
昨日、チョコレート嚢胞があり、生理後も腹痛が続く方からいただいたご質問をもとに、こちらの記事を書きました。
▶ チョコレート嚢胞で生理後も痛むとき|漢方相談で考えた2つの選択肢
その日の夕方、以前、チョコレート嚢胞と二人目妊活について相談されていたお客さまが、久しぶりに来店されました。令和2年に婦人宝と田七人参を2回服用し、その後、自然妊娠された方です。そのとき授かったお子さまは、現在5歳。今回は、三人目のお子さまを希望されての漢方相談でした。
個人が特定されないように内容を一部整え、令和2年の初回相談から現在までの経過をご紹介します。
チョコレート嚢胞が再発し、体外受精に取り組んでいました
初めてご相談いただいたのは、令和2年11月30日です。当時33歳。6歳のお子さまがおり、二人目のお子さまを希望されていました。子宮内膜症があり、チョコレート嚢胞の大きさは、
- 右側が約5cm
- 左側が約3cm
とのことでした。
その年の2月に腹腔鏡手術を受けていましたが、その後、チョコレート嚢胞が再発していました。体外受精にも取り組んでおり、初回来店日は、ちょうど胚移植の判定日でした。残念ながら、結果は陰性。凍結している胚盤胞は、残り2個という状況でのご相談でした。
初回相談で確認した体調と月経の様子
当時の体調や月経について、次のようなお話を伺いました。
- 寒がりで冷え性
- 腰や腕が痛む
- 食欲はある
- 手のひらに汗をかきやすい
- 下痢をしやすい
- 足がむくみやすい
- 初潮は15歳
- 月経周期は約34日
- 月経期間は6日間
- 基礎体温がきれいな二相にならない
- ホルモン値が低いといわれている
- 朝食は食べない
舌はやせ気味で、舌先に赤みがありました。
中医学では、身体を潤し、養う力が不足する「陰虚(いんきょ)」の傾向も考えられました。
一方で、生理痛やチョコレート嚢胞のような痛みやしこりは、「瘀血(おけつ)」、つまり血の巡りの滞りという視点からも考えていきます。
体外受精の判定が陰性だった日にお伝えしたこと
体外受精の移植判定が陰性だった当日は、心身ともに大きな負担がかかっていたと思います。
当時の私は、難しい生活指導をたくさんお伝えするのではなく、まず次のことをご案内しました。
- 冷たい飲食物を避ける
- 睡眠時間を十分に確保する
- 朝も含めて、ご飯を食べる
- 食事をよく噛む
特別なことを一度に始めるのではなく、まずは身体を冷やさず、食事と睡眠を大切にしてもらうことからのスタートでした。漢方は、婦人宝と田七人参を10日分ずつお勧めしました。
土屋薬局からは、妊活のお守りとして南京豆もお渡ししました。
婦人宝と田七人参をご紹介した理由
婦人宝は、婦宝当帰膠と同じく、当帰を中心とした女性のための漢方製剤です。小太郎漢方製薬の婦人宝は、1本が約10日分となっているため、初めての方にも比較的お試しいただきやすい製品です。冷えや月経の状態、妊活中の身体づくりなどを考えながらお勧めしました。
田七人参は、チョコレート嚢胞や子宮内膜症に伴う痛み、しこり、出血などを、中医学の「瘀血」の観点から考える際にご紹介することがあります。
瘀血を考える代表的なポイントは、次の三つです。
- 痛み
- しこり
- 黒ずみ
生理痛が強い、血の塊が出る、刺すように痛む、痛む場所がはっきりしているといった場合には、田七人参を選択肢の一つとして考えます。
婦人宝で身体を養いながら、田七人参で血の巡りを考える組み合わせです。
服用後、生理痛が和らぎました
令和2年12月12日、再び来店されました。
「生理痛が和らぎました」とのことでした。
12月1日に生理が始まり、12月6日までの6日間。再来店時は月経周期12日目で、そろそろ排卵期を迎える頃でした。前日には下腹部痛があり、便もゆるかったそうです。このときも、婦人宝と田七人参の組み合わせを継続しました。
食事については、陰虚傾向を考え、身体を消耗させすぎず、潤いを補う食材についてもご紹介しました。
漢方を2回服用したあと、自然妊娠へ
