【子宮腺筋症】生理中の下痢と生理痛|中医学で考える漢方対策

子宮腺筋症

2026年6月19日

子宮腺筋症による生理中の下痢と生理痛を中医学の視点から解説した漢方対策のイメージ

こんにちは。土屋薬局の土屋幸太郎です。

子宮腺筋症のご相談では、

「生理痛がつらいです」

というお悩みだけではなく、

「生理前から下痢になる」
「生理中になるとお腹がゆるくなる」
「生理痛よりも下痢の腹痛のほうが気になる」

というご相談をいただくことがあります。

生理痛だけでも大変なのに、下痢まで重なると仕事や家事、外出にも影響してしまいます。

私自身、不妊症や婦人科疾患の漢方相談を続ける中で、生理のリズムや体調を整えることの大切さを改めて感じています。

実際に、不妊症の体質改善で漢方薬を服用されていたお客様から、

「生理の1週間前から続いていた下痢が、今回は1日だけでした」

という嬉しいご報告をいただいたことがあります。

生理前や生理中の下痢はホルモンバランスの変化も関係しますが、中医学(中国漢方)では「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスや、「気(き)」の不足も関係すると考えます。

今回は、子宮腺筋症の方にみられる生理中の下痢と生理痛について、中医学的な視点から考えてみたいと思います。


生理中の下痢は意外と多いお悩みです

以前、子宮腺筋症と高度の子宮内膜症による癒着があり、さらに子宮筋層内の子宮筋腫も併発している方から次のようなお話を伺いました。

「生理痛というより、生理中によく下痢になりやすいです。

下痢の時のような腹痛がありますが、すぐ治ります。

出血量が多い時ほど下痢になりやすく、下腹部というよりも腸のあたりが痛い感じがします。」

子宮腺筋症では、

・生理痛
・過多月経
・レバー状の血の塊
・貧血
・生理期間の延長

などがよくみられますが、生理中の下痢や軟便を伴う方も少なくありません。


中医学で考える「生理中の下痢」

私が婦人科中医学の研修を受講した際、次のような内容を学びました。

子宮腺筋症の方では、

「生理がすっきり出ない」

という特徴がみられることがあります。

若い頃は勢いよく生理が来ていたのに、

・だらだら続く
・後半になってからしっかり出る
・出血量が多い

といった変化がみられることがあります。

このような場合には、「気を補い、気を持ち上げる」という考え方を用いることがあります。

中医学では「気」が身体を支えるエネルギーと考えられています。

出血量が多い状態が続くと気も消耗しやすくなります。

その結果、

・疲れやすい
・胃腸が弱くなる
・下痢しやすくなる

という状態につながることがあります。


気の不足と下痢の関係

中医学では、

「気は血を統(す)べる」

と考えます。

気が十分にあれば血液は正常な場所に留まりますが、気が不足すると出血しやすくなったり、身体を支える力が弱くなったりします。

また、胃腸の働きも低下しやすくなるため、

・軟便
・下痢
・食後の眠気
・疲れやすさ

などがみられることがあります。

特に生理中は出血によって気を消耗しやすいため、もともと胃腸が弱い方では下痢が起こりやすくなることがあります。


子宮腺筋症では「瘀血(おけつ)」も大切

子宮腺筋症を中医学で考えるときに欠かせないのが「瘀血(おけつ)」です。

瘀血とは血流の滞りのことです。

・生理痛が強い
・レバー状の血の塊が出る
・経血量が多い
・下腹部が張る

などの症状がみられることがあります。

そのため、実際の漢方相談では、

・瘀血への対応
・気血不足への対応
・胃腸機能のサポート

などを総合的に考えていきます。


漢方は体質に合わせて考えることが大切です

生理中の下痢といっても、

・気虚タイプ
・気陥タイプ
・瘀血タイプ
・冷えを伴うタイプ

など、人によって背景は異なります。

そのため、

「下痢だからこの漢方」

ではなく、

「なぜ下痢が起きているのか」

を考えることが大切です。


まとめ

子宮腺筋症の方で、

・生理中に下痢になる
・生理前からお腹がゆるくなる
・生理痛と下痢が同時に起こる
・出血量が多い

という場合には、中医学的な体質が関係していることがあります。

実際の漢方相談では、子宮腺筋症そのものだけでなく、胃腸の状態や疲れやすさ、冷え、睡眠なども含めて体質を考えていきます。

生理痛だけでなく、生理中の下痢や軟便でお悩みの方も、どうぞお気軽にご相談ください。

土屋薬局では、子宮腺筋症、子宮内膜症、不妊症、妊活の漢方相談を行っております。

追記)

なお、今さらながら付け加えますと、子宮腺筋症や子宮内膜症の体質の方は、生理中に下痢や軟便になりやすい「気虚(ききょ)」の傾向を持つことも少なくありません。

中医学では、気虚とは身体を支えるエネルギーが不足した状態を指します。気虚になると胃腸の働きが弱くなり、疲れやすさや軟便、下痢などがみられることがあります。

特に生理中は出血によって気を消耗しやすいため、もともと気虚傾向のある方では、生理痛だけでなく下痢や胃腸の不調として現れることもあります。

そのため、子宮腺筋症や子宮内膜症の漢方相談では、瘀血(おけつ)への対応だけでなく、気血を補い胃腸の働きを整えることも大切なポイントになると考えています。


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