こんにちは、土屋薬局の土屋幸太郎です。
今回は 漢方を用いたPMS(月経前症候群)の改善 について、2005年にまとめた勉強ノートをそのままご紹介します。
「2人目不妊」「人工授精」「PMS(月経前症候群)」で悩む方に、中医学的な視点から体質改善のヒントをお届けします。
2人目不妊。月経前症候群。PMSと漢方療法。AIH人工授精3回
先月の中医不妊症お茶の間講座、漢方勉強会で私が勉強したことの紹介です。
今回は、不妊症における月経前症候群(PMS)についてです。
結婚8年目。
38歳。
分娩1回。
人工授精3回。
HCG注射。
2人目不妊
○月経:周期バラバラで少し早めに来る、生理7~8日間、月経量多い、暗紅、血塊あり、生理痛軽い(以前はひどかった)
(注:周期がばらばらで、たとえば28~35日周期で毎回、排卵日や生理予定日が狂うことは、肝欝気滞といってストレス性のものが多い)
○帯下(おりもの):排卵期少
(注:排卵期のおりものは、子宮頚管粘液を表します。少ないときには卵胞の発育が悪い場合があり、中医学的には陰血不足と考えます)
○全身症状:
腰痛、寒がり、冷え性、尿が近い→これらは陽虚(ようきょ)
便秘と下痢を繰り返す、不眠不安、イライラ、肩こり、月経前下腹部と乳房張痛→肝欝気滞(かんうつきたい)
舌 淡紅、歯痕(しこん)あり
(注:歯痕とは舌の周りに歯型が付いていて、舌の横がギザギザしていることです。胃腸が弱かったり、浮腫みやすかったり、疲れやすい、息切れ、風邪ひきやすいなどあります)
このかたの名前をJ子さんにしましょう。
(私の同級生の芥川賞作家の阿部和重氏の「グランド・フィナーレ」を読んでみたら、「神町(じんまち)」がまた登場していましたので嬉しくなりました。「J」子さんは、「神町(じんまち)」の「J」から名づけました)
J子さんは、生理前にとてもイライラして、月経前症候群(PMS)がひどいです。
基礎体温は、犬歯状(けんしじょう)でギザギザが強いです。
「ギザギザの犬歯状の基礎体温」はプロラクチンが高かったり、ストレスが強いことが多く、生理前にイライラしたり胸が張ったりしやすいです。
……
この勉強会の中で私が強く印象に残ったことをまず述べます。
PMS(月経前症候群)は、精神的に「ああ、また生理が来るので妊娠できなかった」という気持ちの落胆や落ち込みなども影響して、余計に症状がひどくなる。とのことでした。
ですから、当店でもお客様と漢方薬の相談して「残念ながら生理が来てしまい、撃沈してしまいました」とか「生理が来ると思うと憂鬱になります」というコメントが多いのですが、私もこの勉強会ではメンタル面も大切なんだなあ~と思いました。
実際に、生理前のイライラや胸の張りなどのPMS(月経前症候群)が楽になって妊娠されているかたもいらっしゃいます。
ストレスが強く影響していることもPMSの背景にありますので、精神的なカウンセリングも有効とのことでした。
……
では、PMSに関して述べていきましょう。
PMS(Premenstrual Syndrome)とは月経の前になると、体や精神的および行動などの面において種々の症状が定期的に繰り返される。
1)同じような症状が周期的に起こっている。
2)高温期の後半の月経前に起こる。
3)症状が重い。(日常生活に支障が出ている)
たとえば、生理前に仕事でミスをしたり、仕事をしたくなくなったり、周囲の人と喧嘩をする、子供にあたる、などの異常な行動。
○体の症状
頭痛、下腹部痛、むくみ、胸悶乳房張痛、吐き気、めまい、脱力感、息苦しい、のぼせ、食欲旺盛、動悸、肩こり、肌荒れ、腰痛、ほてる、耳鳴りなど。
○精神症状
イライラ、怒りっぽくなる、憂鬱、不眠、不安、緊張しやすい、何でも気にする、集中力低下、物忘れ、考えが止まらないなど。
○行動の異常
仕事に通常ないミスが増加、身内の喧嘩、引きこもる、突然泣き出すなど。
……
PMSの病因病理
西洋医学ではまだ完全に解明されていないが、
1)卵巣ホルモン E2/Pののアンバランス
(プロゲステロンが低い人に出やすい。プロゲストロンは「陽」。
