
こんにちは。
山形県東根市・土屋薬局の
薬剤師・認定不妊カウンセラー・国際中医師の 土屋幸太郎 です。
梅雨明けが宣言されたあとも、山形は湿度の高い日が続いています。
花笠まつりの頃になると、なぜか再び梅雨に戻ったような空気感になる年も多く、
この時期は 「痛み」「しびれ」 のご相談が特に増えてきます。
今日は、
左のお尻から股関節、太もも、膝下まで続く坐骨神経痛の痛みでお悩みだった
50代女性の漢方相談と、その経過をご紹介します。
(※本記事はお一人の体験談であり、同様の効果を保証するものではありません)
ご相談の背景
左のお尻から股関節、膝下まで続く強い痛み
初めてご相談いただいたのは、6月。
50代の女性の方でした。
お話をうかがうと、次のような状態でした。
- 左のお尻から股関節、太もも、膝下まで痛む
- 整形外科で「坐骨神経痛」と診断
- 症状は2月頃から悪化
- 昨年は痛みが強く、入院歴あり
- ロキソニンを服用
- 2日に1回はボルタレン座薬(50mg)を使用
- 通信販売の「痛みに効く漢方」を試したが効果なし
- 高血圧のため降圧剤を服用中
「立っていてもつらいし、
座っていて動き出す時が特につらいんです」
そんな日常が続いていたそうです。
漢方的な見立て

冷え・湿気・血流の滞りが重なった坐骨神経痛
舌の状態を確認すると、
- 舌全体にやや赤み
- 舌の先が赤く、ストレス傾向
- 舌苔は白苔
これらから、
- 湿気の影響(寒湿)
- 血流の滞り
- 更年期前後の体調変化
が重なって、坐骨神経の走行に沿って痛みが出ている状態 と考えました。
坐骨神経痛は、
「神経そのもの」だけが原因ではなく、
- 冷え
- 湿気
- 血の巡り
- 体の回復力の低下
が背景にあることがとても多い症状です。
ご提案した漢方
独歩顆粒+痛みを補助する漢方
今回は、次の2つを組み合わせてご提案しました。
■ 独歩顆粒(どっぽかりゅう)
- 足腰を丈夫にする
- 血を養い、血行を改善
- 痛み・しびれの原因となる滞りを取り除く
坐骨神経痛や股関節痛など、下半身の慢性的な痛みによく使われる漢方です。
■ 痛みを軽減する「5つの生薬の漢方」
独歩顆粒の去風・散寒・除湿・通絡作用 を補助する目的で併用しました。
これまで漢方を試しても効果を感じにくかったとのことでしたので、「なぜこの組み合わせなのか」をしっかり説明したうえで服用を開始しました。
服用後の経過

2週間後に大きな変化
約2週間が過ぎた頃、再来店された際にこう話してくださいました。
「左のお尻から股関節、膝下までの痛みが、ほとんど無くなりました」
あれほど強かった痛みが、日常生活でほとんど気にならないレベルまで軽減していました。
再発しかけた理由と、その対応
一度漢方が切れ、1週間ほど服用を中断した時期がありました。
ちょうどその頃、
- 職場の冷房が非常に強く
- 長時間冷えにさらされた
ことで、再び痛みが出てきたそうです。
独歩顆粒には、
- 衛気(えき)を補う
- 外からの冷えから体を守る
という働きもあるため、夏の冷房による坐骨神経痛の再発予防にも重要な処方です。
その後の方針
- 痛みが落ち着いたため
- 「5つの生薬の漢方」は終了
- 独歩顆粒を中心に体質改善として継続
という形に切り替えました。
まとめ
坐骨神経痛は「体質」から整えると変わる
今回の症例からわかることは、
- 坐骨神経痛は冷え・湿気・血流の影響が大きい
- 痛みが取れたあとも、体質改善が再発防止につながる
- 夏の冷房は、坐骨神経痛の大きな悪化要因
- 独歩顆粒は「痛み+冷え対策」に適した漢方
という点です。
「年齢のせいだから仕方ない」
「もう治らないと思っている」
そんな方にも、漢方が力になれるケースは少なくありません。
痛みやしびれでお困りの方は、どうぞ無理をなさらずご相談ください🍒
坐骨神経痛はこちらの漢方コラムも参考になりましたら、幸いです。
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