その後、このお客さまは自然妊娠されました。
令和2年の相談時に婦人宝と田七人参を2回服用し、そのときに授かったお子さまが、現在5歳になられたそうです。体外受精の移植判定が陰性となり、残る胚盤胞が2個という状況から始まった漢方相談でした。
久しぶりにお会いして、その後、自然妊娠され、元気に成長しているお子さまのお話を伺えたことは、私にとっても大変うれしいご報告でした。
もちろん、自然妊娠にはさまざまな要因が関係します。漢方を服用すれば必ず妊娠できるということではありません。今回の経過も、一人のお客さまの相談例としてご紹介しています。
5年後、三人目妊活のため再び漢方相談へ
令和8年9月14日、今度は三人目のお子さまを希望されて来店されました。現在の月経周期は28日間。
基礎体温の高温期は14日間ありますが、体温が上がりにくく、36.6~36.7℃くらいの低めの体温が気になるとのことでした。9月13日から生理が始まり、来店日は月経2日目でした。
- 生理痛が強い
- 経血に血の塊がある
- 生理前から生理中にかけて下痢をしやすい
- 高温期の体温が低め
というお話も伺いました。現在のチョコレート嚢胞の大きさは、分からないとのことでした。
病院では、年齢を考えると早めに体外受精へ進んだほうがよいと勧められるそうです。
ご本人は、まず漢方で身体を整えながら様子を見たいというご希望でした。
今回も婦人宝と田七人参から再スタート
二人目を希望されていたときに婦人宝と田七人参を服用し、その後、自然妊娠された経験がありました。今回も、生理痛や血の塊があること、以前の服用時に体調の変化を実感されていたことから、まずは婦人宝と田七人参の二つで再スタートすることになりました。ちょうど生理2日目からのスタートです。令和2年のときと、よく似た形でのご相談となりました。
ただし、5年前と現在とでは、年齢も体調も月経の状態も異なります。
以前と同じ漢方をそのまま続けるのではなく、これからの月経や基礎体温、痛み、胃腸の状態などを確認しながら、必要に応じて内容を調整していく予定です。
チョコレート嚢胞がある妊活では、痛みや月経の状態も確認します
チョコレート嚢胞がある方の妊活相談では、嚢胞の大きさだけでなく、次のような点も確認します。
- 生理痛の強さ
- 生理の前後にも痛みがあるか
- 血の塊が出るか
- 経血の色
- 月経周期と月経期間
- 基礎体温の低温期と高温期
- 排卵の状態
- 冷えやむくみ
- 下痢や便秘など胃腸の状態
- 病院での検査結果や治療方針
- 今後、自然妊娠と不妊治療のどちらを希望するか
同じチョコレート嚢胞という診断でも、身体の状態や妊活の段階は一人ひとり異なります。
漢方相談では、病名だけで一律に判断するのではなく、その方の現在の状態と希望を伺いながら一緒に考えていきます。
三人目を希望する今回の妊活も応援していきます
二人目を希望されていたときに相談へ来られ、その後、自然妊娠。そのお子さまが5歳になり、今度は三人目を希望して、再び土屋薬局へ来てくださいました。長い年月を経て、また漢方相談を任せていただけることを、ありがたく感じています。病院から早めの体外受精を勧められるお気持ちも、ご本人がまず漢方で様子を見たいというお気持ちも、どちらも大切です。検査や婦人科での経過観察も続けながら、焦って一つに決めつけず、ご本人が納得できる妊活を一緒に考えていきたいと思います。
今回の三人目妊活も、よい方向へ進むことを願っています。
※本記事は、個人が特定されないように内容を一部整えた漢方相談の一例です。漢方服用後の経過や感じ方には個人差があり、同じ漢方薬がすべての方に適するわけではありません。
※チョコレート嚢胞がある方は、定期的に婦人科で検査を受けることが大切です。急激な腹痛、強い痛み、発熱、吐き気、不正出血などがある場合には、漢方だけで様子を見ず、速やかに医療機関へご相談ください。
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