エストロゲンが多すぎてもなりやすい。エストロゲンは浮腫む。「陰」。
また男性ホルモン↑、プロラクチン↑)
2)中枢内分泌の異常(ドパミン、ペプチドなど)
3)微量元素やビタミンの欠乏(カルシウム、リン、銅など)→自律神経が不安定
4)精神的ストレスが関わっているという説がある。
……
中医学から考える。
女性の生理特徴
「女性は血(けつ)をもって本となす」
女性は、生理のリズムを整えることが肝心。
「血少気多(けっしょうきた)」
血(けつ)が不足がちで、気が余りやすい。
つまり、自分のことや主人のこと、子供のこと、実家の両親のことなど、心配事が多岐に渡る。
なおかつ同時に、精神のメンタルや体を支える物質的基礎となる「血(けつ)」が慢性的に不足気味です。
……
PMSのおもな病因
陰血不足または陰虚及陽(脾腎陽虚)、肝腎不足→肝気鬱滞(かんきうったい)→化火(かか)、瘀血(おけつ)、痰湿(たんしつ)
基本病理:
心肝気鬱(しんかんきうつ)(化火、痰湿、瘀血)
関連臓腑:心、肝、脾、腎
肝欝(かんうつ)のほかに心と脾と腎を考える。
1)肝欝気滞(かんうつきたい)
症状→月経不順(不定期)、月経前胸悶煩躁、怒りやすい、乳房張痛、下腹部張痛、食欲不振、舌質やや赤
治則→疏肝理気(そかんりき)
方剤→星火逍遥丸、炒麦芽、開気丸
加減応用→肝欝化火(かんうつかか):頭痛、めまい、煩熱、ほてり、口苦、乳首が痛い、便秘気味→加味逍遥散
2)血虚肝旺(けっきょかんおう)
症状→月経先期(早まる)、量が多く、小さな血塊があり、月経前後頭痛めまい、煩躁不眠、乳首疼痛、腰痛、あるいは月経後めまい、耳鳴り、動悸、舌裂紋など
治則→磁陰柔肝(じいんじゅうかん)
方剤→杞菊地黄丸、瀉火補腎丸、七物降下湯、芍薬甘草湯
3)脾腎両虚(ひじんりょうきょ)
症状→月経遅れがち、色淡紅、血塊(-)、月経前浮腫み、睆腹張満、食欲不振、ガスが多い、下痢気味、体が重だるい、腰痛、煩躁、あるいは乳房張満、白膩苔、歯痕
治則→健脾補腎(けんぴほじん)
方剤→参茸補血丸、牛車腎気丸、衛益顆粒など
……
補足:私のノートより
基礎体温は睡眠時間6時間は必要。
基礎体温のバラつき→疏肝(そかん)と健脾(けんぴ)
健脾が必要。
麦芽を炒ったもの→健脾と疏肝作用があって使いやすい。
よく薬に対して不信感をもつ患者さん→薬だけの影響で体に不調がでたのではない。→自分自身の日頃の生活習慣が関係している。
(注:これはよくある話です。漢方の副作用や悪い影響ではないのに「漢方を服用したからこうなったのですか?」
「本当に漢方で大丈夫ですか?」と、いつも質問が多いかたがいます。中医学的には、今回の「PMSタイプ」で「肝気鬱結」があることがタイプ的に多いとのことでした。)
お悩みのかたは土屋薬局までぜひ漢方相談をお寄せくださいませ。
まとめ(追記)
この記事では、2005年当時の内容を そのまま掲載していますが、PMS(月経前症候群)と漢方による体質改善の重要性は今も変わりません。
- 2人目不妊や人工授精で悩む方は、月経前の体調変化(PMS)が妊活に影響する場合があります
- 漢方で肝欝気滞や瘀血(おけつ)を整えることは、精神面・体調面両方のサポートになります
- 睡眠・生活習慣の改善と組み合わせることで、PMSの症状を和らげつつ妊活を支えます
PMS(月経前症候群)や不妊でお悩みの方は、ぜひ土屋薬局まで漢方相談にお越しください。
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2025年9月16日 山形県東根市神町の土屋薬局です。

この記事を書いた人
薬剤師・認定不妊カウンセラー・国際中医専門員A級の土屋幸太郎です。
私たちの詳しい経歴は、土屋薬局スタッフ紹介をご覧ください。
42歳で結婚し、52歳で父親になるまで、夫婦で10年間の不妊を経験しました。中医学・中医不妊症を約30年学び、妊活、不妊治療、子宮内膜症、子宮腺筋症、PCOS、40代妊活などの漢方相談に携わっています。

神町小学校、東根一中、山形南高校を経て、東京の品川区の星薬科大学を卒業後、東京大学医学部附属病院薬剤部での勤務や、中医学を学ぶイスクラ高円寺中医学研修塾を経て、現在は山形県東根市神町の土屋薬局で漢方相談に携わっています。
