痛み、しびれを楽にしよう!第4話

リウマチ、膠原病の漢方薬


痛み、しびれを楽にしよう!第4話





山形県東根市神町中央通り 土屋薬局 薬剤師、国際中医師 土屋幸太郎


痛み、しびれを中国漢方で専門的に勉強している薬剤師の土屋幸太郎です。

土屋薬局での痛み、しびれの漢方相談の取り組みをご紹介します。

ご家族の方などで痛み、しびれでお悩み、お困りのの場合には、土屋薬局へどうぞご紹介してください。

皆様に痛み、しびれから解放される喜びを味わって頂きたいです。



「リウマチの漢方療法の紹介」
リウマチなどの膠原病(こうげんびょう)に 悩んでいる方は多いようです。
 
リウマチは 病気の原因がはっきりしていないので、完治させる治療法がないのが実状です。

今回の 「“痛み、しびれ”を楽にしよう!第4話」では、リウマチ性疾患に対する 漢方療法を紹介します。





ケース4 男性66歳、農業、リウマチ歴1年半




Aさんは、小柄で痩せている男性です。


長年、農業に従事して、お米を作っています。

昨年の10月29日に来店されました。


リウマチは、一昨年の2月から始まりまったそうです。

両手の指と手背が痛く、指が曲げずらく硬い感じがし、朝のこわばりがひどいです。

リウマチになった きっかけは、カゼをひいて、お腹の調子を崩したことが原因だそうです。


その他には、車の運転席から畑に落ちて、左肩を打ったので、肩や首にも痛みがあります。


右膝も痛く、過去に2回水を抜いています。

正座は痛くて出来ません。


体は 寒がりで、夜は3回トイレに起きます。

随伴症状として、胃炎があり、胃にポリープが見つかっています。


現在、県立病院から外用薬として ボルタレン座薬(鎮痛座薬)、内服ではアザルフィジン(抗リウマチ薬)、フェロミア(鉄剤)、アプレース(胃粘膜改善剤)、ロルカム(鎮痛消炎剤)、が処方されています。





リウマチは全身性の自己免疫疾患。30〜40歳代の女性に多い


 

