際中医専門員A級 土屋幸太郎
星薬科大学を卒業後、東京大学医学部附属病院薬剤部での研修や、イスクラ高円寺研修塾で中医学を学び、現在は山形県東根市神町の土屋薬局で漢方相談に携わっています。
坐骨神経痛、腰痛、脊柱管狭窄症などの痛み・しびれのご相談では、病院での治療を大切にしながら、体質、生活環境、ご予算を伺い、お客様と一緒に考えることを心がけています。

おはようございます。 10月10日(土)、本日土屋薬局は午後6時まで営業します。明日から2日間は定休日です。 昨日はお客様たちと、遠足のお弁当作りや「運動会」の話で賑やかでした。 私も女性のお客様たちと、こうした子育ての話ができるようになり、なんだか感慨深いです。



10月10日(土)、土屋薬局は午後6時まで元気に営業中です!
今朝、僕ちゃん社長(5歳)が薬局のお掃除をお手伝い。 すると、漢方薬をお買い求めのお客様が、帰り際に「ぼく、どんぐりあげる!」と嬉しいプレゼント。 大きいのはトチノミだそうです。 昨日は幼稚園の遠足でどんぐり拾いを楽しんできたばかり。もう大喜び!
お客様の優しさに感謝です。 町の薬局って、こういう交流が嬉しいですね。


