山形県は、東北地方に存在し、冬は雪が降り寒く、夏は蒸し暑いという厳しい自然風土があります。農作業に従事している人が多いので、「痛み、しびれ」を訴える人が多いのが実情です。そのような地域のニーズに応じて、土屋薬局では「痛み、しびれ」の漢方相談を得意としています。
2人目のお子様が授からない、流産を繰り返すなどの不妊のお悩み、不育症、体外受精でなかなか授からない、多嚢胞性卵巣症候群、排卵障害、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、卵巣嚢腫(チョコレート嚢胞)、高プロラクチン血症によるホルモンバランスの乱れなど、さまざまなご相談を承っています。
そのほか、にきび、アトピー、湿疹、肌荒れ、掌蹠膿疱症、乾燥肌、喘息、精神疲労、抑うつ感、漢方ダイエット、耳鳴り、耳のつまり、聴力低下、メニエル、めまい、ストレス、不眠、高血圧、高血糖、糖尿病、痛風、高脂血症、腎臓病、肝臓病、がん、冷え、生理痛、男女更年期障害、免疫力の低下、起立性調節障害、発達障害などのご相談もお気軽にどうぞ。
私自身も夫婦で10年間の不妊を経験し、52歳で父になりました。その経験と、約30年にわたる中医学の学び、認定不妊カウンセラーとしての知識を生かしながら、妊活中の方のお気持ちに寄り添う相談を大切にしています。
土屋薬局の妊活漢方相談は、「中医不妊症を約30年学び続けてきた専門性」と「認定不妊カウンセラーとしての学び」を二つの柱としています。私たち夫婦自身の10年間の不妊経験も含め、相談に対する思いをこちらの記事で詳しくご紹介しています。
▶ 中医不妊症を学び続けて約30年|土屋薬局の妊活漢方相談を支える2つの柱
妊活相談を支える二つの専門性
土屋薬局の妊活・子宝漢方相談は、「中医不妊症を約30年学び続けてきた専門性」と「認定不妊カウンセラーとしての学び」の二つを大きな柱としています。私たち夫婦自身が10年間の不妊を経験したからこそ、専門的な知識だけでなく、妊活中の不安や迷いにも寄り添う相談を大切にしています。
①中医不妊症を学び続けて約30年

2017年、イスクラ中医不妊症専門講座エキスパートコースを修了しました。
私は、中医学と中医不妊症について約30年にわたり学びを続けてきました。
その学びの一つとして、漢方メーカーのイスクラ産業が主催する「イスクラ中医不妊症専門講座エキスパートコース」において、10年以上にわたる研究課程を修了しています。
修了証書には、「中医不妊症エキスパートとしての十分な知識を習得したことを証します」と記されています。
長年積み重ねてきた中医学の知識と、土屋薬局での漢方相談の経験を生かし、現在も妊活中の方や不妊治療に取り組んでいる方のご相談に携わっています。
妊活の漢方相談では、月経周期に合わせて身体の状態を考える「月経周期療法」について継続して学び、日々の相談に取り入れています。
ご相談は、年代や治療の段階に応じて承っています。
- 20代・30代・40代の妊活
- 自然妊娠を希望されている方
- 病院でタイミング療法を受けている方
- 人工授精(AIH)に取り組んでいる方
- 体外受精・顕微授精(IVF・ICSI)に取り組んでいる方
- 採卵や胚移植に向けて身体を整えたい方
- 流産を繰り返す不育症にお悩みの方
- 二人目をご希望の方
- ご主人さまの男性不妊について相談したい方
中医学には、その方の年齢や体質、月経周期、不妊治療の経過などに応じて考える、さまざまな漢方があります。
「まだ治療を始めたばかり」「病院での治療と漢方を併用してよいか分からない」「夫婦で一緒に相談したい」といった段階でも大丈夫です。
これまでの経過や現在のお気持ちを丁寧に伺い、ご予算やご希望も確認しながら、その方に合った方法を一緒に考えていきます。
②認定不妊カウンセラーとして

日本不妊カウンセリング学会認定の不妊カウンセラーとして、妊活・不妊治療中の方のご相談に携わっています。