リウマチの原因は、はっきりとは分かっていませんが、「免疫(めんえき)」の異常によって起こる「自己免疫疾患(じこえめんえきしっかん)」の一つとされています。
 

免疫(めんえき)とは、体内に入ってきた病原菌などの外敵に対して、抗体(こうたい―外敵を攻撃する物質)をつくり、その働きによって体を守る防御システムです。


これは文字どおり 「疫病(やくびょう)から免(まぬが)れる」 という意味になります。

この免疫のシステムに 何らかの異常が生じると、自分の体を攻撃するようになります。

こうして起こるのが 自己免疫疾患です。



自己免疫疾患である リウマチは女性に多く見られる疾患で、男女比は 約1対4〜5くらいで、女性に多い病気です。


あらゆる年代で発症しますが、働き盛りの年代で発症することが多く、発病のピークは30〜40歳代になります。

仕事や育児で多忙な年代だけに、関節症状などにより、生活に支障が生じることも少なくありません。


現在、約50〜100万人の患者さんがいると推定されており、リウマチ疾患は増加する傾向にあります。





リウマチの症状


「朝のこわばり」

起床時に手足の関節や全身の動きが、ぎこちなく感じます。


「複数の関節が痛む」

リウマチは全身の病気なので、痛みなどの症状が複数(3つ以上)の関節に出ます。

“左右対称”に痛みが出るのが特徴で、体の左側と右側の同じ関節に 症状が出ます。


「手足が痛み、腫れる」

関節の炎症により、手足に痛みや腫れが生じます。

症状は小さい関節から始まり、次第に大きな関節にも及びます。

「指→手首→肘→肩」という具合に進行していきます。


「全身の疲労感、食欲不振」

病気が進行してくると、全身の疲労感や食欲不振などを伴います。

貧血になったり、骨が弱くなったりすることもあります。





リウマチの痛みが起こる仕組み



関節を包んでいる 関節包(かんせつほう)の内側には、「滑膜(かつまく)」という組織があります。

滑膜では、関節包を満たす 「関節液」をつくっています。


「関節液」は 潤滑油の働きをし、関節がスームズに動くようになっています。
 

ところが リウマチになると、関節に炎症が起こり、そのため痛みが生じます。


炎症が続くと、次第に滑膜が増殖し、関節液が増えて 関節に水が溜まってしまいます。

関節液には 軟骨を溶かす酵素が含まれていますので、関節面の軟骨が失われていきます。


さらに増殖した滑膜によって 骨も破壊され、関節の動きも悪くなり、ひどい場合には関節が変形していきます。
 




リウマチの薬物療法 



リウマチに治療で使われる薬は、現れている症状を抑える 「対症療法薬」と、原因に働きかけると考えられる 「抗リウマチ薬」とに分けられます。


対症療法薬…リウマチの代表的な症状である “炎症による関節の痛み”を抑える薬で、「非ステロイド抗炎症薬」と 「ステロイド薬」があります。


「非ステロイド抗炎症薬」は、炎症を抑え痛みを軽減します。
リウマチの症状が軽い場合に用いられます。

「ステロイド薬」…副腎皮質ホルモン薬のことで、優れた抗炎症作用をもっていますが、副作用があるので慎重し使用します。


抗リウマチ薬…免疫の異常を調整します。





中国漢方で考えるリウマチ疾患…通じざればすなわち痛む




中国漢方では リウマチは、「痺証(ひしょう)」に 相当すると考えています。

「痺(ひ)」とは “塞(ふさ) がる” “通じない”という意味があります。


つまり 「痺証(ひしょう)」とは 神経(気)の流れや、血液の流れが阻害され、“痛み”“しびれ”が 生じている状態を示すことになります。


本来、私たちの体は神経や 血液の流れが スムーズに巡っているのが正常です。

ところが、神経や血液の流れが悪くなれば、体のあちこちで 不都合が生じるので “痛み” “しびれ”が発生してきます。


“痛み” “しびれ”は、血液の供給不足や、神経の伝達を絶たれた結果、生じる悲鳴と言えます。






「痺証(ひしょう)」が発生する原因…@体質 A環境



@体質…

カゼをひきやすい、元気がなく疲れやすい、冷え性など虚弱体質の方や、
老化による体の衰えは 病気に対する抵抗力がありません。

過労が続いたり カゼをひいた時や、食事の不摂生が続くと “痛み”や“しびれ”が発症します。

これ以外にも、妊娠・出産、ストレスなども関係しています。


A環境…

長期間にわたる居住地・生活環境など、気候風土の影響が考えられます。

例えば 日当たりが悪く、寒冷で 湿気の多い土地に住んでいる場合は、
体の元気が消耗して 「痺証(ひしょう)」になりやすいのです。


「痺証(ひしょう)」は 基本的には、@体質と A環境の 2つの要因が複雑に絡み合って起きると 中国漢方では考えています。





「独活寄生湯はいかなる症例にも程度の差はあれ、リウマチに確実に効くので非常に便利に感じている。」



臨床第一線の著名な 張朧英(ちょうろうえい)先生の文章をご紹介します。

「独活寄生湯はいかなる症例にも程度の差はあれ、確実に効くので非常に便利に感じている。」


「筆者は、以前、リウマチ及びその近似疾患に、羌活勝湿湯(きょうかつしょうしつとう)、羌活除湿湯(きょうかつじょしつとう)、身痛逐淤湯(しんつうちくおとう)、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)エキス、疏経活血湯(そけいかっけつとう)エキス、ヨクイニン湯エキス等、いろいろ試してみたが、よく効く時もあれば、ぜんぜん効かない場合もあり、どちらかというと効かない場合のほうが多かった。


なかなか的確な 弁証(べんしょう)が難しかった。


しかし、この独活寄生湯は、いかなる症例にも程度の差はあれ、確実に効くので非常に便利に感じている。

今までに 数百例に使っているが 副作用(軽い胃腸障害を含めて)は全くなく、老人子供でも安心して使える。」


「漢方の臨床 35号 12、27〜34、(1988)」より引用させて頂きました。
ありがとうございます。






独歩顆粒の漢方構成成分は、大きく分けて二つあります。




一つには、体の抵抗力を増し、病気に打ち勝つ力をつけることです。

“だるい”“疲れやすい” といった症状改善に効果的です。
 

2点目は、リウマチを悪化させる “風、寒さ、湿気” などの悪天候から、体を守る働きがあることです。


補腎薬は 同時に 「基礎体力」を上げていますので、これらの悪影響を及ぼす生活環境にも 打ち負けないようになります。

これらの総合的な働きにより、リウマチに応用されます。






Aさんのリウマチの原因は?


さて 前述のAさんは、長年に渡り農業をしてきましたので、屋外の作業により、山形の厳しい “風、寒さ、湿気” などの影響を受けていると考えられます。


66歳の年齢からは、体力が消耗して抵抗力がなくなっていることも推定されます。

山形の厳しい自然環境と、体質の虚弱が リウマチになりやすい状態を招いたのでしょう。


そこに、2月の雪降りで寒い時にカゼをひいてしまったので、カゼという「ストレス」が体にかかり、体のバランスが乱れ(免疫の異状) ―リウマチが 発症してしまったのでしょう。
 




独歩顆粒でリウマチのつらい症状を和らげ、体質改善を行なう



Aさんの つらいリウマチの症状を改善するには、“風、寒さ、湿気”などの、リウマチを悪化させる天候から体を守りながら、免疫力(病気を治す力)を上げていく必要があります。


この2つの問題を解消できる便利な漢方薬が独歩顆粒です。





タオルが絞れるようになり、正座もできるようになった!


Aさんには、さっそく独歩顆粒を服用してもらいました。

10月から服用を始めて、12月12日には肩や肘の痛みが解消してきました。


以前は、就寝中に鎖骨や膝が痛くなっていましたが、それもなくなったそうです。

その後も根気よく服用を続け、半年過ぎた4月には 多少指がこわばりますが、タオルがしぼれるようになりました。


お陰で 仕事も順調にいくようになりましたし、膝の痛みも解消し、正座ができるようになりました。


その後のAさんの状態は良好で、鎮痛剤の服用を中止でき、再発防止のリウマチ体質改善剤(抗リウマチ薬)だけですんでいます。





リウマチや膠原病でお悩みの方は、土屋薬局に遠慮なくご相談下さい



リウマチや 膠原病(こうげんびょう)などの自己免疫疾患は、中国漢方の知恵を取り入れながら、病院での治療を行なうと、かなり効果が上がる場合があります。

今回は独活寄生湯を紹介しましたが、その人の体質に合った方法がありますので、遠慮なくご相談下さい。

漢方相談お待ちしております。


独歩顆粒として発売されました)


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