不妊治療に関する医学的な知識を学ぶだけでなく、治療中に生じる不安や迷い、ご夫婦のお気持ちにも寄り添うことを大切にしています。私自身も、結婚してから子どもを授かるまで、夫婦で10年間の不妊を経験しました。そして52歳で、ようやく父になることができました。
不妊治療は「終わりの見えないマラソン」にたとえられることがあります。
期待して、結果を待ち、喜んだり、落ち込んだり、不安になったりする。その繰り返しは、気持ちのジェットコースターのようでもあります。周囲からの何気ない言葉に傷ついたり、ほかの人と自分の人生を比べてしまったりすることもあります。私たち夫婦も、同じような経験をしてきました。
だからこそ、土屋薬局の妊活相談では、検査の数値や治療の予定だけでなく、これまで歩んできた経過や現在のお気持ちも丁寧に伺うことを大切にしています。
中医学を約30年学び続けてきた専門知識、認定不妊カウンセラーとしての学び、そして私たち夫婦自身の10年間の不妊経験。この三つを生かしながら、お一人おひとりの妊活を応援しています。

子宝相談をご利用くださったお客様が、赤ちゃんと一緒にご来店くださいました。健やかなご成長を、一緒に喜ばせていただきました。令和8年10月17日
これまでに、妊娠・出産に関する1,028件の嬉しいご報告をいただきました。
中国漢方では、目の前の症状だけでなく、その方の体質や心身全体の状態を見ながら、身体が本来持っている力を支えていくことを大切にします。
病名だけで判断せず、月経の状態、冷え、胃腸、睡眠、疲れ、ストレス、これまでの治療経過などを確認しながら、その方に合った漢方を一緒に考えていきます。
ご本人だけでなく、ご夫婦での相談や、ご主人さまの男性不妊についてのご相談も承っています。
無理に漢方をおすすめすることはありません。ご予算やご希望を伺いながら、ご紹介した漢方の中から、取り入れたいものをご自身で自由に選んでいただけます。相談したからといって、必ず購入する必要もありません。
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病名だけで判断せず、これまでの経過や現在のお気持ちを丁寧に伺い、ご予算やご希望に合わせて一緒に考えていきます。ご本人だけでなく、ご夫婦やお子さま、ご両親など、ご家族全体の健康についてもお気軽にご相談ください。
お客様の立場に立った親切で丁寧な漢方相談を心がけ、東北に根を張る薬局として、土屋薬局は従業員一同、もちの木のように粘り強く努力してまいります。

2026年7月18日 土屋薬局にて
薬剤師の妻と息子です。夫婦で土屋薬局に立ちながら、子育てにも奮闘しています。家族で過ごす時間も、日々の相談に向き合う大切な力になっています😊
女性薬剤師へのご相談も承っています
土屋薬局には、女性薬剤師の土屋幸もおります。男性薬剤師・女性薬剤師から、ご希望の相談担当者をお選びいただけます。
女性同士の目線で不妊治療について相談したい方や、月経、排卵、おりものなど、男性には話しにくいと感じることがある方も、安心してお声がけください。
漢方相談は無料です
当店では、妊活の漢方として婦宝当帰膠をご紹介することが多く、300ml入り1本・約1か月分の目安で6,490円です。
症状や年齢、治療状況に応じて、併用する漢方もご案内しますが、ご予算やご希望に合わせて自由にお選びいただけます。ご相談後に購入を見送っていただいても大丈夫です。
山形県内はもちろん、県外にお住まいの方からの電話・メール相談も承っています。相談表は、分かる範囲でご記入いただければ大丈夫です。
漢方相談は、山形県東根市神町の土屋薬局へお気軽にお問い合わせください。
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土屋薬局の漢方相談コーナーには、中国の子授け観音「送子観音菩薩像」が皆さまを見守っています。
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土屋薬局
山形県東根市神町中央1-10-7
営業時間:平日9時~19時/土曜日9時~18時